Generic selectors
Exact matches only
Search in title
Search in content
Search in posts
Search in pages
GemMed塾 病院ダッシュボードχ 病床機能報告

37.5度以上の発熱があり入院が必要な肺炎が疑われる患者、新型コロナウイルス検査の実施を―厚労省

2020.2.18.(火)

▼37.5度以上の発熱かつ呼吸器症状を有し、入院を要する肺炎が疑われる者(特に高齢者や基礎疾患がある者では積極的に考慮)▼症状などを医師が総合的に判断して新型コロナウイルス感染症と疑う者▼一般的な呼吸器感染症に罹患しているが、治療への反応が乏しく症状が増悪した場合で、医師が総合的に判断して新型コロナウイルス感染症と疑う者―についても、新型コロナウイルス感染症に関する行政検査を実施してほしい―。

厚生労働省は2月17日に事務連絡「新型コロナウイルス感染症に関する行政検査について」を発出し、こうした点について各自治体や医療現場に依頼しました(厚労省のサイトはこちら)。

医師の総合的な判断で「新型コロナウイルス感染症が疑われる場合」も検査対象に

昨年(2019年)12月に中華人民共和国武漢市で新型のコロナウイルスが原因と見られる肺炎が発生し、本邦においても「中国武漢市滞在歴のない」感染者が確認されるなど猛威を振るっています。また、現在、神奈川県横浜市の港にクルーズ船が寄港し、同船内で多数の新型コロナウイルス感染症患者等の発生が報告されています。

政府は緊急的な対応策をまとめて関係各所に協力を要請しており、関連して今般「行政検査の拡大」を各自治体に依頼するものです。



「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第12条第1項及び第14条第2項に基づく届出の基準等について」(2006年厚労省通知)では、特定の感染症に罹患した患者を医師等が確認した場合に「都道府県知事に届け出る」ことを求めています。この届け出情報をもとに感染症の蔓延防止や適切な医療提供体制を確保することが可能となるのです。

新型コロナウイルス感染症もこの届け出の対象となり(2020年2月3日)、そこでは次のような患者を「感染が疑われる患者」と定義し、検査で新型コロナウイルス感染症と診断した場合には、速やかに都道府県知事に届け出ることが求められています(厚労省のサイトはこちら)。

●感染が疑われる患者
患者が次の事項に該当し、かつ、他の感染症または他の病因によることが明らかでなく、新型コロナウイルス感染症を疑う場合、これを鑑別診断に入れる。ただし、必ずしも次の要件に限定されるものではない

▽発熱または呼吸器症状(軽症の場合を含む)を呈する者で、「新型コロナウイルス感染症であることが確定した者」と濃厚接触歴(▼新型コロナウイルス感染症が疑われるものと同居あるいは長時間の接触(車内、航空機内等を含む)していた▼適切な感染防護無しに新型コロナウイルス感染症が疑われる患者を診察、看護、介護していた▼新型コロナウイルス感染症が疑われるものの気道分泌液もしくは体液等の汚染物質に直接触れた可能性が高い―)があるもの

▽37.5度以上の発熱かつ呼吸器症状を有し、発症前14日以内に「WHOの公表内容から新型コロナウイルス感染症の流行が確認されている地域」に渡航または居住していたもの

▽37.5度以上の発熱かつ呼吸器症状を有し、発症前14日以内に「WHOの公表内容から新型コロナウイルス感染症の流行が確認されている地域」に渡航または居住していたものと濃厚接触歴があるもの

▽発熱、呼吸器症状その他感染症を疑わせるような症状のうち、医師が一般に認められている医学的知見に基づき、集中治療その他これに準ずるものが必要であり、かつ、直ちに特定の感染症と診断することができないと判断し、新型コロナウイルス感染症の鑑別を要したもの



今般の事務連絡では、これらに加え、次のような患者についても疑似症患者の定義に該当することとし、行政検査を行うことを求めています。

▼37.5度以上の発熱かつ呼吸器症状を有し、入院を要する肺炎が疑われる者(特に高齢者または基礎疾患があるものについては積極的に考慮する)


▼「症状や新型コロナウイルス感染症患者との接触歴の有無」などを医師が総合的に判断した結果、新型コロナウイルス感染症と疑う者


▼新型コロナウイルス感染症以外の一般的な呼吸器感染症の病原体検査で陽性となった者であって、その治療への反応が乏しく症状が増悪した場合に、医師が総合的に判断した結果、新型コロナウイルス感染症と疑う者



厚労省は検査の流れに関するフローチャート図を以下のように整理しています。

新型コロナウイルス検査フロー



また、新型コロナウイルス感染症にかかる検査を行う際の留意点として、▼「季節性インフルエンザにかかる検査」「その他一般的な呼吸器感染症の病原体の検査」で陰性であった場合に、新型コロナウイルス感染症にかかる検査を実施する▼結果判明までに時間がかかる培養検査などについては、当該検査結果を待つ必要はない―ことを示しています。



●新型コロナウイルス感染症に関する情報提供ページはこちら

中段に●新型コロナウイルスに関するQ&A(一般向け、発生状況や行政の対策)も掲載



病院ダッシュボードχ 病床機能報告MW_GHC_logo

 

【関連記事】

37.5度以上発熱が4日以上続く、倦怠感や呼吸困難がある場合は「帰国者・接触者相談センター」に相談を―厚労省
新型コロナウイル患者の入院医療費は「公費負担」とするなど、治療体制を急ぎ整える―首相官邸
新型コロナウイルス関連での外出自粛患者への診療、往診料や訪問診療料の算定可能―厚生労働省
新型コロナウイルス患者、緊急やむを得ない場合には「感染症病床以外の病床」への搬送・入院も可能―厚労省
新型コロナウイルスの感染疑い例診察する特別外来を設置、相談センターから紹介―厚労省
中国武漢市滞在歴のない「新型コロナウイルスの感染患者」、本邦で初確認―厚労省
本邦でも新型コロナウイルスの感染患者、中国武漢市の滞在歴―厚労省

SARS、MERSと異なる病原体不明肺炎が中国で発生―厚労省