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MECP2重複症候群、線毛機能不全症候群、TRPV4異常症を医療費助成の対象となる指定難病に追加―指定難病検討委員会

2023.3.24.(金)

MECP2重複症候群、線毛機能不全症候群、TRPV4異常症の3疾患について、医療費助成の対象となる指定難病に追加する—。

既に指定難病となっている「遺伝性ジストニア」と「神経フェリチン症」について、含まれる疾患を一部移管し、「遺伝性ジストニア」と「脳内鉄沈着神経変性症」に整理し直す―。

3月22日に開催された厚生科学審議会・疾病対策部会の「指定難病検討委員会」で、こうした点が了承されました。

今後、「パブリックコメントの募集」→「親組織である『厚生科学審議会・疾病対策部会』での了承」→「自治体等への周知(オンライン説明会等を開催)」→「指定難病に係る告示・通知改正」と進みます。来年度(2023年度)中に、より広い難病患者に医療費助成が行われることになります。

指定難病の追加候補(上表3疾患)と、疾病名等の見直し候補(下表2疾患)

パブコメ等を経て、2023年度から医療費助成対象疾患(指定難病)をさらに拡大

国の定めた以下の要件を満たす「指定難病」については、患者の置かれている厳しい状況に鑑みて、重症の場合に医療費助成が行われます。
▽発症の機構が明らかでない
▽治療方法が確立していない
▽長期の療養が必要である
▽希少な疾病で、患者数が我が国で一定数(現在は18万人、人口の0.142%)に達していない
▽客観的な診断基準、またはそれに準ずる基準が確立している

医療費助成対象となる指定難病の要件



「がん」など他の施策・支援体系が確立されている疾患は指定難病に該当しませんが、「▼髄膜▼脳▼脊髄▼脳神経▼その他の中枢神経系―に発生した腫瘍は、良性であっても『がん登録』の対象となり(がん登録推進法施行令第1条第2項)、指定難病には該当しない」「それ以外の部位に生じた腫瘍は、良性であれば『がん登録』の対象にならず、指定難病に該当する可能性がある(他の要件を満たすことが必要)」など、判断基準の明確化が随時行われてきています(関連記事はこちら)。



疾病が指定難病の要件を満たすか否かは、研究班や学会の提出した情報・推薦をもとに、専門家で構成される指定難病検討委員会で判断されます。これまでに338疾患(2015年1月実施分:110疾患、2015年7月実施分:196疾患(関連記事はこちら)、2017年4月実施分:24疾患(関連記事はこちら)、2018年4月実施分:1疾患(あわせて5疾患を他の指定難病と統合、関連記事はこちら)、2019年7月実施分:2疾患(関連記事はこちら)、2021年11月実施分:5疾患(関連記事はこちら)が指定難病に該当すると判断され、一定の重症基準を満たす患者については医療費助成が行われています(ただし1つの疾患に複数病名が含まれているケースもあり、病名ベースでは1000疾患を超過すると考えられる)。

今般、指定難病検討委員会において、研究班や関係学会から情報提供・推薦がなされた次の3疾患を指定難病に追加することが了承されました。

【神経・筋疾患】(1疾患)
▽MECP2重複症候群
→乳児期早期からの筋緊張低下、重度の精神遅滞、発語発達不全、進行性痙性、反復性呼吸器感染、難治性痙攣を特徴とする
→患者数は約50人で、100%が重症度分類(Barthel Index85点以下)に該当(=医療費醸成の対象となる)

【呼吸器疾患】(1疾患)
▽線毛機能不全症候群(カルタゲナー(Kartagener)症候群を含む)
→線毛に関連する遺伝子異常で生じ、多くの症例では咳嗽を主訴とし、慢性鼻副鼻腔炎、滲出性中耳炎、気管支拡張症、不妊を発症。呼吸器感染を繰り返して、時に呼吸不全を来し、肺移植の適応となる。慢性鼻副鼻腔炎、気管支拡張症、内臓逆位の3徴候とする Kartagener 症候群を含む
→患者数は約5000人未満で、76%が重症度分類(肺機能に関する重症度分類III以上)に該当(=医療費助成の対象となる)

【骨・関節疾患】(1疾患)
▽TRPV4異常症
→カルシウムイオン透過性チャンネルであるTRPV4の遺伝子異常によって発症し、(1)変容性骨異形成症(2)脊椎骨端骨幹端異形成症Maroteaux型(3)脊椎骨幹端異形成症 Kozlowski型 (4)短体幹症(5)短指を伴う家族性指関節症などが含まれふ。いずれの疾患でも扁平椎、関節の腫大、拘縮、低身長などを共通の表現型とする
→患者数は100人未満で、60%が重症度分類(modified Rankin Scale(mRS)3点以上)に該当(=医療費助成の対象となる)



3月3日の前回会合での委員指摘を踏まえ、研究班から「診断基準」などを見直した資料(個票)が提示され、「各疾病の診断基準」「医療費助成が行われる重症者の判定基準」などがより明確になっています(厚労省サイトはこちら)。

指定難病に含まれる疾患を整理しなおし、診断基準などをより明確化

また、3月22日の指定難病検討委員会では、次の2疾患について「疾病の対象範囲の変更」「疾病名の変更」を行うことも了承されました。こちらも3月3日の前回議論を踏まえて、研究班から「診断基準」などを見直した資料(個票)が提示され、「各疾病の診断基準」「医療費助成が行われる重症者の判定基準」などがより明確になっています(厚労省サイトはこちら)。

▽告示番号120の「遺伝性ジストニア」について、対象疾患の範囲を「「DYTシリーズ」に限定する

▽告示番号120の「遺伝性ジストニア」のうち「金属代謝に関連するNBIAシリーズ」を、後述の告示番号121の「神経フェリチン症」に含め、疾病名を「脳内鉄沈着神経変性症」に改める

既に報じているとおり、疾患の特性を踏まえて、これまで「遺伝性ジストニア」(告示番号120)に含まれていた「金属代謝に関連するNBIAシリーズ」を、「脳内鉄沈着神経変性症」(告示番号121)に移管するものです。国際的な分類とも整合性がとれた内容となっています。



冒頭に述べたとおり、所定の手続きを経て「指定難病に係る告示・通知改正」が行われ、来年度(2023年度)中に医療費助成対象疾患が増加することになります。医療費助成の対象疾患を増やし、疾患の整理を行うもので、「指定難病と闘う患者の支援が強化される」朗報と言えるでしょう。



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