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GemMed塾診療報酬改定セミナー2026

急性期総合体制加算の施設基準詳細、「総合的かつ高度な体制を整え、小児・周産期含めた十分な手術実績」持つ病院が加算1を取得

2026.3.6.(金)

厚生労働省が3月5日、2026年度診療報酬に関する関係告示の公布・通知の発出を行いました。あわせて動画やパワーポイントスライドを用いた、分かりやすい解説も行われています。

2月13日の答申時点では明らかにされていなかった詳細な基準や要件の内容が示されています。Gem Medでは、順次、告示・通知内容をお伝えしていきます。

●厚労省の2026年度改定に関するサイトはこちら

今回は、答申段階では明らかにされなかった【急性期総合体制加算】の体制・実績の基準を眺めてみます(関連記事はこちら)。

急性期総合体制加算の「体制」基準と、「実績」基準の詳細が明らかに

【急性期総合体制加算】は、高度急性期入院医療を評価する【急性期充実体制加算】と【総合入院体制加算】を再編統合するものです。

本加算を取得できるのは、加算1-4は新設される急性期病院A、加算5は急性期病院Aと急性期病院Bに限定されます(急性期一般1などは取得不可)。

新たな地域医療構想で設けられる「急性期拠点機能」病院は、原則として「人口20-30万人に1か所」指定されることとなり、日本全国では400-600病院になる見込みです。

一方、【急性期総合体制加算】の前進となる急性期充実体制加算と総合入院体制加算の取得病院は、2024年度時点で450施設であり、新地域医療構想の「急性期拠点機能」病院と同程度となっています。

こうした点や、【急性期総合体制加算】の施設基準などから「新地域医療構想の『急性期拠点機能』病院は、主に【急性期総合体制加算】取得病院となるのではないか」と考えられます。

【急性期総合体制加算】の施設基準には、様々な項目が設けられていますが、とりわけ注目される「診療実績」と「体制」については、答申段階では次のように定性的なものが明らかにされるにとどまっていました(告示レベル)。

▽加算1(体制:十分、実績:十分)
▽加算2(体制:十分、実績:一定程度高い)
▽加算3(体制:必要、実績:高い)
▽加算4(体制:必要、実績:相当程度)



3月5日に発出された通知「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」では、この体制と実績の基準が次のように明らかにされました。

【体制】(地域において総合的かつ専門的な急性期医療および高度かつ専門的な医療を提供する体制」

●十分な体制(加算1・加算2)
▽内科、精神科、小児科、外科、整形外科、脳神経外科および産科または産婦人科を標榜し、当該診療科に係る入院医療を提供している
→地域医療構想調整会議で「医療機関間での医療機能の再編・統合」について合意を得た場合には、小児科、産科また産婦人科の標榜・入院医療提供を行わなくともよい(関連記事はこちら
→精神科については、▼24時間対応できる体制を確保する▼精神病床を有する▼精神病棟入院基本料、精神科救急急性期医療入院料、精神科急性期治療病棟入院料、精神科救急・合併症入院料、児童・思春期精神科入院医療管理料、地域移行機能強化病棟入院料のいずれかを届け出る▼現に精神疾患患者の入院を受け入れている―ことが必要

▽24時間の救急医療提供として、「救命救急センター」または「高度救命救急センター」を設置し、救急時医療情報閲覧機能を有していること

▽高度急性期医療の提供として、▼救命救急入院料▼特定集中治療室管理料▼ハイケアユニット入院医療管理料▼脳卒中ケアユニット入院医療管理料▼小児特定集中治療室管理料▼新生児特定集中治療室管理料▼総合周産期特定集中治療室管理料▼新生児治療回復室入院医療管理料—のいずれかを届け出ている



●必要な体制(加算3・加算4)
▽内科、精神科、小児科、外科、整形外科、脳神経外科および産科または産婦人科を標榜し、当該診療科に係る入院医療を提供している
→地域医療構想調整会議で「医療機関間での医療機能の再編・統合」について合意を得た場合には、小児科、産科また産婦人科の標榜・入院医療提供を行わなくともよい(関連記事はこちら
→精神科については、「24時間対応できる体制」(自院または他院の精神科医が、速やかに診療に対応できる体制を含む)があれば、必ずしも「標榜し、入院医療を行う体制」は必要としないが、この場合も以下のすべてを満たすこと
ア 精神科リエゾンチーム加算または認知症ケア加算1の届け出を行う
イ ▼精神疾患診療体制加算2の算定件数▼救急患者の入院3日以内における入院精神療法+救命救急入院料の「精神疾患診断治療初回加算」の算定件数—の合計が年間20件以上

