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病床機能報告 病床ユニット

2023年度からの「がんゲノム医療拠点病院」、現在の拠点病院「下位」と連携病院「上位」とを比較して選定—がんゲノム医療中核拠点病院等指定検討会

2023.3.16.(木)

我が国のがんゲノム医療を牽引していく「がんゲノム医療中核拠点病院」や「がんゲノム医療拠点病院」、「がんゲノム医療連携病院」については、新たな指定要件(整備指針)に基づいた指定見直しを行い、本年(2023年)4月1日から新体制がスタートする—。

このうち、「がん遺伝子パネル検査の医学的解釈」を自施設で完結できる体制が整備できており、がんゲノム医療の実績が相当程度ある【がんゲノム医療拠点病院】」について、関東甲信越ブロックで1施設減らし「全国で32施設」としてはどうか(現在は全国で33施設)—。

3月15日に開催された「がんゲノム医療中核拠点病院等の指定に関する検討会」(以下、検討会)で、こういった議論が行われました。選定結果は後日明らかにされます。

すでに2月には、人材育成なども担う「がんゲノム医療中核拠点病院」が全国で13施設(現在よりも+1病院)選定されており(関連記事はこちらこちら(選定結果))、今後の手続き(今回の審議を踏まえた「がんゲノム医療拠点病院」の選定など)を経て、4月1日から新たな「がんゲノム医療提供体制」がスタートします。

新指定要件に基づき、データ・ヒアリング結果を踏まえてがんゲノム拠点病院を選定

Gem Medで報じているとおり、新たな▼がん診療連携拠点病院▼小児がん拠点病院▼がんゲノム医療中核拠点病院・拠点病院—の指定要件(整備指針)が策定され、2023年度から新たながん診療提供体制がスタートします。

がんゲオム医療中核拠点病院・拠点病院・連携の指定要件(整備指針)については、例えば▼パネル検査・遺伝カウンセリング・治験実施などに関する「実績要件」を盛り込む▼がんゲノム医療拠点病院についても、新たに「がんゲノム医療中核拠点病院との連携」を求める▼がんゲノム医療連携病院において「患者の転帰などの情報が正しく入力される」ような仕組みを設ける—などの見直しが行われています(関連記事はこちら)。

●がんゲノム医療中核拠点病院等の新指定要件(整備指針)はこちら

がんゲノム医療中核拠点病院等の指定要件見直しポイント(がんゲノム医療中核拠点病院等指定検討会2 230213)



この新指定要件(整備指針)に基づいて「がんゲノム医療中核拠点病院」「がんゲノム医療拠点病院」の選定を行い(がんゲノム医療連携病院は、中核拠点病院・拠点病院が自ら選定する)、本年(2023年)4月1日から新体制をスタートさせることになり、今般の検討会では「がん遺伝子パネル検査の医学的解釈」を自施設で完結できる体制が整備できており、がんゲノム医療の実績が相当程度ある【がんゲノム医療拠点病院】」の選定論議が行われました。

ここで中核拠点病院・拠点病院・連携病院の役割を再確認しておきます。

がんゲノム医療は「がん患者の遺伝子変異情報をもとに最適な抗がん剤を選択・投与する」(効果の低い抗がん剤投与を控えることで、患者の身体的・精神的・経済的負担を逓減する)技術と言えるでしょう。がん患者の主要組織や血液をもとに百以上の遺伝子変異を包括して検出できる「遺伝子パネル検査」を実施。その結果を国立がん研究センターに設置されている「C-CAT(がんゲノム情報管理センター)」のデータベース等に照らし、さらに各病院に設置されているがんゲノム医療の専門家会議(エキスパートパネル)の検討により「効果的な抗がん剤」を選択するものです。

がんゲノム医療中核拠点病院・拠点病院には、「がん遺伝子パネル検査の医学的解釈を自施設で完結できる」体制を整備することが求められ、また連携病院には「中核拠点・拠点病院と連携して完結できる」体制整備が求められます。

また、がんゲノム医療中核拠点病院には、さらに▼人材育成▼他院の診療支援▼治験・先進医療の主導▼研究開発—の機能も求められます。

がんゲノム医療中核拠点病院等の概要(がんゲノム医療中核拠点病院等指定検討会1 230213)



「がんゲノム医療拠点病院」は現在、全国で33施設、ブロック別に見ると北海道:1施設、東北:2施設、関東甲信越:13施設、東海北陸:4施設、近畿:6施設、中国四国:3施設、九州:4施設が指定されています。上記の機能を具備しているかどうかをベースとして、さらに「地域のがん患者数」「患者のアクセス」などの地域性をも考慮して、「どの地域ブロックに何施設を整備するか」が決められます。

