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260324ミニセミナー診療報酬改定セミナー2026

医療DX推進体制を評価する電子的診療情報連携体制整備加算、電子カルテ情報共有サービス参加、サイバーセキュリティ対策等も要件に

2026.3.6.(金)

厚生労働省が3月5日、2026年度診療報酬に関する関係告示の公布・通知の発出を行いました。あわせて動画やパワーポイントスライドを用いた、分かりやすい解説も行われています。

2月13日の答申時点では明らかにされていなかった詳細な基準や要件の内容が示されています。Gem Medでは、順次、告示・通知内容をお伝えしていきます。

●厚労省の2026年度改定に関するサイトはこちら

今回は、答申段階では明らかにされなかった、医療DX推進にかかる体制等を評価する、新たな【電子的診療情報連携体制整備加算】の施設基準の詳細を眺めてみます(関連記事はこちら)。

初診料の電子的診療情報連携体制整備加算1、電子処方箋・電子カルテ情報共有の双方が必要

個々の患者の過去の診療情報等を参照し、「質が高く、効率的な医療」提供を目指す医療DXが進められています。

ただし、医療DXの推進にはコストがかかるため、診療報酬や補助金による経済的支援が欠かせません。

また、昨今、医療機関もターゲットに据えた「サイバー攻撃」が増加し、実際に被害にあう病院も出てきています。政府は「サイバーセキュリティ対策の強化」に向けた様々な対策も講じていますが、医療機関によるセキュリティ強化が必須となり、ここにも経済的支援が必要となります(関連記事はこちら)。

そこで、2026年度診療報酬改定では、医療DX推進の一環として「医療情報取得加算・医療DX推進体制整備加算を廃止し、診療録管理体制加算におけるサイバーセキュリティ対策要件の見直しを行ったうえで、初診料、再診料、入院料の加算として【電子的診療情報連携体制整備加算】を新設する」ことになりました。

外来の【電子的診療情報連携体制整備加算】は次のように設定されます。

◆初診料(クリニック、病院)
(新)【電子的診療情報連携体制整備加算】(初診を行った際、1か月に1回算定可)
・加算1:15点
・加算2:9点
・加算3:4点

◆再診料(クリニック、200床未満病院)
(新)【電子的診療情報連携体制整備加算】:2点(再診を行った際、1か月に1回算定可)

◆外来診療料(言わば200床以上病院の再診料)
(新)【電子的診療情報連携体制整備加算】:2点(再診を行った際、1か月に1回算定可)

外来における【電子的診療情報連携体制整備加算】



3月5日に示された通知「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」では、外来における【電子的診療情報連携体制整備加算】の詳細な施設基準が次のように明らかにされました。

▼初診料の電子的診療情報連携体制整備加算1、同加算2、同加算3▼再診料および外来診療料の電子的診療情報連携体制整備加算—に共通する施設基準
▽レセプトオンライン請求を行っている

▽明細書(算定した診療報酬の区分・項目の名称、点数または金額)を患者に無償で交付している

▽オンライン資格確認体制を有していること
→オンライン資格確認導入に際して、医療機関等向けポータルサイトで「運用開始日の登録」を行う

▽本加算を算定する月の「3か月前のレセプト件数ベースマイナ保険証利用率」が30%以上
→「3か月前のレセプト件数ベースマイナ保険証利用率」に代えて、「その前月(4か月前)または前々月(5か月前)のレセプト件数ベースマイナ保険証利用率」を用いることも可能(つまり、算定月の5か月前・4か月前・3か月前のいずれかでマイナ保険証利用率が30%であればよい、関連記事はこちら

▽マイナポータルの医療情報等に基づき「患者からの健康管理に係る相談」に応じる体制を有している

▽次の事項について、院内の見やすい場所に掲示し、原則としてウェブサイトに掲載している(自ら管理するホームページ等を有しない場合は院内掲示のみで可)
ア 医師等が診療を実施する診察室等において「オンライン資格確認等システムにより取得した診療情報」(個々の患者の他院も含めたこれまでの診療情報、取得は患者の同意が前提)等を活用して診療を実施していること
イ マイナ保険証を促進するなど「医療DXを通じて質の高い医療を提供できるよう取り組んでいる」こと
ウ 明細書を患者に無料で交付していること



