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診療報酬改定セミナー2024 2024年度版ぽんすけリリース

医療機関内の電波環境改善が必要、廊下や階段、地下エリアで電波状況が不良―日病

2020.1.29.(水)

医療機関の中でも「廊下・階段・エレベーターホール」や「地下エリア」での電波状況が芳しくなく、とくに小規模病院で芳しくない。院内の電波環境改善が重要である―。

日本病院会は1月28日に「『医療機関における電波状況に関するアンケート』結果報告について」を公表し、こうした点を明らかにしました(日病のサイトはこちら)。

この結果などが、▼代替通信用のスマートフォンサービス「日病モバイル」の提供▼病院内の携帯電話不感知対策―の2サービス提供につながっています。

病院開設者の半数超が「電波環境改善」に期待

医療機関における携帯電話等使用に関しては、電波環境協議会が定めた「医療機関における携帯電話等の使用に関する指針」(2014年8月)に則ることが求められます。指針では、各医療機関において▼利用者(患者、面会者等)向けの「携帯電話端末使用ルール」を設定すること▼医療従事者向けの「携帯電話端末使用ルール」を設定すること▼医療機関での携帯電話端末の使用ルールを周知すること▼携帯電話端末以外の無線通信機器(PHSや無線LANなど)の使用に関する留意事項▼医療機関の電波管理体制を充実すること―などが示されています。

スマートフォンをはじめとする携帯電話端末の使用が国民に広く浸透する中では、「医療機関においても患者や面会者等の携帯電話端末使用は、可能な限り認められることが望ましい」という大前提を示したうえで、▼医用電気機器の動作に影響を及ぼす恐れがある▼マナーの徹底が重要である―ことから、エリアごと等に「携帯電話端末の使用ルール」を医療機関等の実態を踏まえて作成し、周知することが必要となるのです。

また医療業務の迅速かつ最適な遂行のためには、医療従事者においても携帯電話端末等の使用が不可欠となり、やはり「携帯電話端末の使用ルール」を作成・周知することが極めて重要となることを説いています。

一方で、医療機関の中には「携帯電話端末が適切につながらない」「電波環境が不良で医療業務に支障が生じかねない」との問題も散見されます。

さらに今年(2020年)7月にはPHSが停波となることから、日病では「会員病院における電波状況の実態把握」を行う必要があると考え、今般、アンケート調査を実施したものです。調査は昨年(2019年)9月に行われ、471病院(平均病床数351床、最大病床数1435床、最小病床数22ゆか)が有効回答を寄せています。

まず施設内での「電波の繋がりにくさ」については、▼建物全体:13.5%▼ロビー・外来待合エリア:8.7%▼診察室・処置室:13.9%▼廊下・階段・エレベーターホール:23.0%▼患者向け食道・談話室:7.1%▼病棟(スタッフステーション):10.9%▼病室:6.9%▼スタッフの休憩室:16.2%▼地下職務エリア等:44.6%▼地下(駐車場等):37.6%―という状況で、「廊下・階段・エレベーターホール」や「地下エリア」での電波不感知を感じている病院の多いことが分かります。

また、こうした電波の不感知への対策を行っていない病院について、「電波の繋がり状況」を規模別にみると、「100床未満病院のほうが、500床以上病院に比べて悪い」ことも明らかとなりました。日病では「電波の繋がり状況は規模に依存する傾向がある」と見ています。

廊下や地下エリアで電波環境が芳しく病院が多く、小規模病院で特に多い(日病電波環境調査 200128)



また、こうした不感知への対策については「積極的に検討したい」「関心がある」という声が半数超を占めていますが、「金銭的負担なし」という条件が付きます。

半数超の病院経営者は電波環境改善に関心が高い(日病電波環境調査2 200128)



さらに、スマートフォンについては「利用」「一部利用」を合計しても28%にとどまり、「院内の内線」や「ナースコール」等にはあまり使用されず、外線利用が多いことも分かりました。

スマホ利用は病院内ではあまり進んでいない(日病電波環境調査3 200128)



こうしたアンケート結果を踏まえ、日病では▼院内の電波状況が良くなれば、携帯電話から強い電波を発せずともよくなり、医用電気機器への負荷もかからなくなる▼医療機関は災害時における被災者対応の地域拠点となるため、BCP(事業継続計画)の観点からも電波環境改善の必要性が高い―と分析。さらに「電波状況改善に向けた会員病院の関心の高さ」も踏まえ、今般、▼代替通信用のスマートフォンサービス「日病モバイル」の提供▼病院内の携帯電話不感知対策―の2サービス提供決定につなげています。



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