▽24時間の救急医療提供として、救急時医療情報閲覧機能を有し、次のいずれかを満たす
ア 「第2次救急医療体制」、「救命救急センター」、「高度救命救急センター」、「総合周産 期母子医療センター」を設置している
イ アと同様に24時間の救急患者を受け入れている

▽高度急性期医療の提供として、▼救命救急入院料▼特定集中治療室管理料▼ハイケアユニット入院医療管理料▼脳卒中ケアユニット入院医療管理料▼小児特定集中治療室管理料▼新生児特定集中治療室管理料▼総合周産期特定集中治療室管理料▼新生児治療回復室入院医療管理料—のいずれかを届け出ている



加算1・2の「十分な体制」と、加算3・4の「必要な体制」とでは、▼精神科の体制▼救急医療の体制—が異なります。後述するように加算1・2の「十分な体制」では「総合入院体制加算1並みの総合性(診療科等要件)」+「急性期充実加算並みの急性期入院医療体制」の双方を、加算3・4の「必要な体制」では「総合入院体制加算2並みの総合性(診療科等要件)」+「急性期充実加算の急性期入院医療体制」の双方が求めていると考えることができそうです。



【実績】(総合的かつ専門的な急性期医療および高度かつ専門的な医療に係る実績)

●十分な実績(加算1)
▽全身麻酔手術件数:年2000件以上

▽以下のうち、「アからキまでのうち6つ以上」ならびに「ク、ケの双方」を満たす
ア 悪性腫瘍手術:年400件以上
イ 腹腔鏡下手術または胸腔鏡下手術:年400件以上
ウ 心臓カテーテル法手術:年200件以上
エ 心臓胸部大血管手術:年100件以上
オ 消化管内視鏡手術:年600件以上
カ 脳神経外科手術:年50件以上
キ 放射線治療(体外照射法):年200例以上
ク 分娩件数:年100件以上
ケ 6歳未満の乳幼児手術件数:年40件以上

●高い実績(加算3)
▽全身麻酔手術件数:年2000件以上

▽次のアからキのうち「5つ以上」を満たす
ア 悪性腫瘍手術:年400件以上
イ 腹腔鏡下手術または胸腔鏡下手術:年400件以上
ウ 心臓カテーテル法手術:年200件以上
エ 心臓胸部大血管手術:年100件以上
オ 消化管内視鏡手術:年600件以上
カ 脳神経外科手術:年50件以上
キ 放射線治療(体外照射法):年200例以上

●一定程度高い実績(加算2)
▽全身麻酔手術件数:年2000件以上

▽次の「アからキまでのうち4つ以上」ならびに「ク、ケのいずれか」を満たす
ア 悪性腫瘍手術:年400件以上
イ 腹腔鏡下手術または胸腔鏡下手術:年400件以上
ウ 心臓カテーテル法手術:年200件以上
エ 心臓胸部大血管手術:年60件以上(「十分」(加算1)、「一定程度高く」(加算2)よりも少ない基準)
オ 消化管内視鏡手術:年600件以上
カ 脳神経外科手術:年50件以上
キ 放射線治療(体外照射法):年200例以上
ク 分娩件数:年100件以上
ケ 6歳未満の乳幼児手術件数:年40件以上

●相当程度の実績(加算4)
▽以下の「アからキまでのうち3つ以上」並びに「ク、ケのいずれか」を満たす
ア 悪性腫瘍手術:年400件以上
イ 腹腔鏡下手術または胸腔鏡下手術:年400件以上
ウ 心臓カテーテル法手術:年200件以上
エ 心臓胸部大血管手術:年60件以上(「十分」(加算1)、「一定程度高く」(加算2)よりも少ない基準、加算3と同基準)
オ 消化管内視鏡手術:年600件以上
カ 脳神経外科手術:年50件以上
キ 放射線治療(体外照射法):年200例以上
ク 分娩件数:年100件以上
ケ 6歳未満の乳幼児手術件数:年40件以上

