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GemMed塾診療報酬改定セミナー2026

「EZH2阻害薬の有効性が期待される小児等」へのタゼメトスタット療法、効果解析をより早期に実施へ―患者申出療養評価会議

2026.2.5.(木)

14番目の患者申出療養である EZH2阻害薬の有効性が期待される標準治療がない、または治療抵抗性の小児・AYA悪性固形腫瘍に対する「タゼメトスタット療法」について、当初は「初回投与から少なくとも2年間の追跡を行い、その後に効果(安全性・有効性)を解析・検証する」との計画が立てられていた。

しかし、本研究対象の期待治療期間や予後を踏まえると、主要評価項目・副次評価項目 について「2年間の追跡」を待たずとも「1年間の追跡で十分に評価可能」であると考えられ、「主たる解析は登録終了後1年後のデータに基づいて実施する」との計画見直しを行う―。

1月22日に持ち回り開催された患者申出療養評価会議で、こういった点が了承されています。

がんゲノム医療を支える患者申出療養の技術についても、実施計画を一部見直し

患者申出療養は、傷病と闘う患者の「海外で開発された未承認(保険外)等の医薬品や医療機器を使用してみたい」という希望・申し出を起点に、当該医療技術(未承認の医薬品等)に一定の安全性・有効性があることを評価会議で確認した上で、保険診療との併用を許可する仕組みです(2016年4月スタート)。

これまでに、次の18種類の患者申出療養が認められています(ただし「1」「2」「3」「4」「5」「6」「7」「9」「10」「11」「12」「13」の技術がすでに新規患者の登録を終了)。
(1)腹膜播種・進行性胃がん患者への「パクリタキセル腹腔内投与および静脈内投与ならびにS-1内服併用療法」
(2)心移植不適応な重症心不全患者への「耳介後部コネクターを用いた植込み型補助人工心臓による療法」(関連記事はこちら
(3)難治性天疱瘡患者への「リツキシマブ静脈内投与療法」(関連記事はこちら
(4)髄芽腫、原始神経外胚葉性腫瘍または非定型奇形腫様ラブドイド腫瘍患者への「チオテパ静脈内投与、カルボプラチン静脈内投与およびエトポシド静脈内投与ならびに自家末梢血幹細胞移植術の併用療法」(関連記事はこちら
(5)ジェノタイプ1型C型肝炎ウイルス感染に伴う非代償性肝硬変患者への「レジパスビル・ソホスブビル経口投与療法」(関連記事はこちら
(6)進行固形がん(線維芽細胞増殖因子受容体に変化を認め、従来治療法が無効、かつインフィグラチニブによる治療を行っているものに限る)患者への「インフィグラチニブ経口投与療法」(関連記事はこちら
(7)早期乳がん患者への「ラジオ波熱焼灼療法」(関連記事はこちら
(8)遺伝子パネル検査でactionableな遺伝子異常を有すると判断された固形腫瘍に対する「マルチプレックス遺伝子パネル検査による遺伝子プロファイリングに基づく分子標的治療」(関連記事はこちらこちら
(9)HER2陽性の手術不能または再発の乳房外パジェット病患者に対する「トラスツズマブ エムタンシン(カドサイラ点滴静注用)静脈内投与療法」(関連記事はこちら
(10)ROS1融合遺伝子陽性の進行性小児脳腫瘍患者に対する「エヌトレクチニブ(販売名:ロズリートレクカプセル)の経口投与療法」(関連記事はこちら
(11)免疫グロブリンGサブクラス4自己抗体陽性難治性慢性炎症性脱髄性多発神経炎患者に対する「リツキシマブ追加投与療法」(関連記事はこちら
(12)BRAFV600変異陽性の進行性神経膠腫を有する小児を対象とした「ダブラフェニブ・トラメチニブ併用療法」(関連記事はこちら
(13)BRAFV600変異陽性の局所進行・転移性小児固形腫瘍に対する「ダブラフェニブ・トラメチニブの第II相試験」(関連記事はこちら
(14)EZH2阻害薬の有効性が期待される標準治療がない、または治療抵抗性の小児・AYA悪性固形腫瘍に対する「タゼメトスタット療法」(関連記事はこちら
(15)胸部悪性腫瘍に対する「経皮的凍結融解壊死療法」(関連記事はこちらこちら
(16)筋萎縮性側索硬化症(ALS)に対する「EPI-589再投与」の安全性に関する研究こちら
(17)線維芽細胞増殖因子受容体阻害薬投与歴のある進行固形がん患者に対するペミガチニブ経口投与療法(関連記事はこちら
(18)小児・AYAがんに対する遺伝子パネル検査結果等に基づく複数の分子標的治療(関連記事はこちら



