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がん診療連携拠点病院・小児がん拠点病院・がんゲノム医療中核拠点病院などの「連携」が極めて重要―がん診療提供体制検討会(2)

2022.7.27.(水)

7月21日に開催された「がん診療提供体制の在り方に関する検討会」(以下、検討会)では、▼小児がん診療病院等▼がんゲノム医療中核拠点病院等—の指定要件(整備指針)見直し内容も概ね了承されました。

7月中の指定要件(整備指針)見直し内容確定(厚生労働省健康局長通知発出)を目指し、構成員から出された意見を踏まえた土岐祐一郎座長(大阪大学大学院医学系研究科外科系臨床医学専攻・外科学講座消化器外科学教授)と厚生労働省との最終調整が行われます。

小児がん拠点病院等、病院間連携・ライフステージに応じた支援などの強化を目指す

Gem Medで繰り返し報じているとおり、今夏(2022年夏)に「がん診療連携拠点病院」(成人拠点)や「がんゲノム医療中核拠点病院」「がんゲノム医療拠点病院」「小児がん診療病院」などの指定要件が見直されます。
【関連記事】
●がん診療体制の在り方検討会(親会議):こちら(成人拠点等の指定要件見直し確定)こちら
●成人拠点等:こちらこちらこちら
●小児拠点等:こちらこちらこちら
●ゲノム中核拠点等:こちらこちら

成人拠点・小児拠点・ゲノム拠点等の指定要件を整合性を確保して見直すため、がんゲノム医療中核拠点病院等の指定期間を延長する(がん診療提供体制検討会2 211027)



小児がん拠点病院等では、次のような点が見直し内容のポイントと言えます。

▽成人拠点病院・ゲノム医療中核拠点病院などとの「連携」を求める

▽「ライフステージに応じた支援」の充実を求める

▽「医療環境にある子どもや家族への療養支援に関する専門的な知識・技能を有する者」(チャイルド・ライフ・スペシャリストなど)の配置要件に研究などを進めるほか、「人材育成」機能の確保等を求める

▽「小児がん連携病院1」について、一定以上の症例要件などをクリアする「連携病院1A」と、そうでない「連携病院1B」に細分化する

小児がん拠点病院・連携病院などの全体像(小児がん指定要件ワーキング(2)3 220627)



また、6月27日のワーキングで示された見直し案から、例えば次のような点について変更が行われています(ワーキングでの意見を踏まえた修正、関連記事はこちらこちら)。成人拠点病院の見直し内容と共通する項目(緩和ケアやカンファレンスなど)も盛り込まれています。

▼個々の拠点病院等および地域ブロックでのBCP(事業継続計画)策定「論議」を求める

▼拠点病院に求められるカンファレンスについて、「臨床倫理的、社会的な問題を解決するための、具体的な事例に則した、患者支援の充実や多職種間の連携強化を目的とした院内全体の多職種によるカンファレンス」を明確に位置づける

▼対象となりうる患者および家族には必ずがん治療開始前に「妊孕性温存療法」等の適切な情報提供を行うことを義務付ける

▼小児がん診療に携わる「すべての診療従事者」が、すべての小児がん患者に対し「必要な緩和提供を行う」旨をより明確化する

▼セカンドオピニオンについて「すべてのがん患者とその家族に対して、他施設でセカンドオピニオンを受けられることについて説明する」「その際、心理的な障壁を取り除くことができるよう留意する」旨を義務付ける

▼「小児・AYA世代のがんの長期フォローアップ体制整備事業」(厚労省委託事業)による「小児・AYA世代のがんの長期フォローアップに関する研修会」を受講した医師や看護師などを長期フォローアップに携わる部門に配置することを義務付ける

▼国立がん研究センターがん対策研究所の「がん相談支援センター相談員基礎研修」(1)(2)を受講後、国立成育医療研究センターの「小児がん相談員専門研修」を修了した専任相談支援者を1人以上配置することなどを義務付ける



●厚労省の提示した指定要件見直し案はこちら(今後、構成員意見等を踏まえて修正される可能性があります)
(参考)現行の指定要件はこちら



こうした見直し内容に反論は出ていませんが、「地域ブロック協議会(地域の小児がん拠点病院・小児がん連携病院等が参画し連携の強化、医療水準の向上を目指す)に地域の患者会代表の参画を求めるべき」(天野慎介構成員:全国がん患者団体連合会理事長)、「小児がん中央機関(国立がん研究センター、国立成育医療研究センター)の研究支援機能をより強化すべき」(中釜斉構成員:国立がん研究センター理事長)などの提案が出ています。