▼初診料の電子的診療情報連携体制整備加算1のみに求められる施設基準(電子処方箋対応、電子カルテ情報共有サービス参加の『双方』を満たすことが必要)
▽「電子処方箋を発行する体制」または「調剤情報を電子処方箋管理サービスに登録する体制」を有している

▽以下の「アからウのすべて」または「エ」を満たす電子カルテを有している
ア 厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」(以下、安全管理ガイドライン)に準拠した体制である(関連記事はこちら

イ 電子処方箋管理サービスとの接続インターフェースを有している

ウ 電子カルテ情報共有サービスとの接続インターフェースを有している(当面の間に限り、当該基準を満たしているものと見做す。ただし医療機関は、国等が全国で電子カルテ情報共有サービスの運用を開始した場合には、速やかに導入するように努める、以下同)

エ 厚労省が認証する電子カルテ製品である

▽次の「ア」または「イおよびウ」を満たす
ア 国等が提供する電子カルテ情報共有サービスにより取得される診療情報等を活用する体制を有している

イ 地域の複数の医療機関間で検査結果や画像情報等を含む診療情報を共有・閲覧できる ネットワーク(いわゆる地域医療連携ネットワーク、地連)で、以下の「(イ)から(ハ)のすべて」を満たすものを活用する体制を有 している
(イ)当該ネットワークの参加医療機関数が10以上で、うち診療情報を開示している病院数が2以上
(ロ)登録患者数が1000人以上、または新規登録患者数が年間100人以上
(ハ)当該ネットワークの運営主体が「連携している医療機関名、登録患者数」をウェブサ イトで公表している

ウ 以下の(イ)および(ロ)を満たす
(イ)「診療情報提供料(I)の検査・画像情報提供加算」または「電子的診療情報評価料」の施設基準を届け出ている(関連記事はこちら
(ロ)「当該ネットワークに参加していること」「実際に患者情報を共有している連携先医療機関の名称」を院内の見やすい場所に掲示している



▼初診料の電子的診療情報連携体制整備加算2のみに求められる施設基準】(「電子処方箋対応、電子カルテ情報共有サービス参加の『いずれか』を満たす」ことが必要)
◇以下のいずれかを満たす
▽「電子処方箋を発行する体制」または「調剤情報を電子処方箋管理サービスに登録する体制」を有している

▽以下の「アからウのすべて」または「エ」を満たす電子カルテを有している
ア 厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」に準拠した体制である(関連記事はこちら

イ 電子処方箋管理サービスとの接続インターフェースを有している

ウ 電子カルテ情報共有サービスとの接続インターフェースを有している

エ 厚労省が認証する電子カルテ製品である

▽次の 「ア」または「イおよびウ」を満たす
ア 国等が提供する電子カルテ情報共有サービスにより取得される診療情報等を活用する体制を有している

イ 地域の複数の医療機関間で検査結果や画像情報等を含む診療情報を共有・閲覧できる ネットワーク(いわゆる地域医療連携ネットワーク、地連)で、以下の「(イ)から(ハ)のすべて」を満たすものを活用する体制を有 している
(イ)当該ネットワークの参加医療機関数が10以上で、うち診療情報を開示している病院数が2以上
(ロ)登録患者数が1000人以上、または新規登録患者数が年間100人以上
(ハ)当該ネットワークの運営主体が「連携している医療機関名、登録患者数」をウェブサ イトで公表している

ウ 以下の(イ)および(ロ)を満たす
(イ)「診療情報提供料(I)の検査・画像情報提供加算」または「電子的診療情報評価料」の施設基準を届け出ている(関連記事はこちら
(ロ)「当該ネットワークに参加していること」「実際に患者情報を共有している連携先医療機関の名称」を院内の見やすい場所に掲示している



また、▼初診料の電子的診療情報連携体制整備加算3▼再診料および外来診療料の電子的診療情報連携体制整備加算—では、電子処方箋対応や電子カルテ情報共有サービス参加に関する施設基準は定められていません。

