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後発品割合80%達成に向け、医療機関等の訪問説明行い、薬剤費軽減通知対象も拡大―協会けんぽ

2020.2.20.(木)

今年(2020年)9月の「後発医薬品使用割合80%以上」の目標値を達成するために、(1)「お薬代の軽減可能額のお知らせ」(軽減額通知)対象を15歳以上に拡大する(2)厚生労働省が定めた重点地域を中心に医療機関・保険薬局への訪問を強化する―。

協会けんぽを運営する全国健康保険協会は2月4日に、今年(2020年)9月の「後発医薬品の使用割合目標80%達成」に向けて、こういった緊急対策を講じることを明らかにしました(協会のサイトはこちら)。

診療所等、0-19歳の後発品割合を平均に引き上げれば、後発品割合は4.76ポイント向上

「医療技術の高度化」(代表的なものとして超高額な白血病等治療薬「キムリア」の保険適用などがあげられる)や「高齢化の進展」などにより医療費は増加を続けています。そうした中で、2022年度からいわゆる団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となりはじめ、2025年度に全員が75歳以上に到達することから、今後、さらに急速に医療費が増加していくことが確実です。その後、2040年度にかけて高齢者の増加ペースそのものは鈍化しますが、支え手となる現役世代人口が急速に減少していきます。

「少なくなる支え手」で「増加する高齢者」を支えなければならず、公的医療保険制度の財政基盤は極めて脆くなっていきます。

こうした状況の下では、「医療費の伸びを我々国民の負担できる水準に抑える」(医療費適正化)ことが不可欠となり、その一環として「後発医薬品(ジェネリック医薬品、後発品)の使用促進による薬剤費の圧縮」が重視され、政府は▼2017年央に後発品の使用割合を数量ベースで70%以上とする(第1目標)▼2020年9月に80%以上とする(第2目標)―という2段階の目標を設定し、使用推進を促しています。

主に中小企業のサラリーマンとその家族が加入する「協会けんぽ」の運営者である全国健康保険協会でも、かねてより積極的に後発品使用促進に取り組んでいます。例えば医療機関を受診し、医薬品を処方された加入者個々人に宛てて「貴殿の医薬品を先発品から後発品に切り替えた場合、自己負担額が○○円軽減されます」といった通知を発出したり、毎月の後発品使用割合の公表などを行っています。

しかし、協会けんぽ全体では、調剤分に「医科・DPC・歯科」分を加えた後発品割合は、昨年(2019年)9月末時点で76.9%にとどまっており、都道府県別に見ると依然として大きなバラつきがあります(最も高いのは沖縄県の87.4%、逆に最も低いのは徳島県の67.0%)

さらに、協会の分析では▼医療機関の種類別に見ると、診療所(院内処方)や大学病院において後発品使用割合が低い(2021年4月診療分の全体平均は76.3%だが、診療所(院内処方)では64.7%、私立大学病院(院内処方)では61.0%など)▼患者の年齢別に見ると、0-19歳で後発品使用割合が低い(2021年4月診療分の全体平均は76.3%だが、0-6歳で74.7%、7-14歳で67.8%、15-19歳で73.8%)―ことなども明らかとなっています(後述するようにこれらが平均並みになれば後発品割合は4.76ポイント向上する)。

医療機関種類別、年齢別等の後発品使用割合分析(協会けんぽ後発品緊急対策1 200204)



こうした状況の中で、協会では、今年(2020年)9月に目標値『80%以上』を達成するにはさらなる取り組みの強化が必要とし、今般、次の緊急対策を固めたものです。

(1)「お薬代の軽減可能額のお知らせ」(軽減額通知)の対象を15歳以上に拡大する
上述のとおり、協会では、医薬品を処方された加入者個々人に宛てて「貴殿の医薬品を先発品から後発品に切り替えた場合、自己負担額が○○円軽減されます」といった通知を行っていますが、その対象は「18歳以上の加入者」となっていますが、2020年2月の通知から、「15歳以上の加入者」に拡大することとなりました。

加入者向けの後発品使用による自己負担軽減通知のサンプル(協会けんぽ後発品緊急対策2 200204)



多くの市町村では「小児に対する医療費助成」を行っているため「医療費・薬剤費の自己負担軽減」にあまり敏感ではないと思われますが、協会では「約7割の市区町村で『15歳の年度末に乳幼児等医療費助成が終了する』ことから、後発品の切り替えに繋がりやすい」と見ています。

さらに後発品への切り替え希望者には「医師または薬剤師に、軽減額通知を持参して相談すれば、スムーズな切り替えが可能である」とアドバイスしています。

(2)厚生労働省が定めた重点地域を中心とした医療機関・保険薬局への訪問を強化する
協会では、加入者のレセプトを分析して、個別の医療機関・保険薬局ごとに▼後発品使用割合に特に寄与する医薬品の処方状況▼当該医療機関等の所在都道府県でよく使われている後発品リスト―を提供し、後発品使用の強化を考えている医療機関・保険薬局をサポートしています。

現在、こうした情報提供は「主に郵送」で行われていますが、今後、「後発品使用割合が低く、都道府県平均の向上に寄与する医療機関・保険薬局」を対象に、積極的な「訪問、説明」を行うことを強調しています。

医療機関向けの後発品使用促進レポートのサンプル1(協会けんぽ後発品緊急対策3 200204)

医療機関向けの後発品使用促進レポートのサンプル2(協会けんぽ後発品緊急対策4 200204)



なお、協会では「0-19歳における後発品使用」や「診療所や大学病院における後発品使用」が全体平均にまで向上すれば、協会けんぽ全体の後発品使用割合が「4.76ポイント向上する」と試算。昨年(2019年)9月時点の後発品割合は76.9%であり、これが4.76ポイント向上すれば「81.66%」となり、目標値「80%以上」をクリアできる計算になります。


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