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妊婦健診への公費助成は全市町村で推奨14回以上実施、助成額は最高の石川県と最低の神奈川県で1.86倍の格差―厚労省

2023.3.9.(木)

市区町村の実施する妊婦健康審査の公費負担状況を見ると、すべての自治体で14回以上の助成が行われている—。

しかし、負担額(最高の石川県と最低の神奈川県とで1.86倍の格差)や健診項目等には、依然として自治体間の格差がある—。

厚生労働省は3月7日に「妊婦健康診査の公費負担の状況に係る調査結果」を公表し、こうした点を明らかにしました(厚労省のサイトはこちら)。

安心・安全な出産のために必要な健診(14回)への助成は、全市町村で実施

出産年齢の上昇などに伴い、健康管理がより重要な妊婦が増加する傾向にあります。このため、妊婦に対する保健指導・健康診査(健診)の重要性、必要性が一層高まっています。ただし、経済的な理由などから「健診を受診しない(できない)」妊婦も少なくないと指摘されています。

こうした状況を踏まえ、妊婦健診に対する公費助成が行われており、2013年度からは「安心・安全な出産のために必要とされる受診回数(14 回程度)」分の検査費用について地方財政措置が講じられています(▼妊娠初期から妊娠23週まで:概ね4週間に1回▼妊娠24週から妊娠35週まで:概ね2週間に1回▼妊娠36週から出産まで:概ね1週間に1回)。

厚労省は今般、昨年(2022年)4月1日現在の、妊婦健診に係る公費負担の状況を調査し、その結果を公表しました。まず公費負担回数を見ると「すべての市区町村(1741自治体)において14回以上の助成」が行われていることが確認されました。回数の面では、全国で「安心・安全な出産のために必要とされる健診受診」を可能とする支援体制が整えられていると言えそうです。

公費負担額の全国平均は10万7792円、最高の石川と最低の神奈川で1.86倍の格差

次に公費負担額を見てみると、全国平均では10万7792円(公費負担額が明示されている1645市区町村)で、前年比1581円の増加となりました。

都道府県別(管内市町村の平均)に見ると、最も高いのは石川県の13万9218円(助成額が非公表の市町村を除く)で、福島県の13万7575円(同)、徳島県の13万2868円、岐阜県の13万629円、青森県の12万7720円(同)などと続きます。

逆に最も低いのは神奈川県の7万4993円で、東京都の8万6739円、愛媛県の9万1810円、京都府の9万1930円、栃木県の9万2080円などと続きます。

最高の石川県と最低の神奈川県では1.86倍の格差があり、また地域によるバラつきが目立ちます。

都道府県別の公費負担状況(2022妊婦健診公費負担状況調査1 230307)



また、助成額の分布をみると、▼12万円以上:19.1%▼11万円以上12万円未満:21.1%▼10万円以上11万円未満:30.0%▼9万円以上10万円未満:13.8%▼8万円以上9万円未満:8.1%▼8万円未満:2.3%▼助成額を明示せず(無制限、上限なし) :5.5%—という状況です。

国が強く推奨する健診項目は全自治体で実施、それ以外の項目には若干のバラつき

他方、国がAレベルで推奨(強く推奨)する検査項目(血液型等、B型肝炎抗原、C型肝炎抗体、HIV抗体、梅毒血清反応、風疹ウイルス抗体、HTLV-1抗体)および、については、Bレベルで推奨する検査項目のうち「性器クラミジア」「B群溶血性レンサ球菌」については、、子宮頸がん)については、受診券方式で公費助成を行っている1563市区町村すべてで実施されています。

しかし、Bレベル(推奨)のうち「子宮頸がん」については、受診券方式で公費助成を行っている市区町村のうち、実施率は93.7%(前年比0.5ポイント上昇)にとどまっています。

また、推奨レベル記載のない項目(考慮すべき)の実施率を見ると、「血糖検査(2回)」は96.5%(前年比1.0ポイント上昇)、「血算検査(3回)」は95.5%(同1.0ポイント低下)、「超音波検査(4回)」は88.6%(同4.2ポイント上昇)という状況です。

さらに、「A・B・記載なし項目すべてを実施している」市区町村は86.3%(前年比5.3ポイント上昇)となりました。

検査項目別の実施状況(2022妊婦健診公費負担状況調査2 230307)



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