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2026年度診療報酬改定の早期実施、改定実施までの国による直接支援などで医療機関経営を強力に支援せよ—指定都市市長会

2025.7.16.(水)

物価・人件費の高騰が医療機関経営に甚大な影響を及ぼしており、入院基本料をはじめ診療報酬改定の早期の実施や臨時的な診療報酬加算の創設など、物価高騰や人件費上昇に柔軟かつ速やかに対応せよ—。

また、診療報酬改定が行われるまでの間、国から直接の補助や新たな交付金の創設などにより、医療機関経営を支援せよ—。

政令指定都市の市長で構成される「指定都市市長会」は7月10日、厚生労働省に対し、こうした要請を行いました(指定都市市長会のサイトはこちら)。

適切な診療報酬改定が行われなければ、病院の経営が立ち行かなくなる

Gem Medで報じているとおり、6月13日に石破茂内閣が決定した骨太方針2025では、医療・介護をはじめとする社会保障予算について、これまでの「高齢化の伸び」に加えて、「人件費・物価高騰」や「病院経営安定」などを勘案した増額を行う方針が明示されています。

保険医療機関等の収益の大部分は「公定価格である診療報酬」であるため、一般企業のように「物価や人件費が高騰し経営が厳しくなっているので、サービス価格(診療報酬)を引き上げて、コスト増を吸収しよう」と個々の医療機関等が行動することはできず、「診療報酬等の引き上げによって物価、人件費等の高騰分を補填することが必要不可欠である」ことを石破茂内閣でも認識していることが伺えます。



この点について、指定都市市長会でも「医療機関は、国が定める全国一律の公定価格【診療報酬】を基本として経営を行っており、長期化する物価高騰や人件費の上昇による経費増の影響を独自に収入に転嫁することができず、経営基盤を安定化させることが非常に難しい状況に追い込まれている」ことを確認。

とりわけ「病院」については、提供する医療内容、施設規模から「医薬品費・診療材料費・光熱費の高騰や人件費上昇の影響」を受けやすく(大きな負担増となっている)、また人口が集中している「大都市」が含まれる医療圏域では、その度合いが強いことを指摘しています(関連記事はこちら)。

こうした経営状況が続けば、救急・小児・周産期・災害・精神をはじめとする「地域に必要な医療提供を行える病院」が少なくなっていくことでしょう。

この点、2024年度の診療報酬改定の改定率は「本体プラス0.88%」にとどまり、昨今の大幅な物価の高騰や人件費の上昇に見合っておらず、2024年度補正予算で創設された重点支援地方交付金、2025年度の入院時の食費基準額の引き上げなどが行われているが、依然として病院経営は厳しいのが実際です。

指定都市市長会では「適切な診療報酬改定が行われなければ、医療従事者の確保、情報セキュリティの確保など、課題が多い病院の経営が立ち行かなくなる」「住民が求める地域医療の提供体制を維持することができなくなる」とし、次の2点を厚労省に強く要請し、実現を求めています。

(1)物価高騰等の現下の社会経済情勢が地域における社会保障サービスの中核となる医療機関の経営に甚大な影響を及ぼしていることから、地域医療を守るため、入院基本料をはじめ診療報酬改定の早期の実施や臨時的な診療報酬加算の創設など、物価高騰や人件費上昇に柔軟かつ速やかに対応する

(2)上述の適切な制度改正が実施されるまでの間、国から直接の補助や新たな交付金の創設などにより、地域に必要な医療を安定的かつ継続的に提供していくための支援を行う



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