がんゲノム医療の中核となる拠点病院、がん研究会有明病院が新たに加わり、2023年4月から13病院体制に—厚労省
2023.2.20.(月)
我が国のがんゲノム医療を牽引していく「がんゲノム医療中核拠点病院」について、2023年4月から、新たに「がん研究会有明病院」(東京都江東区)を加えた以下の13施設とする—。
厚生労働省は2月17日、こうした「がんゲノム医療中核拠点病院等の指定に関する検討会の検討結果」を公表しました。3月上旬には「がんゲノム医療拠点病院」(全国で30施設程度)の選定検討が検討会で行われ、4月1日から新たな「がんゲノム医療提供体制」がスタートします。
新指定要件に基づき、データ・ヒアリング結果を踏まえてがんゲノム中核拠点病院を選定
Gem Medで報じているとおり、新たな▼がん診療連携拠点病院▼小児がん拠点病院▼がんゲノム医療中核拠点病院・拠点病院—の指定要件(整備指針)が策定され、2023年度から新たながん診療提供体制がスタートします。
がんゲオム医療中核拠点病院・拠点病院・連携の指定要件(整備指針)については、例えば▼パネル検査・遺伝カウンセリング・治験実施などに関する「実績要件」を盛り込む▼がんゲノム医療拠点病院についても、新たに「がんゲノム医療中核拠点病院との連携」を求める▼がんゲノム医療連携病院において「患者の転帰などの情報が正しく入力される」ような仕組みを設ける—などの見直しが行われました(関連記事はこちら)。
●がんゲノム医療中核拠点病院等の新指定要件(整備指針)はこちら
この新指定要件(整備指針)に基づいて「がんゲノム医療中核拠点病院」「がんゲノム医療拠点病院」の選定を行い(がんゲノム医療連携病院は、中核拠点病院・拠点病院が自ら選定する)、本年(2023年)4月1日から新体制をスタートさせることになります。
2月13日には、まず中核拠点病院に関する審査を実施。書面審査とヒアリング審査を行い(関連記事はこちら)、次の13病院が選出されたことが今般、厚労省から公表されました。これまでの12病院に加えて、これまでがんゲノム医療拠点病院であった「がん研究会有明病院」(東京都江東区)が、新たに中核拠点病院となりました。
【北海道ブロック】(1施設申請→1施設選定)
▽(継続)北海道大学病院(北海道札幌市)
【東北ブロック】(1施設申請→1施設選定)
▽(継続)東北大学病院(宮城県仙台市)
【関東甲信越ブロック】(6施設申請→5施設選定、従前より1施設増)
▽(継続)国立がん研究センター東病院(千葉県柏市)
▽(新規)がん研究会有明病院(東京都江東区)
▽(継続)慶應義塾大学医学部附属病院(東京都新宿区)
▽(継続)国立がん研究センター中央病院(東京都中央区)
▽(継続)東京大学医学部附属病院(東京都文京区)
【東北北陸ブロック】(3病院申請→2病院選定)
▽静岡県立静岡がんセンター(静岡県駿東郡長泉町)
▽名古屋大学医学部附属病院(愛知県名古屋市)
【近畿ブロック】(3病院申請→2病院選定)
▽京都大学医学部附属病院(京都府京都市)
▽大阪大学医学部附属病院(大阪府吹田市)
【中国四国ブロック】(2病院申請→1病院選定)
▽岡山大学病院(岡山県岡山市)
【九州ブロック】(1病院申請→1病院選定)
▽九州大学病院(福岡県福岡市)
1病院が加わり、中核病院に求められる▼人材育成▼他院の診療支援▼治験・先進医療の主導▼研究開発—の機能が日本全国で高まると期待されます。
3月上旬には「がんゲノム医療拠点病院」(全国で30施設程度)の選定論議が行われ、本年(2023年)4月1日から新たな中核拠点病院・拠点病院体制がスタートします。なお、がんゲノム医療連携病院は「がんゲノム医療中核拠点病院・がんゲノム医療拠点病院が指定」します。
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