Generic selectors
Exact matches only
Search in title
Search in content
Search in posts
Search in pages
病床機能報告 病床ユニット

クローン病や潰瘍性大腸炎の維持療法に用いるベドリズマブ、ミリキズマブを在宅自己注射指導管理料の対象へ追加—厚労省

2024.6.6.(木)

▼クローン病や潰瘍性大腸炎の維持療法に用いる「ベドリズマブ(遺伝子組換え)」(販売名:エンタイビオ皮下注108mgペン、同皮下注108mgシリンジ)▼潰瘍性大腸炎の維持療法に用いる「ミリキズマブ(遺伝子組換え)」(販売名:オンボー皮下注100mgオートインジェクター、同皮下注100mgシリンジ)を在宅自己注射指導管理料の対象薬剤などへ追加する—。

厚生労働省は5月31日に通知「療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等の一部改正等について」を発出し、こうした点を明確にしました。

クローン病や潰瘍性大腸炎患者の「薬剤注射のための頻回通院」負担を軽減する狙い

例えば「糖尿病におけるインスリン製剤注射」のように、頻回な接種が必要となる注射療法については、その都度に医療機関を受診し、医師から注射を受けることは、あまりに非現実的です。

そこで、医師が注射の実施方法や留意点などを指導したうえで、患者が「自宅等で自分自身で注射する」仕組みが設けられています。

もっとも、健康被害のリスクを最小限にするために、▼医師による「患者が薬剤を自己注射するにあたって必要な留意点などの指導管理」をC101【在宅自己注射指導管理料】などとして経済的に評価する▼対象薬剤(注射薬剤)を厚生労働大臣が「患者が自己注射しても有効性・安全性が確保されるもの」に限定する—ことが行われています。

在宅自己注射指導管理料の対象薬剤は、「関連学会等が、ガイドライン等で在宅自己注射を行うことについての診療上の必要性が確認されている」などの要件に合致しているかを中央社会保険医療協議会で確認したうえで追加されていきます。追加の時期については、現下の新型コロナウイルス感染症の流行を踏まえて次のようなルールが設けられています(コロナ感染症下では「医療機関の直接受診」による感染拡大リスクがあると考えられるため)。

▽新薬のうち「14日未満の間隔で注射を行う」ものは、要件を満たす場合に、原則、薬価収載の時期にあわせて対象薬剤への追加を検討する

▽新薬のうち「14日以上の間隔をあけて注射を行う」ものは、事実上「14日以内毎に医療機関を受診する」こととなるため、14日を超える投薬が可能になった後に対象薬剤への追加を検討する(新薬は、原則、薬価収載から1年間は、投薬期間が14日に制限される)



この点、5月15日の中央社会保険医療協議会・総会では、次の2つの医薬品を在宅自己注射指導管理料の対象薬剤へ追加することが承認されました(関連記事はこちら)。

(1)▼中等症から重症の潰瘍性大腸炎の維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)▼中等症から重症の活動期クローン病の維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)—に用いる「ベドリズマブ(遺伝子組換え)」(販売名:エンタイビオ皮下注108mgペン、同皮下注108mgシリンジ)(通常、成人にベドリズマブ(遺伝子組換え)として1回108mgを2週間隔で皮下注射)
→日本炎症性腸疾患学会、日本消化器病学会、日本大腸肛門病学会からの要望を踏まえたもの

(2)中等症から重症の潰瘍性大腸炎の維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)に用いる「ミリキズマブ(遺伝子組換え)」(販売名:オンボー皮下注100mgオートインジェクター、同皮下注100mgシリンジ)(ミリキズマブ(遺伝子組換え)点滴静注製剤による導入療法終了4週後から、通常、成人にはミリキズマブ(遺伝子組換え)として1回200mgを4週間隔で皮下投与)
→日本消化器病学会、日本消化管学会からの要望を踏まえたもの



両剤ともに頻回投与が必要であり、都度、医療機関を受診しなければならないとなれば、患者の身体的、経済的負担、時間的損失(通院や待ち時間等)が生じ、また医療従事者の負担も大きくなることから、関係学会が「治療効果が確認され、患者本人が自己注射を強く希望し、医師等が自己注射に対する対処についてのトレーニング・安全性教育を実施して適切と判断した患者については、在宅自己注射を可能としてほしい」と要望。中医協がこの要望を受け入れたものです。