11月20日の会合では、このうち「8」と「14」の技術を議題としました。

「14」の技術(EZH2阻害薬の有効性が期待される標準治療がない、または治療抵抗性の小児・AYA悪性固形腫瘍に対する「タゼメトスタット療法」)は、小児がん患者に対し、「タゼメトスタット臭化水素酸塩製剤」(販売名:タズベリク錠200mg)(一部遺伝子に異常のある場合、EZH2というタンパク質が過剰発現し、がんになりやすいことが分かっており、このEZH2を阻害する薬剤である。適応症が「濾胞性リンパ腫」に限られ、「小児への有効性」は確認されていない)を投与するもので、次のような実施計画が定められています。

▽対象患者:次のいずれをも満たす患者
▼年齢が6か月以上29歳以下(小児患者が成長し、AYA世代(一般的に15-39歳)に到達することも踏まえた年齢設定となっている)
▼「標準治療がない」または「治療抵抗性」である小児・AYA悪性固形腫瘍患者
▼次のいずれかに該当する
・遺伝子パネル検査のエキスパートパネル(専門家会議)で「タゼメトスタット」が推奨されている
・免疫染色で「INI1」または「SMARCA4」の発現低下や消失を認める
・診断名が「ラブドイド腫瘍(AT/RT、MRT、RTK)」「類上皮肉腫」「滑膜肉腫」「脊索腫」のいずれかである

▽目的:タゼメトスタット療法の有効性および安全性を評価する

▽評価項目:主要項目は「投与開始後16週までの最良総合効果に基づく奏効割合」、副次項目は「無増悪生存期間」「全生存期間」「病勢制御割合」「有害事象発現割合」

▽症例数見込み:10症例

▽予定期間:登録期間24か月

▽追跡期間:初回投与から少なくとも2年間

14番目の患者申出療養である「EZH2阻害薬の有効性が期待される標準治療がない、または治療抵抗性の小児・AYA悪性固形腫瘍に対するタゼメトスタット療法」の概要(1)(患者申出療養評価会議1 230120)

14番目の患者申出療養である「EZH2阻害薬の有効性が期待される標準治療がない、または治療抵抗性の小児・AYA悪性固形腫瘍に対するタゼメトスタット療法」の概要(2)(患者申出療養評価会議2 230120)

14番目の患者申出療養である「EZH2阻害薬の有効性が期待される標準治療がない、または治療抵抗性の小児・AYA悪性固形腫瘍に対するタゼメトスタット療法」の概要(3)(患者申出療養評価会議3 230120)



今般、本技術を実施する国立がん研究センター中央病院から、「本研究対象の期待治療期間や予後を踏まえると、主要評価項目・副次評価項目について、登録終了後2年間の追跡を待たずとも、1年間の追跡で十分に評価可能である」とし、上記計画の一部を変更したいとも申出がありました。

持ち回りで開催された患者申出療養評価会議もこれを認め、実施計画の変更(主たる解析は登録終了後1年後のデータに基づいて実施する)が承認されています。

これにより、「より早期に、本技術の安全性・有効性の分析・検証が行われる」ことになります。ここで得られたデータも踏まえて、「薬剤の適応拡大」が進むことに期待が集まります。



他方、「8」の技術(遺伝子パネル検査でactionableな遺伝子異常を有すると判断された固形腫瘍に対する「マルチプレックス遺伝子パネル検査による遺伝子プロファイリングに基づく分子標的治療」)は、遺伝子パネル検査の結果「未承認の分子標的薬(抗がん剤)が奏功する可能性がある」と判明したがん患者が、迅速に当該分子標的薬を用いた治療を受けられるよう、あらかじめ国立がん研究センターで「患者申出療養の計画」を準備しておき、患者から希望があった場合に、すみやかに当該抗がん剤治療の実施を可能とするものです(関連記事はこちらこちら

昨年(2025年)11月30日時点で、▼国立がん研究センター中央病院:89症例▼北海道大学病院:40症例▼東北大学病院:23症例▼国立がん研究センター東病院:62症例▼慶應義塾大学病院:150症例▼東京大学医学部附属病院:50症例▼名古屋大学医学部附属病院:33症例▼京都大学医学部附属病院:146症例▼大阪大学医学部附属病院:49症例▼岡山大学病院:87症例▼九州大学病院;82症例▼静岡県立静岡がんセンター:14症例▼がん研有明病院:5症例—の合計830症例に、本技術が適用され、「最適な抗がん剤治療」が行われています。

今般、この技術について「新たな遺伝子パネル検査の薬事承認」などを踏まえた実施計画の変更が了承されています。



病院ダッシュボードχ ZEROMW_GHC_logo

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