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診療報酬改定セミナー2022 新型コロナ対策

脳や脊髄等に接触可能性あるハイリスク手技に用いた医療機器、プリオン病22次感染予防のため洗浄・滅菌を―厚労省

2021.7.16.(金)

「脳や脊髄等に接触可能性のあるハイリスク手技の際に用いた医療機器」は、プリオン病の2次感染予防のため洗浄・滅菌を徹底する必要があることなどを、医療機関・機器製造販売業者・機器貸与事業者のいずれもが留意し、緊密に連携してほしい―。

厚生労働省は7月13日に通知「手術器具を介するプリオン病二次感染予防策の遵守について」を示し、医療機関への注意を呼びかけました(医薬品医療機器総合機構(PMDA)のサイトはこちら)。

プリオン病患者に使用された医療機器、洗浄・滅菌ないままの再使用で2次感染の可能性

クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)を含むプリオン病は、プリオンと呼ばれる異常タンパクが脳内に蓄積され、脳神経細胞の機能が障害される疾患で、現在のところ治療法がなく、最終的には死に至ります。このため一定の重症度を満たす患者では医療費助成が行われる「指定難病」として指定を受けています(告示番号23)(難病情報センターのサイトはこちら(CJD)こちら(GSS)こちら(FFI))。

このプリオン病については、▼ヒト乾燥硬膜移植▼ヒト下垂体ホルモン製剤注射▼角膜移植▼脳深部電極・脳外科手術器具など―による2次感染が報告されていることから、その予防策が非常に重要であることが従前から確認され、専門研究班による「プリオン病感染予防ガイドライン(2020 年版)」も公表されています。

そうした中で、「プリオン病を疑われる患者に使用された再使用可能な手術用器械器具」が、製造販売業者等への返却後、次の医療機関での再使用に至る一連の工程において、滅菌等のプリオン不活化処理がなされず別の医療機関に貸し出された事例のあることが報告されています。この事例では、幸いにも「次の医療機関」において洗浄・滅菌が行われ、また「脳、脊髄、硬膜、脳神経節、脊髄神経節、網膜又は視神経に接触した可能性がある手技」に当該機器が使用されていなかったことが確認され、2次感染リスクの可能性は否定されましたが、極めて遺憾な事態と言えます。

こうした不適切事例の発生を踏まえ、厚労省は▼都道府県▼医療機関▼機器製造販売業者▼機器貸与業者―に対し、「プリオン病に対する感染予防策の徹底」を強く要請しています。



【関係者すべてに共通する対応】
▼医療機関▼機器製造販売業者▼機器貸与業者は、「プリオン病感染予防ガイドライン(2020 年版)」(以下、ガイドライン)に従った対応を行うとともに、「ハイリスク手技(脳、脊髄、硬膜、脳神経節、脊髄神経節、網膜又は視神経に接触した可能性がある手技)に使用された当該医療機器が、プリオン不活性化 に必要な洗浄、滅菌が行われないまま別の患者に使用される」といった事態が生じないように、緊密に連携することが強く求められます。



【医療機関での対応】
その上で医療機関では、プリオン病の感染症疑いの有無にかかわらず、ハイリスク手技を行った場合は、ガイドラインに従って、「▼脳▼脊髄▼硬膜▼脳神経節▼脊髄神経節▼網膜▼視神経―に接触する可能性があり、かつ、再使用可能な医療機器」(医科、本件医療機器)についてプリオン不活化のための洗浄、滅菌を行う」ことが求められます。

洗浄、滅菌を外部業者に委託することも可能ですが、その場合には「ガイドラインに従った洗浄、滅菌がされている」かどうかを確認することが求められます。



【機器製造販売業者での対応】
また製造販売業者は、本件医療機器の添付文書(【使用上の注意】の[重要な基本的注意])において、「本品がハイリスク手技に使用された場合には、プリオン病感染予防ガイドラインに従った洗浄、滅菌を実施する」及び「本品がプリオン病の感染症患者への使用および、その汚染が疑われる場合には、製造販売業者・貸与業者に連絡する」旨の記載があることを点検し、その結果を通知発出日(7月13日)から3か月以内にPMDA(医薬品医療機器総合)に報告することが求められます

さらに、点検の結果、必要に応じて添付文書を速やかに改訂し、情報提供を行う(PMDAホームページへの掲載や、医療機関・貸与業者への周知など)ことが求められます。その際には、医療機関に対して「ガイドラインに従ったプリオン不活化のための洗浄、滅菌の条件」について詳しく説明することが必要です。

あわせて、「医療機器及び体外診断用医薬品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令」の規定による「医療機器の貸与業者における品質の確保に関する手順」において以下の点を含めるとともに、当該内容を貸与業者へ指示することが必要です。
▽本件医療機器をハイリスク手技に使用した場合には、医療機関が添付文書に従いガイドラインに従った洗浄、滅菌を行うよう、貸与業者が医療機関に説明をする
▽洗浄、滅菌の確実な実施を担保するため、貸与業者は医療機関との間で共有すべき情報を明らかにした上で、ハイリスク手技に使用された本件医療機器の洗浄、滅菌の実施状況を確実に確認する
▽プリオン病の感染症患者への使用、その汚染が疑われる場合には、医療機関が製造販売業者・貸与業者への連絡を確実に実施するよう、貸与業者が医療機関に説明する



【機器貸与業者での対応】
さらに貸与業者は、製造販売業者から受けた指示を遵守することが求められます。



医療機関・機器製造販売業者・機器貸与業者のいずれもが、「適切な管理を行わなければ、取り返しのつかない事態を招いてしまう(上記のようにプリオン病は治療法がなく、死に至る病である)」という点を強く意識することが重要です。



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