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介護現場では7割超が「文書負担軽減」を実感しておらず、「負担が増えた」との声も—介護クラフトユニオン

2022.6.15.(水)

介護文書負担軽減に向けた取り組みが進んでいるが、介護現場では7割超が「負担軽減」を実感しておらず、一部には「以前よりも負担が増えた」との声まである—。

介護業界労働者の労働組合である日本介護クラフトユニオンが6月7日に公表した『文書負担軽減に関する緊急アンケート』 結果から、こうした状況が浮かび上がってきました(介護クラフトユニオンのサイトはこちら)。

自治体の書式統一徹底や、押印廃止の徹底などが必要

介護分野では従前から人材不足が大きな課題となっており、この課題が将来向けてさらに大きなものとなっていくことが確実です(高齢化により介護需要の伸びる一方で、少子化に伴って人材不足に拍車がかかる)。このため「人材確保・定着」「負担軽減」をどう進めていくかが極めて重要となり、その一環として「提出文書作成の負担軽減」が進められています。例えば、自治体により提出すべき文書のフォーマットが異なり、広域で事業展開している介護事業者からは「負担が大きい」との悲鳴が出ています。

厚生労働省もこうした声を受けて専門委員会を設置。▼指定申請▼報酬請求▼指導等—の3つの場面における文書提出義務を、▼簡素化▼標準化▼ICT等活用—によって軽減するために、項目を明確化し(例えば押印の廃止、標準様式の設定など)、時限を区切った対応で行う方針を決定。すでに現場も動いています(関連記事はこちらこちら)。

文書負担軽減の方向とスケジュール(介護保険部会3 220530)



さらに、厚労省は、文書負担軽減に取り組む自治体に対し財政的な支援(保険者機能強化推進交付金・介護保険保険者努力支援交付金、いわゆる「インセンティブ交付金」)を行っています。

このインセンティブ交付金等の効果は大きく、例えば▼運営規程等への職員の員数記載方法を「●人以上と記載することを認める」という簡素化は全都道府県、全政令指定都市・中核市で実現されており、市町村レベルでも80.6%が実施しています。また、「押印の見直し」は95.7%の都道府県、93.9%の政令指定都市・中核市、84.4%の市町村で実現されています(関連記事はこちら)。

自治体における文書負担軽減などの成果(介護文書負担軽減専門委員会1 220120)



介護クラフトユニオンでは「こうした文書負担軽減策の効果が介護現場に現れているのか?介護現場では負担軽減の実感があるのか?」を明らかにするため、今般、アンケート調査を実施(居宅・入所・通所・居宅介護支援などさまざまな形態の介護事業所から214名が回答)。そこから次のような状況が明らかになりました。

▽介護文書負担軽減を実感している人は3割弱(27.6%)にとどまり、7割超(72.4%)は実感していない

▽介護文書負担軽減の実感がない理由としては、「今までと負担がまったく変わらない」(57.4%)が最も多く、「今までより負担が増えた」(22.4%)という声もある

介護現場の「文書負担軽減の実感」状況(介護クラフトユニオンアンケート1 220607)



▽「介護文書負担軽減の実感がない」との声は、訪問系・通所系・居宅介護支援(ケアマネジメント)で多く、入所系では3割・訪問系では4分の1・通所系でも2割弱が「今までより負担が増えた」を感じている

サービス種類別に見た「文書負担軽減の実感」状況(介護クラフトユニオンアンケート2 220607)



上述した「自治体による提出文書フォーマットが異なる」という点については、多くの自治体で標準化が進んでいるものの、「1つでも異なるフォーマットの自治体があれば現場の負担は変わらない」との指摘もあります。文書負担軽減は「まだ道半ば」と考えられ、それが今般の調査結果(7割超が負担軽減を実感できていない)につながっていると思われます。さらに「文書負担軽減に向けた取り組みを推進」するとともに、現場の状況を定期的に把握し、必要な対応を検討していくことが重要でしょう。



なお、今般のアンケート調査では、さらなる文書負担軽減に向けて次のような取り組みを行ってはどうかとの提案も寄せられています。

▽計画書等の署名押印の廃止を徹底し、「郵送や電話・メールでの説明同意の記録で可」とする
▽各自治体の書式統一を徹底する
▽LIFE の入力項目の簡略化を行う
▽オンライン手続きを可能にする
▽要介護認定申請、負担限度額認定申請、認定情報開示申請の電子化を行う

【更新履歴】日本介護クラフトユニオンへのリンクが誤っておりました、大変失礼いたしました。修正しております。是非、原典もご参照ください。



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