因果関係は不明だが「子ども用歯みがきを使用した小児でのアナフィラキシー発症」事例に留意を—厚労省
2023.5.22.(月)
子ども用の歯みがき「チェック・アップコドモA」の使用後にアナフィラキシーを発現した事例が、昨年(2022年)12月から本年(2023年)5月の間に3例報告されている—。
本製品使用とアナフィラキシー発現との因果関係は明らかでないが、製品使用に関する安全性についてより注視していく必要がある—。
厚生労働省は5月19日に通知「薬用歯みがき類『チェック・アップコドモA』の使用後に発現したアナフィラキシーについて(依頼)」を発出し、注意を呼びかけました(PMDAのサイトはこちら)。
報告されたアナフィラキシー事例は、次のとおりです。
▽使用製品「チェック・アップコドモAb(ストロベリー味)」
→4歳の小児が使用し、アナフィラキシーを起こすも回復
→児には「食物アレルギー(牛乳・鶏卵)」「アトピー性皮膚炎」「急性肺炎」の既往歴があった
▽使用製品「チェック・アップコドモAa(グレープ味)」
→9歳の小児が使用し、アナフィラキシーを起こすも回復
→児には「食物アレルギー(鶏卵、山芋、クルミ、ピーカンナッツ)」「サワシリンによる多形紅斑の副作用歴」の既往歴があった
▽使用製品「3 チェック・アップコドモ Aa(グレープ味)」
→7歳の小児が使用し、アナフィラキシーを起こすも回復
→児には「喘息」の既往歴があった
本製品使用と、アナフィラキシー発現との因果関係は明らかではありません。
ただし、厚労省は「製品使用に関する安全性についてより注視していく必要がある」とし、次の点を
(1)報告された3例は「すべてアレルギー等の既往がある患者」における症例である
→歯科診療施設等において本製品を患者に使用する際には、既往歴の確認も含めアナフィラキシーの発現に注意してほしい
(2)歯科診療施設においては、保護者等に対し「アナフィラキシー等が現れたときは使用を中止し、本製品を持参して速やかに医療機関を受診する」よう説明してほしい
(3)アナフィラキシー等の有害事象が認められた場合には、「本製品の製造販売業者(ライオン歯科材料社)への情報提供」または「PMDA(医薬品医療機器総合機構)への医薬部外品の安全性情報報告に協力」するとともに、製造販売業者からの調査があった場合には協力してほしい
なお、本製品は「歯科診療施設に向けて販売」されています。