本年(2024年)7月に薬価収載されている医薬品出荷状況(増量、通常、減量、停止)、後発品の3割超で出荷調整も状況改善—日薬連
2024.8.19.(月)
日本製薬団体連合会(日薬連)がこのほど、本年(2024年)7月時点の「医薬品供給状況にかかる調査」結果を公表しました(日薬連のサイトはこちら(エクセルファイルで「品目別の出荷状況」を把握できる))。
一部後発品メーカーの不祥事に端を発する医薬品の欠品・品薄などが続いており、医療現場では診療に支障が生じています。
医薬品メーカーで構成される日薬連も事態を重く受け止め、定期的に「医薬品供給状況にかかる調査」を行い、その結果を公表しています。
今般、本年(2024年)7月時点の「医薬品供給状況にかかる調査」結果が公表されました。
調査は、本年(2024年)7月末時点で薬価収載されている全ての医薬品を対象に実施。個別製品ごとに▼メーカーからの出荷量が通常であるか、増量しているか、減少しているのか▼メーカーは通常出荷なのか、限定出荷なのか、出荷を停止しているのか▼限定出荷の解除見込みはどうか、またその時期はいつか▼限定出荷・出荷停止の理由はなにか—などを整理しています。
●日薬連のサイトはこちら(エクセルファイルで「品目別の出荷状況」を把握できる)
全体でみると、「限定出荷」「供給停止」品目は全体の21.9%。後発品に限れば29.4%となりました。前年同月(2023年7月)の状況を比べると、▼医薬品全体では0.5ポイント改善(2023年7月:22.4%→本年(2024年)7月:21.9%)▼後発品では3.0ポイント改善(2023年7月:32.4%→本年(2024年)7月:29.4%)—となり、徐々に「状況が改善」していることを確認できます。
また、安定確保医薬品の通常出荷割合は75.3%(前年同月から0.7ポイント低下)、とりわけカテゴリーA(最も優先して取組を行う安定確保医薬品)では76.0%(209/275、前年同月から7.0ポイント上昇)となり、医薬品全体(78.1%)に比べてやや低いものの、「1年前に比べて相当程度改善している」状況が見て取れます。
また、高血圧症治療薬の「テルミサルタン」について見てみると、70製品のうち「出荷量増量」が24製品(前年同月から11増)、「出荷量通常」が36製品(同1増)、「出荷量減少」が1製品(同12減)、「出荷停止」が3製品(同5減)、さらに「薬価基準削除予定」が6製品などとなっています。
自院の採用製品について出荷調整などは行われていないか、調整が行われ入手困難な場合には、どの代替薬が比較的潤沢かなどを確認することができます。このリストも参考に、卸業者と納品調整を行うことなどが有用でしょう。
日薬連では、製薬メーカー各社に対し「現在の供給不安が解消するよう、引き続き、増産対応、限定出荷の解除、供給状況に関する最新情報の提供に努めてほしい」と要請しています。
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