外来における【電子的診療情報連携体制整備加算】の施設基準



より上位(高点数)の加算1を取得するために、より多くの医療機関で「電子処方箋対応、電子カルテ情報共有サービス参加の『双方』の整備」を進めることが期待されます。その際、こうした体制整備は何よりも「質の高い、効率的な医療提供」のために重要である点を忘れてはいけません。

なお、マイナ保険証利用率が「すべての加算区分において30%以上」となっていますが、現在の【医療DX推進体制整備加算】では、マイナ保険証利用率(2026年3-5月)が▼加算1・4(高い加算)では70%以上▼加算2・5(中程度の加算)では50%以上▼加算3・6(低い加算)では30%以上—に設定されていることから、新加算のマイナ保険証利用率の基準は「緩め」に設定されていると言えるでしょう(マイナ保険証利用が原則となっているため、高い基準値を設ける必要がないとも考えられる)。

入院の電子的診療情報連携体制整備加算1、「十分な」サイバーセキュリティ対策を求める

また、新たに入院にも設けられた【電子的診療情報連携体制整備加算】は、施設基準(医療機関の体制・実績)に応じて次のような点数が設定されます(入院初日に算定可)。

(新)A207-5【電子的診療情報連携体制整備加算】
1 電子的診療情報連携体制整備加算1:160点
2 電子的診療情報連携体制整備加算2:80点

(本加算を算定できる入院料)
・A100【一般病棟入院基本料】(急性期A・B、急性期1-6、地域一般)
・A101【療養病棟入院基本料】
・A102【結核病棟入院基本料】
・A103【精神病棟入院基本料】
・A104【特定機能病院入院基本料】(特定機能A・B・C)
・A105【専門病院入院基本料】
・A106【障害者施設等入院基本料】
・A108【有床診療所入院基本料】
・A109【有床診療所療養病床入院基本料】
・A317【特定一般病棟入院料】



また施設基準は、次のように設定されることが通知「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」から明らかになりました。

◆加算1・加算2に共通する施設基準
▽レセプトオンライン請求を行っている

▽明細書(算定した診療報酬の区分・項目の名称、点数または金額)を患者に無償で交付している

▽オンライン資格確認体制を有していること
→オンライン資格確認導入に際して、医療機関等向けポータルサイトで「運用開始日の登録」を行う

▽本加算を算定する月の「3か月前のレセプト件数ベースマイナ保険証利用率」が30%以上
→「3か月前のレセプト件数ベースマイナ保険証利用率」に代えて、「その前月(4か月前)または前々月(5か月前)のレセプト件数ベースマイナ保険証利用率」を用いることも可能(つまり、算定月の5か月前・4か月前・3か月前のいずれかでマイナ保険証利用率が30%であればよい、関連記事はこちら

▽マイナポータルの医療情報等に基づき「患者からの健康管理に係る相談」に応じる体制を有している

▽次の事項について、院内の見やすい場所に掲示し、原則としてウェブサイトに掲載している(自ら管理するホームページ等を有しない場合は院内掲示のみで可)
ア 医師等が診療を実施する診察室等において「オンライン資格確認等システムにより取得した診療情報」(個々の患者の他院も含めたこれまでの診療情報、取得は患者の同意が前提)等を活用して診療を実施していること
イ マイナ保険証を促進するなど「医療DXを通じて質の高い医療を提供できるよう取り組んでいる」こと
ウ 明細書を患者に無料で交付していること

▽厚労省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」に準拠した体制である(関連記事はこちら

「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」に基づき「専任の医療情報システム安全管理責任者」を配置する
→当該責任者は、職員を対象として、少なくとも年1回程度、定期的に「必要な情報セキュリティに関する研修」を行う

▽「専任の医療情報システム安全管理責任者」は、情報セキュリティマネジメントや情報処理安全確保支援士の資格を有していることが望ましい



▼加算1のみに求められる施設基準(十分なサイバーセキュリティ対策要件)
▽非常時に備えた「医療情報システムのバックアップ」を複数の方式で確保し、その一部はネットワークから切り離したオフラインで保管している
→例えば、日次でバックアップを行う場合は「数世代(少なくとも3世代)確保する」などの対策を行う
→「ネットワークから切り離したオフラインで保管している」ことについて、医療情報システム・サービス事業者との契約書等に記載されているか確認し、当該契約書等の記載部 分についても届け出の添付資料とする