この中医協決定を受け、今般の通知では次のような点を明確しています。

診療報酬点数の解釈通知のうちC101【在宅自己注射指導管理料】の算定ルールを次のように一部見直す

▼「インターフェロンアルファ製剤」を保険診療の中で算定するルールの中に「ペグインターフェロンアルファ製剤は算定できない」との規定があるが、「ロペグインターフェロンアルファ製剤について、真性多血症の治療を目的として皮下注射により用いた場合を除く」旨の規定を追加する

▼「ベドリズマブ製剤については、皮下注射により用いた場合に限り算定する」規定を追加する

▼「ミリキズマブ製剤については、皮下注射により用いた場合に限り算定する」規定を追加する

▽C200【薬剤】(在宅自己注射指導管理料で算定可能な薬剤)に、▼トラロキヌマブ製剤▼エフガルチギモド アルファ・ボルヒアルロニダーゼ アルファ配合剤▼ベドリズマブ製剤▼ミリキズマブ製剤—を追加する

▽調剤報酬における「在宅医療における自己注射等のために投与される薬剤」の中に、▼トラロキヌマブ製剤▼エフガルチギモド アルファ・ボルヒアルロニダーゼ アルファ配合剤▼ベドリズマブ製剤▼ミリキズマブ製剤—を追加する

特掲診療料の施設基準における「在宅自己注射指導管理料、間歇注入シリンジポンプ加算、持続血糖測定器加算、注入器用注射針加算に規定する注射薬」(別表第9)に、「ベドリズマブ製剤」「ミリキズマブ製剤」を追加する

療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等の第10「厚生労働大臣が定める注射薬等」の第1号「療担規則第20条第2号ト及び療担基準第20条第3号トの厚生労働大臣が定める保険医が投与することができる注射薬」に「ベドリズマブ製剤」「ミリキズマブ製剤」を追加する
(参考)
▼療担規則第20条第2号トおよび療担基準第20条第3号ト(Gem Med編集部で一部改変)
「注射薬は、患者に療養上必要な事項について適切な注意・指導を行い、厚生労働大臣の定める注射薬に限り投与することができることとし、その投与量は、症状の経過に応じたものでなければならず、厚生労働大臣が定めるものについては当該厚生労働大臣が定めるものごとに1回14日分、30日分または90日分を限度とする」

▽掲示事項等告示の一部改正に伴う留意事項について
▼エンタイビオ皮下注108mgペン、同皮下注108mgシリンジ
(1)本製剤はベドリズマブ製剤であり、本製剤の自己注射を行っている患者に対して指導管理を行った場合は、医科診療報酬点数表のC101【在宅自己注射指導管理料】を算定できる
(2)本製剤は針付注入器一体型のキットであるため、C101【在宅自己注射指導管理料】を算定する場合、C151【注入器加算】・C153【注入器用注射針加算】は算定できない

▼オンボー皮下注100mgオートインジェクター、同皮下注100mgシリンジ
(1)本製剤はミリキズマブ製剤であり、本製剤の自己注射を行っている患者に対して指導管理を行った場合は、医科診療報酬点数表のC101【在宅自己注射指導管理料】を算定できる
(2)本製剤は針付注入器一体型のキットであるため、C101【在宅自己注射指導管理料】を算定する場合、C151【注入器加算】・C153【注入器用注射針加算】は算定できない

▼ベスレミ皮下注250µgシリンジおよび同皮下注500µgシリンジの保険適用上の取扱いについて
(1)本製剤はインターフェロンアルファ製剤であり、本製剤の自己注射を行っている患者に対して指導管理を行った場合は、医科診療報酬点数表のC101【在宅自己注射指導管理料】を算定できる
(2)本製剤は針付注入器一体型のキットであるため、C101【在宅自己注射指導管理料】を算定する場合、C151【注入器加算】・C153【注入器用注射針加算】は算定できない



診療報酬改定セミナー2024MW_GHC_logo

【関連記事】

2026年度の次期診療報酬改定に向け、入院・外来医療や賃上げ、後発品使用促進、医療DX、オンライン診療など広範な議論進める―中医協総会