2021年度の租税・社会保障負担率(国民負担率)は48.0%、前年度から0.1ポイント増―財務省
2022.2.18.(金)
税負担と社会保障負担の合計が国民所得に占める割合(国民負担率)は、今年度(2021)年度には48.0%となり、前年度に比べて0.1ポイント増の過去最高となる見込みである。また、財政赤字を勘案した潜在的国民負担率は60.7%になると見込まれる—。
また来年度(2022)年度には46.5%となり、今年度に比べて1.5ポイント減少する見込みである—。
財務省が2月17日に公表した2022年度の国民負担率から、こういった状況が明らかになりました(財務省のサイトはこちら)。
財政赤字を加えた潜在的国民負担率は60.7%で、前年度から2.1ポイント軽減
国民負担率は、【「租税負担+社会保障負担」/「国民所得(NI)」】で計算される経済指標で、公的負担の重さを示します。
財務省は、毎年度、国民負担率を計算しており、今年度(2021年度)には48.0(租税負担が28.7%、社会保障負担が19.3%)で過去最高となり、来年度(2022年度)には46.5%(租税負担が27.8%、社会保障負担が18.7%)となる見込みです。
国民負担率の推移を見ると、今年度(2021年度)の48.0%がピークとなる見込みが立てられています。
ここに「財政赤字」を組み込んだ「潜在的な国民負担率」(財政赤字は将来世代の借金であり、いずれ国民の負担で償還していかねばならない)を見ると、今年度(2021年度)には60.7(財政赤字部分が12.7%)、来年度(2022年度)には56.9%(財政赤字部分が10.4%)となる見込みです。
さらに国民負担率(租税、社会保障負担)についてOECD加盟諸国の状況を見ると、最も重いのはルクセンブルグ(2019年度)で93.4%、次いで▼フランス(2019年度):67.1%▼デンマーク(2019年度):66.2%▼オーストリア(2019年度):62.4%▼ベルギー(2019年度):62.1%―などという状況です。
我が国の2019年度における国民負担率(44.1%)は、OECD加盟36か国中25位で、我が国よりも国民負担率が低いのは、▼韓国(2019年度):40.1%▼オーストラリア(2019年度):37.9%▼スイス(2019年度):38.3%▼アメリカ合衆国(2019年度):32.4%―などです。
なお、ドイツ(2019年度)は54.9%で13位、イギリス(連合王国、2019年度)は46.5%で24位という状況です。
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