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診療報酬改定セミナー2022 診療報酬改定セミナー2022

特定職種の処遇改善は軋轢を生む、病院経営全体の底上げによる「バランスの取れた処遇改善」が重要―四病協

2021.11.25.(木)

介護施設や事業所に勤務する介護福祉士など(介護スタッフ)では処遇改善を要件とする加算が介護報酬に設けられているが、病院に勤務する介護福祉士など(看護補助者)ではそういた仕組みがなく、給与格差などの問題が生じている。こうした点を解消するための措置をとるべきである―。

こうした点が11月24日の四病院団体協議会・総合部会後の記者会見において、日本病院会の相澤孝夫会長から明らかにされました。

相澤・日病会長は「特定職種についてのみ給与が引き上げられれば、他の職種との軋轢が生まれ、病院サイドの負担も増える。病院経営全体の底上げが必要である」との考えも強調しています。

11月24日の四病院団体協議会・総合部会後に記者会見(オンライン会見)に臨んだ日本病院会の相澤孝夫会長

後藤厚労相に「病院勤務の看護補助者の処遇改善」を要望

少子高齢化が急速に進行する中では「介護職員の確保」が極めて重要な政策課題となります。このため厚生労働省は、▼介護職員処遇改善加算(2012年度改定で、従前からの介護職員処遇改善交付金を受けて創設され、その後、順次拡充されてきている)▼特定処遇改善加算(2019年度改定で創設され、主に勤続年数の長い介護福祉士の処遇改善を目指す)―という2つの加算を設け、介護職員の「賃金・給与の引き上げ」「賃金・給与以外の処遇改善」「職場環境の改善」を狙っています。

特定処遇改善加算の概要2(2019年度介護報酬改定)



一方、医療機関に勤務する看護補助者には、こうした特段の「給与引き上げを要件とする加算」などは設けられていません。看護補助者の中には「介護福祉士」資格保有者なども少なくありませんが、勤務場所が異なるために加算が付与されないのです。

このため、例えば次のような問題が生じています。

(1)例えば同じ法人の中で「病院」と「介護保険施設や介護事業所」を運営する場合などに、介護保険施設等に勤務する介護福祉士では給与が引き上げられるが、病院に勤務する介護福祉士(看護補助者として従事)では給与引き上げがなされない

(2)(1)のような不公平感を解消するために、病院に勤務する介護福祉士(看護補助者として勤務)の給与を、病院・法人の持ち出しで引き上げる(加算等の財源はないため、病院・法人の負担が大きくなる)

(3)(2)のような「自前の負担での引き上げ」を行う余裕のない法人では、不公平が生じないように介護保険施設等においても処遇改善加算の取得をしない(結果、介護福祉士などの給与が引き上げられない)



日本病院会・全日本病院協会・日本医療法人協会・日本精神科病院協会の4団体で構成される四病院団体協議会の総合部会(会長、副会長クラスの幹部で意見交換を行う)では「同じ職種が、同様の業務を行いながら、ただ勤務場所が異なるという理由だけで処遇に差が生じる。施策がちぐはぐで、これが現場での軋轢を招いている。介護保険施設に勤務する介護スタッフ(例えば介護福祉士)と医療機関に勤務する看護補助者(例えば介護福祉士)とで、少なくとも給与差が解消されるような対応を図るべき」との意見で一致し、各団体の会長名で後藤茂之厚生労働大臣に宛てて要望が行われました(11月15日)。



ところで、政府が11月19日に取りまとめた新たな経済対策(コロナ克服・新時代開拓のための経済対策)では、看護師や介護職の処遇をさらに改善していく方針が明確にされています。

これに対し相澤会長は「私見である」としたうえで「特定の職種について給与の引き上げがなされれば、他の職種は『なぜ私の給与は上がらないのか』と不公平感を感じ、軋轢が生じてしまう。これを解消するために他職種の給与引き上げを行えればよいが、病院にはそうした余力はない。病院そのものの経営底上げを狙う施策をとっていただき、各病院が職種間バランスをとりながら給与引き上げを行うような仕組みが望ましく、病院にとって重要である」との考えを明らかにしています。



こうした要望が、来年度(2022年度)の予算案編成や、現在議論中の診療報酬改定にどう影響していくのか、今後の動きを見守る必要があります。



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