急性期総合体制加算野新設1



これらを、前進となる急性期充実体制加算・総合入院体制加算の体制・実績の基準と大まかに比較してみると、次のように整理できそうです。

▽急性期総合体制加算1
→体制については「総合入院体制加算1並みの総合性(診療科等要件)」+「急性期充実加算並みの急性期入院医療体制」の双方が求められる(十分な体制)

→実績については「急性期充実体制加算1並みの手術実績」+「急性期充実体制加算2なみの小児・周産期医療実績」が求められる(十分な実績)

▽急性期充実体制加算2
→体制については「総合入院体制加算1並みの総合性(診療科等要件)」+「急性期充実加算並みの急性期入院医療体制」の双方が求められる(十分な体制)

→実績については「急性期充実体制加算1と急性期充実体制加算2の中間程度の手術および小児・周産期医療実績」が求められる(一定程度高い実績)

▽急性期充実体制加算3
→体制については「総合入院体制加算2並みの総合性(診療科等要件)」+「急性期充実加算の急性期入院医療体制」の双方が求められる(必要な体制)

→実績については「急性期充実体制加算1並みの手術実績」が求められる(高い実績)

▽急性期充実体制加算4
→体制については「総合入院体制加算2並みの総合性(診療科等要件)」+「急性期充実加算の急性期入院医療体制」の双方が求められる(必要な体制)

→実績については「急性期充実体制加算2に近い程度の手術および小児・周産期医療実績」が求められる(相当程度の実績)



ここから、▼体制・実績ともに十分な場合(急性期充実体制加算1・総合入院体制加算1の双方の基準をクリアできていた病院)は急性期総合体制加算1を取得する▼体制は十分だが、実績がやや少ない場合(総合入院体制加算1はクリアできるが、急性期充実加算1は取得できず、実績が加算2並みの病院)は急性期総合体制加算2を取得する▼体制は一定程度だが、実績が高い(急性期充実体制加算1の実績をクリアできるが、体制が総合入院体制加算2程度の病院)は急性期総合体制加算3を取得する▼体制・実績とも相当程度(急性期充実体制加算2・総合入院体制加算2をクリアする病院)は急性期総合体制加算4を取得する―といった大まかなイメージが浮かびます。

急性期総合体制加算野新設2



もちろん、新たな急性期総合体制加算と、これまでの急性期充実体制加算・総合入院体制加算とでは、体制・実績の考え方に若干の違いがある点には留意が必要です。

なお、急性期総合体制加算についても、地域で「どの病院が加算を取得すべきか」を話あったうえで決定していくことが重要と考えます。各病院が「我こそが急性期総合体制加算取得病院となるべき」と主張し合い、症例等を奪いあえば「かえって地域住民に不利益をもたらす」ことになってしまう点にも最大限の留意が必要でしょう(関連記事はこちらこちら)。

(参考)
【急性期充実体制加算】の体制・実績基準(Gem Med編集部で抜粋・改変)
◆体制(加算1、加算2共通)
▽24時間の救急医療提供として、次のいずれにも該当する
ア 「救命救急センター」、「高度救命救急センター」のいずれか設置、あるいは救急搬送件数が年2000件以上
イ 精神科について「自院または他院の精神科医が速やかに診療に対応できる体制」を 常時整備しており、▼精神疾患診療体制加算2の算定件数▼救急搬送患者の入院3日以内の入院精神療法、または救命救急入院料の精神疾患診断治療初回加算の算定件数—が合計年20件以上
ウ 救急時医療情報閲覧機能を有していること。

▽高度急性期医療の提供として、救命救急入院料、特定集中治療室管理料、ハイケアユニット入院医療管理料、脳卒中ケアユニット入院医療管理料、小児特定集中治療室管理料、 新生児特定集中治療室管理料、総合周産期特定集中治療室管理料、新生児治療回復室入院医療管理料のいずれかを届け出ている

◆実績
●加算1

▽以下の「ア」、「イからキまでのうち5つ以上」を満たす
ア 全身麻酔手術:年2000件以上(うち緊急手術350件以上)
イ 悪性腫瘍手術:年400件以上
ウ 腹腔鏡下手術または胸腔鏡下手術:年400件以上
エ 心臓カテーテル法手術:年200件以上
オ 消化管内視鏡手術:年600件以上
カ 化学療法:年1000件以上(この場合、▼外来腫瘍化学療法診療料1の取得▼外来で化学療法実施患者割合が6割以上—であることが必要)
キ 心臓胸部大血管手術:年100件以上

