高齢者の熱中症対策、水分補給やエアコン活用などが極めて重要—厚労省・経産省・環境省
2022.6.10.(金)
厚生労働省・経済産業省・環境省は6月9日にパンフレット「高齢者のための熱中症対策」を公表。熱中症の予防には「水分補給」と「暑さを避けること」が重要であると改めて強調しています(環境省のサイトはこちら)。高齢者をサポートするかかりつけ医やケアマネジャーらからも「熱中症に気を付けてください。こうした点に留意してください」と助言することが重要です。
2020年度、東京都における熱中症死亡者の9割は高齢者で、うち9割は屋内で発生
関東地方も梅雨入りし、蒸し暑い時期がやってきます。そうした中では熱中症により救急搬送される方が増加することから、「予防」が非常に重要となります。
とりわけ高齢者では、▼体内の水分が不足しがちである(若年者よりも体内水分量が少なく(小児では75%、成人では60%であるが、高齢者では50%にとどまる)、老廃物排出のためにたくさんの尿が必要となる)▼暑さに対する感覚機能が低下している(加齢により、どうしても暑さや喉の渇きに関する感覚が鈍くなる)▼暑さに対する体の調節機能が低下している(高齢者は体に熱がたまりやすく、若年者よりも循環器系への負担が大きくなる)—ため、熱中症リスクが高いと言えます。実際に2020年度における東京都の熱中症による死亡者の9割は65歳の高齢者です。しかも、その9割は「屋内」で熱中症になっています。
こうした点を踏まえて3省では、次の3点に留意することを強く推奨しています。
(1)エアコンを上手に使う
(2)屋外で2m以上離れている場合などにはマスクを外す
(3)こまめに水分補給する
このうち(1)では、▼扇風機や換気扇も併用する(ただし「体に風が長時間、直接に当たらない」ように注意する)▼すだれやカーテンを活用し、直射日光を遮る—ことも推奨。あわせて「エアコン使用中もこまめに喚起する」ことも求めています。
また(2)(3)では、水分補給の重要性を強調。量については腎臓や心臓などに疾患を抱える方もおられることから「かかりつけ医の指示に従う」必要がありますが、一般論として▼1日あたり1.2L・1時間ごとにコップ1杯程度の水分補給を、喉が渇いていなくとも行う▼入浴前後や起床後も「まず水分補給」を行う▼大量に汗をかいたときに「塩分」も補給する—ことを推奨しています。
あわせて、熱中症予防のチェック項目として、上記のほかに▼シャワーやタオルで体を冷やす▼暑いときには無理をしない▼涼しい服装をし、外出時には日傘や帽子を使う▼緊急時・困ったときの連絡先を確認する―ことなどを掲げました。
高齢者や家族がこうした点に留意することが重要ですが、サポートするかかりつけ医やケアマネジャーらからも「熱中症に気を付けてください。こうした点に留意してください」と繰り返し伝達・指導することが重要です。
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