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A20ハプロ不全症など61難病、新たな医療費助成対象への指定に向け検討開始—指定難病検討委員会

2017.9.25.(月)

 A20ハプロ不全症(A20異常症)やCDKL5遺伝子関連てんかん、自己免疫性後天性凝固第V/5因子(F5)欠乏症など61の難病について、医療費助成の対象となる指定難病の要件を満たすか否かを検討する—。

 9月25日に開催された、厚生科学審議会・疾病対策部会の「指定難病検討委員会」でこういった検討が始まりました。指定難病の要件を満たすと判断された疾患については、所定の手続きを経た後、早ければ2018年4月から医療費助成の対象となります。

9月25日に開催された、「第20回 厚生科学審議会 疾病対策部会 指定難病検討委員会」

9月25日に開催された、「第20回 厚生科学審議会 疾病対策部会 指定難病検討委員会」

2017年度までに330疾患が、医療費助成対象の指定難病に

 ▽発症の機構が明らかでない▽治療方法が確立していない▽希少な疾病である▽長期の療養が必要である—という要件を満たす「難病」のうち、▼患者数が我が国で一定数(現在は18万人、人口の0.142%未満)に達しない▼客観的な診断基準、またはそれに準ずる基準が確立している—という要件を満たす『指定難病』は、患者の置かれている状況に鑑み医療費助成が行われます。

医療費助成対象となる指定難病の要件

医療費助成対象となる指定難病の要件

 
 指定難病の要件を満たすか否かは、研究班や関係学会の提出した情報をもとに、専門家で構成される指定難病検討委員会で判断され、2017年度までに330疾患(2015年1月実施分:110疾患、2015年7月実施分:196疾患2017年4月実施分:24疾患)が医療費助成の対象となっています。

 今般、2018年度実施分の候補として新たに61疾患が、研究班や関係学会から情報提供されました。

▼神経・筋疾患:▽CDKL5遺伝子関連てんかん【初の情報提供】▽異常成形腫瘍▽欠神を伴う眼瞼ミオクローヌス【初の情報提供】▽自己免疫介在性脳炎・脳症▽視床下部過誤腫症候群▽多発性海綿状血管奇形に由来するてんかん【初の情報提供】▽ジュベール症候群関連疾患▽特発性正常圧水頭症▽脳クレアチン欠乏症候群―の9疾患

▼皮膚・結合組織疾患:▽ウェーバークリスチャン症候群▽家族性化膿性汗腺炎▽掌蹠角化症症候群▽乾癬性関節炎▽限局性強皮症▽硬化性萎縮性苔癬▽好酸球性筋膜炎▽無汗(低汗)性外肺葉形成不全症【初の情報提供】―の8疾患

▼免疫系疾患:▽A20ハプロ不全症(A20異常症)【初の情報提供】▽関節型若年性特発性関節炎▽慢性活動性EBウイルス感染症—の3疾患

▼循環器系疾患:▽カテコラミン誘発多形性心室頻拍(CPVT)▽催不整脈性右室心筋症(ARVC)―の2疾患

▼血液系疾患:▽Erdheim-Chester病(エルドハイム・チェスター病)▽特発性多中心性キャッスルマン病▽TAFRO症候群▽グルコース-6-リン酸脱水素酵素(G6PD)異常症▽口唇赤血球症▽ピルビン酸キナーゼ(PK)欠乏性貧血▽不安定ヘモグロビン症▽自己免疫性後天性凝固第V/5因子(F5)欠乏症【初の情報提供】―の8疾患

▼腎疾患:▽先天性腎尿路以上(CAKUT)▽ネフロン癆▽バーター症候群/ギッテルマン症候群―の3疾患

▼骨・関節系疾患:ラーセン症候群の1疾患

▼内分泌系疾患:▽インスリン抵抗症(インスリン受容体異常症)A型▽ターナー症候群▽多嚢胞性卵巣症候群【初の情報提供】▽マッキューン・オルブライト症候群―の4疾患

▼代謝性疾患:▽高メチオニン血症▽極長鎖アシルCoA脱水素酵素欠損症▽3-ヒドロキシ-3メチルグルタリルCoAリアーゼ欠損症▽シスチン尿症▽中鎖アシルCoA脱水素酵素欠損症▽ホモシスチン尿症▽メチルクロトニルCoAカルボキシラーゼ欠損症—の7疾患

