機能評価係数Iを告示、総合入院体制加算1は0.0582、12対1夜間看護配置加算は0.0194―2016年度診療報酬改定
2016.3.18.(金)
厚生労働省は18日、DPCの機能評価係数Iを告示しました(厚労省のサイトはこちら)。
総合入院体制加算1は0.0582、同加算2は0.0437、同加算3は0.0291に設定。新設された看護職員夜間配置加算については、12対1配置加算1(負担軽減要件あり)が0.0194、12対配置加算2(負担軽減要件なし)が0.0146、16対1配置加算が0.0097となっています。
DPCでは、入院基本料や検査、投薬などを包括評価した部分(包括部分)と、手術や1000点以上の処置などの出来高部分を合算して請求します(関連記事はこちら)。
包括部分の点数は、次の計算式で算出します。
【(1)DPC点数表に規定される1日当たり点数(日当点】×【(2)医療機関別係数】×【(3)在院日数】
このうち(2)の医療機関別係数は、▽基礎係数▽機能評価係数I▽機能評価係数II▽暫定調整係数―の合計で計算されます。
基礎係数は、医療機関群(I群、II群、III群)ごとに直近2年分の包括範囲点数の平均で計算し、群ごとに一律に設定されます。
機能評価係数IIは、いわば病院のがんばり具合を評価するもので、2016年度からは▽保険診療(旧データ提出)▽効率性▽複雑性▽カバー率▽救急医療▽地域医療▽後発医薬品▽重症度―の8つの指数で構成されます。18日には、全DPC病院の機能評価係数IIも告示されました。
暫定調整係数は、かつての調整係数(各病院のさまざまな機能などを評価していた)を段階的に基礎係数・機能評価係数IIに置き換えているものです(2016年度からは75%置き換え)。
今回のテーマである機能評価係数Iは、「入院患者全員に算定される加算」や「入院基本料の補正値」などを係数化したものです。DPCの点数は10対1をベースに設定されているので、7対1病院では出来高点数の差分を補正(上乗せ)する必要があります。
気になる項目をピックアップしてみると、次のように設定されました。
▽A100一般病棟入院基本料(7対1):0.1001
▽A100一般病棟入院基本料(7対1月平均夜勤時間超過減算):0.0079
▽A100一般病棟入院基本料(7対1夜勤時間特別入院基本料) :マイナス0.0844
▽A100一般病棟入院基本料(10対1月平均夜勤時間超過減算):マイナス0.0773
▽A100一般病棟入院基本料(10対1夜勤時間特別入院基本料):マイナス0.1545
▽A104特定機能病院入院基本料(7対1):0.1739
▽A104特定機能病院入院基本料(10対1):0.0734
▽A105専門病院入院基本料(7対1):0.1178
▽A105専門病院入院基本料(10対1):0.0177
▽A200総合入院体制加算(加算1):0.0582
▽A200総合入院体制加算(加算2):0.0437
▽A200総合入院体制加算(加算3):0.0291
▽A204地域医療支援病院入院診療加算:0.0266
▽A207-2医師事務作業補助体制加算(1の15対1補助):0.0266
▽A207-2医師事務作業補助体制加算(1の20対1補助):0.0201
▽A207-2医師事務作業補助体制加算(1の25対1補助):0.0162
▽A207-2医師事務作業補助体制加算(1の30対1補助):0.0136
▽A207-2医師事務作業補助体制加算(1の40対1補助):0.0109
▽A207-2医師事務作業補助体制加算(1の50対1補助):0.0084
▽A207-2医師事務作業補助体制加算(1の75対1補助):0.0060
▽A207-2医師事務作業補助体制加算(1の100対1補助):0.0045
▽A207-3急性期看護補助体制加算(夜間30対1):0.0097
▽A207-3急性期看護補助体制加算(夜間50対1):0.0085
▽A207-3急性期看護補助体制加算(夜間100対1):0.0049
▽A207-3急性期看護補助体制加算(夜間看護体制加算):0.0024
▽A207-4看護職員夜間配置加算(12対1配置加算1、看護職員の夜間負担軽減要件あり):0.0194
▽A207-4看護職員夜間配置加算(12対1配置加算2、看護職員の夜間負担軽減要件なし):0.0146
▽A207-4看護職員夜間配置加算(16対1配置加算、看護職員の夜間負担軽減要件あり):0.0097
▽A244病棟薬剤業務実施加算(加算1):0.0063
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