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介護予防のために身体活動・多様な食品摂取・社会交流の「組み合わせ」が重要—都健康長寿医療センター

2022.4.21.(木)

▼中高強度の身体活動▼多様な食品摂取▼社会交流行動―を組み合わせて実践するほど、要支援・要介護状態の新規発生リスクを低下させることができる―。

こういった研究結果を、東京都健康長寿医療センター研究所(東京都板橋区)が4月19日に公表しました(東京都健康長寿医療センター研究所のサイトはこちら)。

身体活動・多様な食品摂取・社会交流の3点実施で、要支援・要介護リスクは16%低下

都健康長寿医療センターでは、これまでに(1)高齢期の定期的な身体活動(2)多様な食品摂取(3)活発な社会交流—が介護予防に効果的であるとの研究結果を提示してきました。

例えば(1)の身体活動の重要性はあえて述べるまでもありませんが、「日本人は、外国人に比べて「運動不足と生活習慣病との関連が強い」可能性があり、運動不足が解消されれば平均余命が0.91年延伸すると推測される。65歳以上の高齢者では、毎日40分程度の身体活動を行うことが推奨されており、例えば『1日10分間、これまでよりも長く歩く』ことを心がけてはどうか」と提言。

また(2)の多様な食品に関連して、「日本食の摂取と認知症でないこととの間に強い相関がある」ことを明らかにしています。

さらに(3)の社会交流に関しては、▼日常生活が自立している健康な高齢者であっても、「社会的な孤立」および「閉じこもり傾向」が重積している場合には、どちらにも該当しない場合に比べて死亡率が極めて高くなる健康状態に問題のない高齢者では、居住形態(独居か、家族と同居か)ではなく、「他者とのつながりが乏しい者」(社会的孤立者)ほど身体機能低下・抑うつ・要介護状態―などのリスクが高い周囲との交流減少や町内会活動への不参加は、「社会的孤立」に向かう危険信号である—などの研究成果を発表しています。



さらに今般、都健康長寿医療センターは、これら3項目を「組み合わせて実践した」場合の介護予防効果を明らかにしました。

具体的には、都内の65-84歳の男女7822名(男性3966名、助成3856名)、平均年齢73.6歳を対象に、▼週150分以上の中高強度の身体活動実施▼食品摂取の多様性(魚介類、肉類、卵類、牛乳、大豆製品、緑黄色野菜類、海藻類、芋類、果物類、油脂類のうち、最近1 週間でほぼ毎日食べた食品群を1点とし、その合計が10点満点中3点で多様性ありと判断)▼週1回以上、対面・非対面で他者と交流している―の「健康行動」を3年半追跡。そこから、次のような点が明らかになっています。

▽「健康行動を3つすべて実践している人」では、「1つも実践していない人」に比べて要支援・要介護リスクが46%低い

▽「健康行動を2つ実践している人」では、「1つも実践していない人」に比べて要支援・要介護リスクが35%低い

▽高齢者全員(3つすべての実践している人を除く)が3つすべて実践した場合、その集団における3.6年間の要介護化は16%減少する

要支援・要介護リスク低減のためには身体活動・多様な食品摂取・社会交流の3つを「組み合わせる」ことが極めて重要(都健康長寿医療センター 220419)



この研究結果から、要支援・要介護リスクを減らすためには(1)高齢期の定期的な身体活動(2)多様な食品摂取(3)活発な社会交流—の「3つを組み合わせる」ことが非常に重要であると分かります。高齢者自身や家族、ケアマネジャーなどが「3つのうち足りていないものは何か」を確認し、それを積極的に充足することが極めて重要です。

都健康長寿医療センターでは、通いの場などの介護予防事業について「ちょい足し」(3つの健康行動のうち足らない部分を付加する)プログラムを体系化し公開しています(都健康長寿医療研究センターのサイトはこちら(簡単にできる体操、栄養の偏りを改善するヒント、フレイル予防などの情報を提供))。



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