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SJS、TENは「医薬品副作用被害救済制度の対象ケース」の場合には指定難病の対象外な点を確認―指定難病検討委員会

2025.12.24.(水)

スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)・中毒性表皮壊死症(TEN)は指定難病であるが、医薬品副作用被害救済制度で救済されるケース(薬剤等による2次性のもの)は「指定難病の対象外」である―。

この点を再確認するとともに、今後は、同救済制度の「不支給決定通知書」を添えて指定難病の医療費助成申請を行うことを求める(本年度(2025年度)中に運用改善を図る)—。

また、広範脊柱管狭窄症については、来年(2026年)3月までに診断基準に関する学会承認がなされる見込みであり、それを検討委員会で確認することを条件に、引き続き「指定難病の要件を満たす」と判断する―。

アトピー性脊髄炎については、新たな診断基準が学会で承認されており、「指定難病の要件を満たす」と判断する―。

指定難病患者等は、現在「年に1回の更新」を行い、医学的状態に変化はないか、所得に変化はないか、などを確認している。この点、前者の「医学的状態の確認」について「2年、3年に1回の確認」が可能かどうか研究を進める—。

12月11日に開催された厚生科学審議会・疾病対策部会の「指定難病検討委員会」)で、このような方針が了承されました。

SJS、TENは「医薬品副作用被害救済制度の対象ケース」は指定難病の対象外な点を確認

国の定めた以下の要件を満たす「指定難病」については、患者の置かれている厳しい状況に鑑みて、重症の場合に医療費助成が行われています(要件見直しに関する記事はこちら)。
▽発症の機構が明らかでない
▽治療方法が確立していない
▽長期の療養が必要である
▽希少な疾病で、患者数が我が国で一定数(現在は18万人、人口の0.142%)に達していない
▽客観的な診断基準、またはそれに準ずる基準が確立している

医療費助成対象となる指定難病の要件



ところで、「医療・医学の進歩で治療法が開発された」などの場合には、上記の定義に合致しない指定難病が生じえます。このため指定難病検討委員会では「研究の進捗状況を適宜確認し、(上記)要件に合致しない場合には対象疾病の見直しを検討する」ことを確認しています。

この考え方に基づいて研究班に確認を行ったところ、次の4つの指定難病について「要件を満たさない可能性のある」ことが分かりました。

▽スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)
→「薬剤等による2次性のもの」は医薬品副作用被害救済制度での対応がなされるため、指定難病の対象になっていないが、5%程度含まれていることがわかった

▽中毒性表皮壊死症(TEN)
→「薬剤等による2次性のもの」は医薬品副作用被害救済制度での対応がなされるため、指定難病の対象になっていないが、15%程度含まれていることがわかった

▽広範脊柱管狭窄症
→研究班の調査(2024年10月)時点で診断基準が学会の承認を受けておらず、疾患概念として確立していない可能性がある

▽アトピー性脊髄炎
→研究班の調査(2024年10月)時点で診断基準が学会の承認を受けておらず、疾患概念として確立していない可能性がある



この4疾患について厚生労働省と研究班で検討を行い、次のような対応をとってはどうかとの提案が12月11日の検討委員会に示されました。

▽スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)
▽中毒性表皮壊死症(TEN)

(対応案)
医薬品副作用被害救済制度で救済されるケース(薬剤等による2次性のもの)は「指定難病の対象外」であるとの従前どおりの取り扱いを確認するとともに、同救済制度の「不支給決定通知書」を添えて指定難病の医療費助成申請を行うことを求める(本年度(2025年度)中に運用改善を図る)

▽広範脊柱管狭窄症

(対応案)
▼診断基準(現在のもの)について、来年(2026年)3月までに学会承認がなされる見込みであり、それを検討委員会で確認することを条件に、引き続き「指定難病の要件を満たす」と判断する

▽アトピー性脊髄炎

(対応案)
▼新たな診断基準(現在の診断基準をアップデートしたもの、厚労省サイトはこちら)が、本年(2025年)3月に学会で承認されており、「指定難病の要件を満たす」と判断する

SJS、TEN、広範脊柱管狭窄症、アトピー性脊髄炎に関する対応方針案(指定難病検討委員会1 251211)



こうした対応方針に異論・反論は出されず、水澤英洋委員長(国立精神・神経医療研究センター理事長特任補佐・名誉理事長)は「承認された」と判断。

今後、難病対策検討委員会等での「経過措置」論議を経て、下図表のようなスケジュールで対応(改正通知の発出など)が行われます。

広範脊柱管狭窄症、アトピー性脊髄炎に関する適用スケジュール案(指定難病検討委員会2 251211)



なお、アトピー性脊髄炎の診断基準がアップデートされてますが、▼新たな【診断基準】は新規認定患者に適用し、既に「指定難病患者である」と診断された患者は、引き続き当該指定難病患者とし取り扱う▼新たな【重症度分類】は新規申請・既認定に関わらず「一律に、新たな重症度分類を適用」する―点が既に確認されています。

疾患ごとに「臨床個人調査票」(臨個票)の更新期間の延長を検討

また、同日には「臨床個人調査票」(臨個票)の更新期間の延長も議題となりました。

難病患者・小児慢性特定疾患患者は「年に1回、医療費助成の基準を満たしているか」を確認するための更新を受けなければいけません。例えば「症状が軽快したにも関わらず、医療費助成を継続してうける」ことが好ましくないのは述べるまでもないでしょう。

更新に当たっては、▼医師師の診断書(臨床調査個人票・医療意見書)▼住民票▼課税証明書—などの書類が必要になり、「住民票」や「課税証明書」等については、大きく変わりうる(転居、昇給・転職など)ために、毎年の確認が必要ですが、「医学的な状態」については、「状態が変化しない」(重症のままなど)患者も少なくないため、「毎年の診断書提出などが負担である」との声が患者サイドを中心に多くあります。

そこで、 8月26日の厚生科学審議会・疾病対策部会「難病対策委員会」と、社会保障審議会・小児慢性特定疾病対策部会「小児慢性特定疾病対策委員会」との合同会議では、次のように「更新期間を延長できないか」の検討を始める方針を了承しました。

▽医薬基盤・健康・栄養研究所で、難病データべース情報をもとに、各指定難病について「2018年に診断された患者の、その後5年間の重症度分類の推移」を調査し、変化の割合などの統計データを抽出する

▽研究班で、各指定難病について、医学的知見も踏まえて「更新期間の延長がどの程度可能か」を検討する

▽研究班の検討結果を「指定難病検討委員会」に報告し、各指定難病について「更新期間の延長が可能か否か」を審議し、その審議結果を難病対策委員会に報告する

▽これらの検討結果をもとに「更新期間の延長」などを適用する



2018年度時点での指定難病は331疾患あり、患者数は限られているものの、研究・検討には相当な時間がかかると予想されます。このため厚労省は▼「2026年度末まで」を目安に研究・検討を進める▼「更新期間の延長が可能」と判断された指定難病については「2028年4月1日」から順次、新たな更新期間の適用を開始する—とのスケジュール感も示しています。

今般、指定難病でもこの方針が了承され、本格的な研究・検討が進められます。



病院ダッシュボードχ ZEROMW_GHC_logo

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