●加算2
▽以下の「ア」、「イからキまでのうち2つ以上」を満たす
ア 全身麻酔手術:年2000件以上(うち緊急手術350件以上)
イ 悪性腫瘍手術:年400件以上
ウ 腹腔鏡下手術または胸腔鏡下手術:年400件以上
エ 心臓カテーテル法手術:年200件以上
オ 消化管内視鏡手術:年600件以上
カ 化学療法:年1000件以上(この場合、▼外来腫瘍化学療法診療料1の取得▼外来で化学療法実施患者割合が6割以上—であることが必要)
キ 心臓胸部大血管手術:年100件以上

▽次のいずれかを満たす
ア 異常分娩件数:年50件以上
イ 6歳未満の乳幼児の手術件数:年40件以上



【総合入院体制加算】の体制・実績基準(Gem Med編集部で抜粋・改変)
●加算1
◆体制

▽内科、精神科、小児科、外科、整形外科、脳神経外科および産科または産婦人科を標榜し、当該診療科に係る入院医療を提供している
→精神科については、▼24時間対応できる体制確保する▼精神病床確保▼精神病棟入院基本料等の取得▼現に精神疾患患者の入院を受け入れている―ことが必要

▽24時間の救急医療提供として、「救命救急センター」または「高度救命救急センター」を設置し、救急時医療情報閲覧機能を有していること

◆実績
▽全身麻酔手術件数:年2000件以上
▽以下のアからカまでを全て満たす
ア 人工心肺を用いた手術、人工心肺を使用しない冠動脈、大動脈バイパス移植術:年40 件以上
イ 悪性腫瘍手術:年400件以上
ウ 腹腔鏡下手術:年100件以上
エ 放射線治療(体外照射法):年4000件以上
オ 化学療法:年1000件
カ 分娩件数:年100件以上

●加算2
◆体制

▽内科、精神科、小児科、外科、整形外科、脳神経外科および産科または産婦人科を標榜し、当該診療科に係る入院医療を提供している
→精神科については、「24時間対応できる体制」「精神科リエゾンチーム加算等取得+精神患者受け入れ実績」があれば、必ずしも「標榜し、入院医療を行う体制」は必要としない

▽24時間の救急医療提供として、救急時医療情報閲覧機能を有し、次のいずれかを満たす
ア 「第2次救急医療体制」、「救命救急センター」、「高度救命救急センター」、「総合周産 期母子医療センター」を設置している
イ アと同様に24時間の救急患者を受け入れている

◆実績
▽全身麻酔手術件数:年1200件以上(加算1よりも少ない基準)

▽以下のアからカまでの4つ以上を満たす(加算1よりも少ない基準)
ア 人工心肺を用いた手術、人工心肺を使用しない冠動脈、大動脈バイパス移植術:年40 件以上
イ 悪性腫瘍手術:年400件以上
ウ 腹腔鏡下手術:年100件以上
エ 放射線治療(体外照射法):年4000件以上
オ 化学療法:年1000件
カ 分娩件数:年100件以上

▽救急搬送件数:年2000件以上

●加算3
◆体制

▽内科、精神科、小児科、外科、整形外科、脳神経外科および産科または産婦人科を標榜し、当該診療科に係る入院医療を提供している
→精神科については、「24時間対応できる体制」「精神科リエゾンチーム加算等取得または+精神患者受け入れ実績」があれば、必ずしも「標榜し、入院医療を行う体制」は必要としない(加算2よりも若干緩やかな基準)

▽24時間の救急医療提供として、救急時医療情報閲覧機能を有し、次のいずれかを満たす(加算2と同じ基準)
ア 「第2次救急医療体制」、「救命救急センター」、「高度救命救急センター」、「総合周産 期母子医療センター」を設置している
イ アと同様に24時間の救急患者を受け入れている

◆実績
▽全身麻酔手術件数:年1200件以上(加算2と同じ基準)

▽以下のアからカまでの2つ以上を満たす(加算2よりも少ない基準)
ア 人工心肺を用いた手術、人工心肺を使用しない冠動脈、大動脈バイパス移植術:年40 件以上
イ 悪性腫瘍手術:年400件以上
ウ 腹腔鏡下手術:年100件以上
エ 放射線治療(体外照射法):年4000件以上
オ 化学療法:年1000件
カ 分娩件数:年100件以上



なおGem Medではオンラインの改定セミナーで詳細な解説も行っています。是非、ご活用ください。



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