「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」に基づき、「非常時を想定した医療情報システムの利用が困難な場合の対応や復旧に至るまでの対応についての業務継続計画」(以下、BCP)を策定し、医療情報システム安全管理責任者の主導の下、少なくとも年1回程度、定期的に「当該BCPに基づく訓練・演習」を実施する
→その結果を踏まえ、必要に応じて改善に向けた対応を行う
→訓練・演習について「診療を中断して実施する必要はない」が、より実効性のあるものとするために、必要に応じてシステム関連事業者も参加した上で行う
→当該BCPには「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」の経営管理編「情報セキュリティインシデントへの対策と対応」、企画管理編「非常時(災害、サイバー攻撃、システム障害)対応とBCP策定」などに記載している事項を含める
→BCP作成に当たっては、関係団体等が作成したマニュアル(医療機関におけるサイバーセキュリティ対策チェックリスト)も参考にする



加算2では、告示(基本診療料の施設基準)で「必要なサイバーセキュリティ対策」が求められますが、それには「加算1・加算2の共通基準」にある▼「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」に準拠する▼「専任の医療情報システム安全管理責任者」配置—が該当します。

入院における【電子的診療情報連携体制整備加算】





初診料・再診料・外来診療料・入院料の【電子的診療情報連携体制整備加算】全体を眺めると、次のように整理できます。

●すべての加算に共通する施設基準
▽レセプトオンライン請求▽明細書無料発行▽オンライン資格確認体制▽マイナ保険証利用率30%以上▽マイナポータルの医療情報等に基づく「患者からの健康管理相談」応需体制▽オンライン資格確認で入手した過去の診療録活用体制などの院内掲示—

●初診料の加算1にのみ適用される基準
▽電子処方箋対応、電子カルテ情報共有サービス参加の「双方」

●初診料の加算2のみに適用される基準
▽電子処方箋対応、電子カルテ情報共有サービス参加の「いずれか」

●入院料の加算1にのみ適用される基準
▽「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」準拠▽「専任の医療情報システム安全管理責任者」配置▽医療情報システムの複数バックアップ(一部はオフライン)▽サイバー攻撃等に対するBCP策定と訓練実施—

●入院料の加算2にのみ適用される基準
▽「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」準拠▽「専任の医療情報システム安全管理責任者」配置—



まず「共通の施設基準」をクリアしたうえで、電子処方箋・電子カルテ情報共有サービス・サイバーセキュリティ対策を強化し、より上位(高点数)の加算取得を目指すことが、「質の高い、効率的な医療提供」実現につながります。



なお、入院料の加算で求められるサイバーセキュリティ対策要件は、▼加算1では現在の【診療録管理体制加算1】と同じ規定▼加算2では【診療録管理体制加算1】の一部—となっています。



ところで、【診療録管理体制加算】については、新加算1(現在の加算2が移行)で求められる「診療記録管理を行うにつき十分な体制」、新加算2(現在の加算3が移行)で求められる「診療記録管理を行うにつき必要な体制」については、次のような内容が示されました。

【十分な体制】(新加算1、現在の加算1・2の基準と同じ)
▽年間の退院患者数2000名ごとに1名以上の専任の常勤診療記録管理者を配置し、うち1名以上が専従である
→診療記録管理者は、診療情報の管理、入院患者についての疾病統計(ICD10による疾病分類等)を行うもので、診療報酬の請求事務(DPCコーディング業務を除く)、窓口の受付業務、医療機関の経営・運営のためのデータ収集業務、看護業務の補助、物品運搬業務等については診療記録管理者の業務としない
→当該専従の診療記録管理者は「医師事務作業補助体制加算に係る医師事務作業補助者」を兼ねることはできない

【必要な体制】(新加算2、現在の加算3の基準と同じ)
→1名以上の専任の診療記録管理者が配置されている



なおGem Medではオンラインの改定セミナーで詳細な解説も行っています。是非、ご活用ください。



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