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糖尿病治療薬の「ダイエット薬」としての使用は有効性・安全性未確認!医療関係者・患者ともに「適正な使用」に協力を!―PMDA

2024.10.23.(水)

2糖尿病治療に用いる「GLP-1受容体作動薬」「GIP/GLP-1受容体作動薬」(ビクトーザ皮下注やマンジャロ皮下注など)を、「ダイエット薬」「手軽なやせ薬」などと称する医療広告が散見される—。

「GLP-1受容体作動薬」「GIP/GLP-1受容体作動薬」は、我が国では2型糖尿病治療についてのみ使用が認められており、それ以外の使用には「思わぬ健康被害が発現する」可能性もあり、実際に生じている—。

医療関係者・患者ともに「適正使用」に協力してほしく、また不適切使用を推奨する記事等には規制当局への連絡などの対応をとる—。

医薬品医療機器総合機構(PMDA)は10月18日に、製薬メーカーからの適正使用等に関する情報提供として「GLP-1受容体作動薬及びGIP/GLP-1受容体作動薬の適正使用に関するお知らせ」を公表しました。医療機関・薬局において、改めて最大限の留意が必要です(PMDAのサイトはこちら)。

「GLP-1受容体作動薬」の適正使用に医療者も患者も協力してほしい

昨今、糖尿病治療薬を「簡単にやせられる薬」などと称して処方する不適切な診療、さらにその旨の広告が巷に溢れ、健康被害も発生していることが大きな問題となっています。

PIO-NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)や日本医師会による調査では、例えば次のような不適切事例が明らかになっています(関連記事はこちら)。

▼オンライン診療を受け「糖尿病に使う薬をダイエットにも使える」という理由から処方された。薬を飲んだところ下痢、腹痛、頭痛、めまいの症状が出て治まらなかった(→かかりつけ医の受診に至る)

▼美容クリニックでオンライン診療を受け「食事制限や運動の必要もなく、毎日注射をすれば痩せる」と言われた。薬を使用すると吐き気、めまい、嘔吐、倦怠感の症状が出た。医師に相談したところ、「薬の量を減らせ」「そのうち薬に慣れてくる」と言われたため、1週間我慢したが、体重は変わらなかった

▼病院で医師から「いいやせ薬がある」と勧められ、このやせ薬を処方してもらい服用していたところ、意識を失い転倒して唇等を怪我した



製薬メーカー(ノボノルディスクファーマ社、アストラゼネカ社、サノフィ社、日本イーライリリー社)もこうした事態を問題視し、次のような点を改めて改めて強調。

▽GLP-1受容体作動薬、GIP/GLP-1受容体作動薬は、2型糖尿病【のみ】を効能・効果として製造販売承認を取得しており、それ以外の目的で使用された場合の安全性・有効性は確認されていない

▽GLP-1受容体作動薬、GIP/GLP-1受容体作動薬は、「医師が個々の2型糖尿病患者の状態を確認したうえで、添付文書に従って適切に処方・使用される」ことを目的とした医薬品であり、国内で承認された使用法以外で使用した場合、「本来の効果が見込めない」だけでなく、「思わぬ健康被害が発現する」可能性もある

▽製薬メーカーとして「患者の安全を確保する」ことが最も重要と考えている

GLP-1受容体作動薬、GIP/GLP-1受容体作動薬の製造元・製品一覧



こうした点を踏まえて、▼引き続き医療関係者、患者へ、GLP-1受容体作動薬、GIP/GLP-1受容体作動薬の「適正な使用」を要望する▼承認された効能・効果【外】の使用を推奨していると受け取れる記事等については、確認次第、規制当局への連絡、相談を速やかに実施する—ことを強調し、医療関係者・患者に「適正使用への協力」を改めて強く要請しています。



なお、この点について日本糖尿病学会では、「GLP-1受容体作動薬およびGIP/GLP-1受容体作動薬の適応外使用に関する日本糖尿病学会の見解」を昨年(2023年)11月28日に改訂し、「2型糖尿病を有さない日本人における有効性・安全性は確認されていない」と改めて警鐘を鳴らしています(学会サイトはこちら)。

日本糖尿病学会見解



また、これらの不適切事例は「オンライン診療」や「広告」において目立つことから、厚生労働省はオンライン診療の適切な実施に関する指針(以下、オンライン診療指針)において、「各学会の対面診療においても用いられる診療ガイドラインなどを踏まえた適切な診療を実施しなければならない」旨などを強調しています(関連記事はこちらこちら)。





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