なお、がんゲノム医療連携病院とも関連しますが、小児がん連携病院は小児がん拠点病院が指定を行います。このため、小児がん連携病院の中には、「連携先の小児がん拠点病院が指定から外れた場合」には、急ぎ「他の小児がん拠点病院との連携」をしなければ、小児がん連携病院からの指定から外れてしまうことになります。このため松本公一構成員(国立成育医療研究センター小児がんセンターセンター長)は「小児がん連携病院については、小児がん拠点病院の新指定から一定期間(1年間程度)の指定猶予を認めるべきではないか」との考えを提示しました。

ゲノム医療拠点病院等、エキスパートパネルや遺伝カウンセリング等の「実績要件」導入

がんゲノム医療中核拠点病院等では、次のような点が見直し内容のポイントと言えます。

▽「エキスパートパネル(専門家会議)の検討」「遺伝カウンセリング」「治験等」について「実績要件」を新設する

がんゲノム医療中核拠点病院等における「エキスパートパネル症例」等実績要件(がん診療体制在り方検討会(2)1 220721)

がんゲノム医療中核拠点病院等における「遺伝カウンセリング」等実績要件(がん診療体制在り方検討会(2)2 220721)

がんゲノム医療中核拠点病院等における「治験」等実績要件(がん診療体制在り方検討会(2)3 220721)



▽がんゲノム医療拠点病院について、「中核拠点病院との連携」を求める

▽がんゲノム医療連携病院について「エキスパートパネルでの治療薬提示」や「患者の転帰」に関する情報登録(国立がん研究センターに設置されるC-CATへの登録)を強く求める(連携先の中核拠点病院等にも共同責任を課す)

中核・拠点・連携病院はC-CATに患者の転帰情報などの報告も求められている(がんゲノム医療中核拠点病院等指定要件WG7 220704)



▽指定要件を「4年間」とする(従前は2年間)

がんゲノム医療中核拠点病院等の指定年限を4年に延長する(がんゲノム医療中核拠点病院等指定要件WG10 220704)



また、7月4日のワーキングで示された見直し案から、例えば次のような点について変更が行われています(ワーキングでの意見を踏まえた修正、関連記事はこちら)。

▼連携病院の機能・役割を明確化(原則1か所の中核拠点病院・拠点病院と連携し、そこでの遺伝子パネル検査結果を踏まえた医療を行うなど)を図る

▼がん遺伝子パネル検査を実施する際は、当該検査の効果を最大化するために「当該検査の妥当性を確認した上で、臨床有用性について多面的な検討を行うエキスパートパネルを実施する」旨を明確化する

▼臨床検査部門の人員について、「がん遺伝子パネル検査に関連する臨床検査医学に関する専門的な知識・技能を有する常勤の医師」「がん遺伝子パネル検査における血液検体等の取り扱いに関する専門的な知識・技能を有する常勤の臨床検査技師」の配置を望ましい要件とする

なお、がんゲノム医療中核拠点病院等は「がん診療連携拠点病院や小児がん拠点病院である」ことが前提要件となっており、これらの指定要件を満たさなければならない(セカンドオピニオンや緩和ケアなど)旨は述べるまでもありません。

●厚労省の提示した指定要件見直し案はこちら(今後、構成員意見等を踏まえて修正される可能性があります)
(参考)現行の指定要件はこちら



こうした見直し案に反論は出ていませんが、「中核拠点病院・拠点病院数が一定程度固定(中核拠点病院が10程度、拠点病院が30程度)される中で、エキスパートパネルの実施可能件数が飽和状態にならないだろうか」(天野構成員)、「がんゲノム医療中核拠点病院等・成人拠点病院等・小児拠点病院等の連携が今後、ますます重要になる。連携強化に向けた全国組織なども検討していってほしい」(中釜構成員)—などの意見が出ています。

エキスパートパネルについては、現在「中核拠点病院・拠点病院でのみ開催できる」(逆に言えば、エキスパートパネルを開催できる病院でなければ中核拠点病院・拠点病院に指定されない)ことから、確かに天野構成員の指摘するような「飽和状態に陥り、がんゲノム医療を希望する患者が、適切なゲノム医療を受けられない」事態が生じるようにも思えます。この点、「エキスパートパネルの効率的運用」(知見が集積しているケースについては、エキスパートパネルの一部スタッフのみで最適抗がん剤を模索するなど)を進めていく考えも示されており、今後の動きを見守る必要があるでしょう。



こうした指摘などを踏まえて今後、土岐座長と厚労省で最終調整を行います。厚労省は、「今月中」(2022年7月中)を目標に指定要件(整備指針)見直しに関する厚労省健康局長通知が発出を目指しています。



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