医学・医療の進歩を踏まえた「指定難病の診断基準・重症度分類」アップデート、患者の声も踏まえた見直しも―指定難病検討委員会
2026.2.9.(月)
医学・医療の進歩を踏まえた「指定難病の診断基準・重症度分類」アップデートを検討する(84疾患)。うち、▼遠位型ミオパチー▼原発性抗リン脂質抗体症候群▼全身性強皮症▼バッド・キアリ症候群▼モワット・ウィルソン症候群—については患者の声も踏まえてアップデートを行ってはどうか―。
2月6日から厚生科学審議会・疾病対策部会の「指定難病検討委員会」が持ち回り開催され、このような内容が検討されています。
全身性強皮症、血管障害等で日常生活にも支障が出ている患者の声を踏まえた基準見直し
国の定めた以下の要件を満たす「指定難病」については、患者の置かれている厳しい状況に鑑みて、重症の場合に医療費助成が行われています(要件見直しに関する記事はこちら)。
▽発症の機構が明らかでない
▽治療方法が確立していない
▽長期の療養が必要である
▽希少な疾病で、患者数が我が国で一定数(現在は18万人、人口の0.142%)に達していない
▽客観的な診断基準、またはそれに準ずる基準が確立している

医療費助成対象となる指定難病の要件
ところで、ところで、医療・医学の進歩とともに指定難病の診断基準や重症度分類もアップデートされます(その場合に、既存の指定難病患者への医療費助成等の考え方に関する記事はこちら)。
2月6日から持ち回り開催されている指定難病検討委員会では、既存の指定難病のうち84疾患について診断基準や重症度分類のアップデート案が検討されています(2026年度、27年度にアップデートを行う、84疾患はこちら)。
そのうち▼遠位型ミオパチー▼原発性抗リン脂質抗体症候群▼全身性強皮症▼バッド・キアリ症候群▼モワット・ウィルソン症候群—については、患者や現場医師からの意見(パブリックコメント)も踏まえて、診断基準・重症度分類に関する検討が行われます。
例えば「全身性強皮症」(皮膚や内臓が硬くなる変化(硬化という)を特徴とし、慢性に 経過する疾患)について、現在の重症度分類では「(1)皮膚(2)肺(3)心臓(4)腎(5)消化管—のうち、最も重症度スコアの高いものがmoderate以上の患者を医療費助成 の対象とする」とされています。
しかし、患者や現場医師から、例えば▼血管障害が重症度分類に含まれていないためか、治療の遅れが目立る(10本中7本の指に重度の皮膚潰瘍があっても受給者証を持っていない(認定されていない)患者もいる)▼皮膚硬化により指が常に腫れ上がり、些細なことで傷を作ってしまうが、血流障害により傷が治りにくく、化膿止めの処置負担が大きく、生 活にも支障ある。常に怪我と症状悪化(化膿、壊死)の不安を抱え精神的負担も大きい。皮膚や内臓の症状が軽度でも、血管症状によって深刻な苦痛を抱える患者も少なくない▼指先にも石灰の塊ができやすく、壊死しかけたため手術で指先を切り取った。今も、よく使う指先に二箇所ほど石灰の塊があり、ばい菌が入らぬよう毎日気を遣い、手指を使うこともなるべく控えている▼血管障害により、四肢の痛みが辛く、就労はおろか家庭内での活動も大きく制限される。また、血管障害により胃腸障害の症状があり、経口からの食事摂取のみでは身体活動を維持するのに必要な栄養を摂取できず、主治医からの指導のもと週に数回末梢静脈からの栄養剤輸液をしている▼血管症状による血流障害があるため、寒い季節には指先の血流が滞り、毎年、指先に潰瘍ができる。一度できると春まで治らず、何をするにも指先に激痛がはしり、日常生活に支障をきたしている―などの声が出ています(パブリックコメントの内容はこちら)。
厚生労働省と研究班はこうした声を重く受け止め、重症度分類の基準を「(1)皮膚(2)肺(3)心臓(4)腎(5)消化管(6)肺高血圧症(7)血管(8)関節(9)全身一般—のうち、最も重症度スコアの高いものがmoderate以上の患者を助成の対象とする」と見直してはどうかとの案を提示しています。

全身性強皮症の重症度分類のアップデート案1

全身性強皮症の重症度分類のアップデート案2
患者の声も踏まえた診断基準・重症度分類の見直しは非常に重要です。
今後、「持ち回り審議での診断基準・重症度分類のアップデートの了承→親会議である疾病対策部会での了承」を経て、アップデート内容が確定します。
●パブリックコメントを踏まえた修正が検討されている指定難病の診断基準・重症度分類アップデート案はこちら
●上記以外の指定難病の診断基準・重症度分類のアップデート案はこちら
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