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経済財政諮問会議メンバーの「医療に関する誤解」、病院団体代表が解く必要がある―日病協

2021.5.24.(月)

経済財政諮問会議のメンバーには「民間病院はコロナ感染症対応に非協力的である」「コロナ感染症患者を受け入れている公立病院のみが経済的打撃を受けている」などの誤解があるようで、それを病院団体が解くことが必要である―。

5月21日に行われた「日本病院団体協議会の代表者会議」後の記者会見で、斉藤正身議長(日本リハビリテーション病院・施設協会会長)と小山信彌副議長(日本私立医科大学協会会業務執行理事)から、こういった考えが明らかにされました。

1入院当たり包括の提言は「唐突」、時間をかけて議論すべきテーマである

間もなく、我が国の経済再生、財政健全化に向けた道標となる「骨太方針2021」が閣議決定される見込みです。経済財政諮問会議では、▼新型コロナウイルス感染症にかかる医療機関支援について、「緊急包括支援金」から「診療報酬の概算払い」へと舵を切り替えるべき▼医療資源の分散を是正するためには医療機関の再編・統合が必須であり、そのために「1入院当たり包括支払い」の診療報酬導入などを検討すべき―などといった社会保障改革論議が進められています。

この点について病院団体では、「医療現場の実際やおもいなどとかけ離れた論議がなされている嫌いがある。病院団体代表者の経済財政諮問会議出席を認め、意見を述べ、議論できる機会を設けてほしい」旨の要望を内閣官房等に行っています。

関連して5月21日には、日本リハビリテーション病院・施設協会や日本私立医科大学協会、日本病院会など15の病院団体で構成される日病協・代表者会議が開かれ、(1)経済財政諮問会議で医療制度論議を行うことは結構だが、病院関係者の声をしっかりと聞くべきである(2)新型コロナウイルス感染症対応について民間病院が決して非協力的なわけではなく、強制的に「コロナ感染症対応病院に転換する」ことは現実的ではない―旨を確認したことが斉藤議長・小山副議長から報告されました。

諮問会議で具体的にどういった意見を述べる考えなのか、などはまだ固まりきっていませんが、例えば(2)にある「民間病院がコロナ感染症対応に非協力的である」「コロナ感染症患者を受け入れている公立病院のみが経済的打撃を受けている」といったような偏見、誤解が諮問会議メンバーにはあり、それを解くことが第一であると斉藤議長は強調。

また、小山副議長は「我が国では、急性期入院医療について『1日当たり定額・包括』のDPC制度を導入したが、その際には『1入院当たり包括』の仕組みも検討し、『それは我が国にはマッチしてない』という結論を経て1日当たり定額制が導入された。突然、『1入院当たり定額・包括』の導入を提言されたが、日病協でもきちんと理論立てて検討し、諮問会議メンバーと時間をかけて議論していきたい」とコメントしています。



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