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先天性GPI欠損症やAADC欠損症など9疾患、医療費助成される指定難病の対象へ―指定難病検討委員会

2016.7.14.(木)

 来年度(2017年度)から医療費助成の対象となる「指定難病」の対象疾患を拡大するため、厚生科学審議会・疾病対策部会の「指定難病検討委員会」で議論が続いています。

 13日に開かれた委員会では、先天性GPI欠損症や芳香族アミノ酸脱炭酸酵素(AADC)欠損症など9つの疾患を「指定難病」に加える方向が概ね固まりました。

 厚生労働省は秋までに対象疾患候補を固め、パブリックコメントなどを経て、来年度から医療費助成を行う考えです。

7月13日に開催された、「第15回 厚生科学審議会 疾病対策部会 指定難病検討委員会」

7月13日に開催された、「第15回 厚生科学審議会 疾病対策部会 指定難病検討委員会」

222疾患について秋までに指定難病の要件満たすか確認し、来年度にも医療費助成開始

 医療費助成の対象となる「指定難病」は、▽発症の機構が明らかでない▽治療方法が確立していない▽長期の療養を必要とする▽患者数が人口の0.1%(当面は約18万人未満)に達しない▽客観的な診断基準などが確立している―という5つの要件を満たす疾患です。ただしがんや感染症など、他に助成制度がある疾患は対象になりません。

医療費助成対象となる指定難病の要件

医療費助成対象となる指定難病の要件

 これまでに306疾患が「指定難病」に指定されていますが(関連記事はこちらこちらこちら)、最新の研究結果などをもとに、新たに222の疾患について指定難病の要件を満たしているかどうかの確認が進められています。

 13日に委員会では、222疾患のうち次の9疾患について「指定難病の要件を満たすのではないか」と厚労省から検討が要請されました。

(1)先天性GPI欠損症(精神・運動発達の遅れ、てんかん、顔貌異常、難聴などが特徴。患者数は100人未満)

(2)β-ケトチオラーゼ欠損症(生後数か月から2歳頃に、飢餓、発熱、感染などのストレス時に著しいケトアシドーシスで発症することが多く、重篤な場合には急性脳症で発症し、後遺症として発達障害を来すことがある。患者数は100人未満)

(3)三頭酵素欠損症(新生児期にけいれん、意識障害、呼吸障害、心不全などで急性発症する。致死率の高い新生児期発症型、幼児期から成人期に間歇的な横紋筋融解症、筋痛、筋力低下で発症する骨格筋型まで臨床像は幅広い。患者数は100人未満)

(4)シトリン欠損症(新生児期から乳児期早期に黄疸や体重増加不良、ガラクトース血症、低血糖などを呈するNICCD型、思春期以降に高アンモニア血症、高シトルリン血症、脂肪肝などを呈するCTLN2型、両者の間に見かけ上健康な適応・代償期がある。患者数は約1500人)

(5)セプアプテリン還元酵素(SR)欠損症(乳児期からの運動・言語発達遅滞を含む認知機能発達遅滞を示し、眼球回転発作、ジストニア、パーキンソン様振戦が認められる。患者数は100人未満(約1人))

(6)非ケトーシス型高グリシン血症(哺乳力低下、昏睡、呼吸障害を伴う新生児型、発達遅れ、痙攣などを伴う乳児型がある。患者数は100人未満)

(7)芳香族アミノ酸脱炭酸酵素(AADC)欠損症(間歇的な眼球回転発作、四肢のジストニア、精神運動発達の遅滞、随意文堂障害、易刺激性などがよく見られる。患者数は100人未満)

(8)メチルグルタコン酸尿症(発語の遅れから急性期脳症まで幅広い症状を呈するI型、心筋症や骨格筋ミオパチーなどを呈するII型、両側視神経萎縮や舞踏病様運動を伴うIII型がある。患者数は100人未満)

(9)大理石骨病(重度の骨髄機能不全、水頭症、成長障害などを呈する新生児型/乳児型、病的骨折、下顎の骨髄炎、顔面神経麻痺などを呈する遅発型がある。未熟骨で骨が覆われ効果するが、脆い。患者数は100人未満)

 

 一部疾患については診断基準などの確認が委員から求められました(例えば(8)のメチルグタコン酸尿症と、既に指定難病に指定されているミトコンドリア病との診断基準の整合性がとれているかなど)が、指定難病の対象に追加することについて反対意見は出されませんでした。概ね了承されたと考えられそうです。

 厚労省健康局難病対策課の担当者は、「今回を含め3回程度の審議で、新たな指定難病の対象候補を選定してもらう。その後、パブリックコメントや親組織である疾病対策部会の了承などを経て、早ければ年明けにも告示を行い、来年(2017年)4月から医療費助成を行いたい」との考えを述べています。

指定難病の診断に必要な遺伝子検査、適切に保険収載する

 この日は、指定難病の診断を行うにあたり非常に重要な「遺伝子検査」の費用助成なども議題にのぼりました。

 「指定難病に罹患しており、重症度の基準を満たす」と判断されれば医療費の助成が行われますが、それまでは通常の診療を受けることになります。その際、必要な遺伝子検査が保険収載されていなければ、一般に「検査を諦める」か「治療費も含めた全額を自己負担する」かを選ばなければなりません。

 この点について厚労省健康局難病対策課の担当者は、「306の指定難病の診断で必要となる遺伝子検査は、2016年度の診療報酬改定も含めてすべて保険収載された」ことを説明(関連記事はこちら)。さらに、2016年度改定では検査の精度向上に向けた「国際標準検査管理加算」(40点)の新設などが行われたことも紹介されました(関連記事はこちら)。今後も必要な遺伝子検査の保険収載は適切に行われるものと考えられます。

 また委員からは「極めて希少な疾患に対する検査を民間の検査機関に委託することは難しい(診療報酬とコストが見合わない可能性がある)。AMED(日本医療開発研究機構)の研究費活用なども検討してほしい」との要望が出されています。

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