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薬剤師が「病院で実習・研修を受ける」仕組みを制度化し、病院薬剤師のやりがいを肌で感じてほしい―日病協・小山議長、山本副議長

2022.9.16.(金)

病院薬剤師の確保が大きな課題になっているが、「薬剤師が一定期間、病院で実習・研修を受ける」仕組みを制度化してはどうか。病院薬剤師のやりがいを肌で感じてもらえると思う。今後、日本薬剤師会や日本病院薬剤師会にも声をかけ「卒後の研修・実習の制度化」に向けた議論を進めていく—。

9月16日に開かれた日本病院団体協議会の代表者会議でこういった議論が行われたことが、会議終了後の記者会見で小山信彌議長(日本私立医科大学協会会業務執行理事)と山本修一副議長(地域医療機能推進機構理事長)から明らかにされました。

9月16日の日本病院団体協議会・代表者会議後に記者会見に臨んだ小山信彌議長(日本私立医科大学協会会業務執行理事、向かって右)と山本修一副議長(地域医療機能推進機構理事長、向かって左)

薬学生が進路選択で最重視するのは「やりがい、業務内容」

日本私立医科大学協会や地域医療機能推進機構、日本病院会など15の病院団体で構成される日本病院団体協議会(日病協)は、もともと「診療報酬改定に向けて、病院団体で足並みをそろえ、統一した要望・要請・提言」を行うために組織されましたが、病院が直面する諸問題についても積極的に議論し、意見を発信しています。

9月16日の日病協代表者会議では「病院薬剤師の確保」が議題の1つにあがりました。

従前より「病院に薬剤師が来てくれず、調剤薬局に流れてしまう」ことが問題視されています。日本病院会の調査では、例えば▼多くの病院が「薬剤師不足、薬剤師確保の難渋」を感じ、とりわけ「薬剤師業務を評価する診療報酬」(病棟薬剤業務実施加算や外来腫瘍化学療法診療料など)を取得する病院ほど「薬剤師不足」を強く感じている▼事態の改善に向け多くの病院では薬剤師の確保のため「学会や研修会への参加を経済的に支援する」「専門資格取得を経済的にも、その他の面でも支援する」などの取り組みを行っているが、それでもなお薬剤師不足に難渋している—ことなどが明らかになっています(関連記事はこちら)。

また、2024年度からスタートする第8次医療計画でも「病院薬剤師の確保」が重視され、▼医療計画の中に「薬剤師確保」に関する記載を求める(現在は「資質向上」に関する記載のみ)▼各都道府県において「地域における薬剤師確保・配置状況」を把握したうえで、「薬剤師確保」策を推進していく(現在は、4割近くの都道府県が地域の薬剤師充足状況を把握していない)▼地域医療確保総合確保基金を活用し「地域医療機関で一定期間勤務することを条件に奨学金返済を免除する」などの薬学生支援が可能である旨をPRする—といった方向性が示されています(関連記事はこちら)。

さらに日病協代表者会議では「薬剤師について『一定期間の卒後病院研修・実習を求める』ことが、選択肢の1つとして考えられるのではないか」との意見が多数出ています。代表者会議後の記者会見では、▼個人的には薬剤師免許取得から2年間程度、病院で研修・実習をうけていたいだてはどうかと考えている。薬剤師のキャリアアップにもつながり、病院としてもうれしい(小山議長)▼千葉大学医学部附属病院では薬剤部で研修を実施しており、応募はもちろん、そこから就職につながるケースが少なくない。薬剤師のキャリア形成において病院での実習・研修は非常に重要になってこよう。卒後研修・実習が制度化されることで、薬学生の進路がずいぶん変わってくるのではないか(山本副議長)—との見解が示されました。

「薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会」では、「薬学部の学生全体をみれば、就職先選定で最も重視することは『業務内容・やりがい』である」ことが明らかにされています。病院において薬剤師が実習・研修を受けることで「病院薬剤師のやりがい」を肌で感じることができ、進路として「病院」が最も重要な選択肢の1つに浮上してくることに期待が集まります。

薬学生全体で見ると、就職先で最重視することは「業務内容・やりがい」である



日病協では、今後「日本薬剤師会」や「日本病院薬剤師会」にも働きかけ、「病院での薬剤師卒後研修・実習」の制度化に向けた議論を合同で進めていきたい考えです。



また、9月16日の代表者会議では次のような意見も出ていることが小山議長・山本副議長から紹介されました。

▽来年(2023年)4月から保険医療機関等において「オンライン資格確認等システムの導入」が原則義務化される(関連記事はこちら)が、「マイナンバーカードの保険証利用」が国民に浸透していない。「オンライン資格確認等システムを活用すれば、あれもできる、これもできる」と将来の夢が語られがちであるが、それらの基盤が整うのか心配である

▽感染症法改正案の議論が進んでいる(関連記事はこちらこちら)が、大本を議論する厚生科学審議会・感染症部会に病院代表が入っていない。改正法案では病院のマネジメントにも関連する事項が含まれるようであり、病院サイドの意見を述べる場を設けてほしい



こうした声が、厚生行政にどう反映されるのか今後の動きを見守る必要があるでしょう。



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