▼呼吸器系疾患:▽先天性声門下狭窄症▽先天性嚢胞性肺疾患(CPAM)―の2疾患

▼消化器系疾患:▽Cowden症候群▽Peutz-Jeghers症候群▽家族性腺腫性ポリポーシス(大腸腺腫症)▽若年性ポリポーシス▽カロリ病▽肝外門脈閉塞症▽進行性家族性肝内胆汁うっ滞症▽先天性胆道拡張症▽クリグラー・ナジャー症候群▽周期性嘔吐症候群▽先天性胆汁酸代謝異常症▽短腸症—の12疾患

▼視覚系疾患:膠様滴状角膜ジストロフィの1疾患

▼平衡機能系疾患:メニエール病の1疾患

 【初の情報提供】と記載した7疾患(▽CDKL5遺伝子関連てんかん▽欠神を伴う眼瞼ミオクローヌス(初の情報提供)▽多発性海綿状血管奇形に由来するてんかん▽無汗(低汗)性外肺葉形成不全症▽A20ハプロ不全症(A20異常症)▽自己免疫性後天性凝固第V/5因子(F5)欠乏症▽多嚢胞性卵巣症候群)以外は、これまでの指定難病検討委員会において、「現時点の情報では、指定難病の要件のすべてを満たしてはいるとは言えない」と判断された疾患です。

例えばメニエール病については、2015年度に「長期の療養を必要とする」との要件などを満たしていないと、また2016年度に「診断に関し客観的な指標による一定の基準が定まっている」との要件などを満たしていないと判断されました(複数の要件を満たしていないケースもある)。今般、研究班や関係学会などで「新たな知見に基づき、要件のすべてを満たすと考えた」と進言され、指定難病検討委員会の議論に付されることになったものです。

 
なお、これまで「要件をすべて満たしている疾患」については、詳細な個票に基づく議論が行われていますが、「要件の一部、あるいは全部を満たしてない疾患」については、指定難病検討委員会の場で「●●の要件を満たしているだろうか、研究班の情報を見ると満たしているとは言い難い」という議論が行われることはありませんでした。このため、患者団体などから「きちんと議論をした上で要件を満たしていないと判断しているのか」との不満が患者団体などから出ているといいます。

そこで厚労省健康局難病対策課の担当者は、「61疾患すべてについて要件該当性を議論する」考えを提示。もっとも従前から、厚労省当局と委員との間で疾患ごとに「●●疾患は、▲▲の要件は満たしているが、■■の要件は満たしていない。よって今回の指定は見送りとしてはどうか」といった議論は行われており、いわば「この議論を指定難病検討委員会の場に『格上げ』する」ものと理解できます(委員間の公正・公平な議論を確保するために全体論議は非公開とされるが、後の個票論議は公開される)。

なお、悪性腫瘍(がん)や感染症など「他の施策体系」が樹立している疾患は、別途、調査研究が進んでいるため、指定難病の対象にはなりません。この点、直江知樹委員(名古屋医療センター院長)は「政策的にある疾病がカバーされているか否かも加味して全体の要件該当性を検討してはどうか」と指摘しています。もっとも検討こそ行われますが、例えば「悪性腫瘍を指定難病に加える」ためには制度そのものを見直さなければならない点には留意が必要です(指定難病検討委員会は、要件該当性の判断を行う組織で、制度見直し論議は所掌外となる)。

 
指定難病検討委員会では年内にも個票の議論を終え、その後、▼親組織である疾病対策部会の了承(これが厚生科学審議会の結論となる)▼パブリックコメント募集(1か月程度)▼告示―という手続きを経て、2018年度(早ければ2018年4月)から新たな指定難病についても医療費助成が開始されます。

 

 

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