今般、最新の「がん患者数」データも踏まえて考慮した結果、「中核拠点病院・拠点病院の合計数については、全国で見ても、地域ブロック別に見ても従前と変更する必要はない」ことが確認されました。
がんゲノム医療拠点病院への指定を希望する医療機関は61施設設(北海道:3施設、東北:5施設、関東甲信越:19施設、東海北陸:6施設、近畿:16施設、中国四国:9施設、九州:7施設)あるため、すべての地域ブロックで「指定施設数<申請施設数」となっています。

地域ブロックごとの「がんゲノム医療中核拠点病院・拠点病院」の割り振り1(がんゲノム医療中核拠点病院等指定検討会1 230315)

地域ブロックごとの「がんゲノム医療中核拠点病院・拠点病院」の割り振り2(がんゲノム医療中核拠点病院等指
定検討会2 230315)



一方、中核拠点病院について「関東甲信越ブロックで1施設増加」(結果、全国でも12施設から13施設に増加)することとなったため、拠点病院について「関東甲信越ブロックで1施設減少」(結果、全国でも33施設から32施設に減少)することとしてはどうか、との考えが厚生労働省から示され、了承されました(合計は変わらず、1施設が拠点病院から中核拠点病院に移行した形)。

がんゲノム医療拠点病院への申請が、指定枠を大きく上回っている(がんゲノム医療中核拠点病院等指定検討会3 230315)



そこで、各地域ブロックにおいて「どの施設を選定するか」を検討しなければなりません。その際には次のような考え方で「選定を行う」方針が厚労省から示されました。

【現在、中核拠点病院である施設】
▽「がん遺伝子パネル検査・エキスパートパネルの体制・実績」「遺伝カウンセリング等の体制・実績」「臨床情報やゲノム情報の収集・管理・登録に関する体制・実績」「治験・先進医療・患者申出療養、その他臨床研究等の体制・実績」「がんゲノム医療に関する人材育成や教育等の体制・実績」「小児がん症例への対応」など11項目を書面審査し、「65点満点」で施設ごとに点数をつける

▽地域ブロックごとに書面評価点数のランキングが出る

▽地域ブロックごとに「ランキング下位」となった施設についてヒアリングを行う(45点満点)(Aとする、なおランキング上位施設はヒアリングを経ずに拠点病院に選定する)

【現在、連携病院である施設】
▽「がん遺伝子パネル検査・エキスパートパネルの体制・実績」「遺伝カウンセリング等の体制・実績」「臨床情報やゲノム情報の収集・管理・登録に関する体制・実績」「治験・先進医療・患者申出療養、その他臨床研究等の体制・実績」「がんゲノム医療に関する人材育成や教育等の体制・実績」「小児がん症例への対応」など11項目を書面審査し、「30点満点」で施設ごとに点数をつける

▽地域ブロックごとに書面評価点数のランキングが出る

▽地域ブロックごとに「ランキング上位」となった施設についてヒアリングを行う(45点満点)(Bとする)

↓↓↓
▽Aの「現在拠点病院のランキング下位施設」とBの「現在連携病院のランキング上位施設」とを比較し、「どの施設を拠点病院とするか」を選択する

現在の拠点病院「下位」と現在の連携病院「上位」とを比較し、新たながんゲノム医療拠点病院を選定(がんゲノム医療中核拠点病院等指定検討会4 230315)

書面評価の11項目(がんゲノム医療中核拠点病院等指定検討会4 230213)



「現在拠点病院である施設」と「現在連携病院である施設」とを同じ軸で評価することは困難なため、こうした考え方採用されました。なお、2月の選考において「中核拠点病院には選定されなかった4施設」は、「拠点病院への指定希望」も出ており、前者の「現在拠点病院である施設」として選考対象となっています。



厚労省で選考結果(書面評価+ヒアリング評価)を踏まえて選定を行い(近日中に選考結果が公表される)、本年(2023年)4月1日から新たな中核拠点病院・拠点病院体制がスタートします。

なお、がんゲノム医療は日々進歩しているため、今回の指定期間(2023-26年度の4年間)の間に「がんゲノム医療を取り巻く環境」が大きく変化する可能性があります(「パネル検査がより一般的となり実施数が急増する」ことや、「新たな技術(造血器腫瘍のパネル検査)が開発、保険適用される」ことなどがありえる)。その場合には、指定期間内であっても▼がんゲノム医療提供体制整備に関して必要な検討を行う▼必要に応じて、中核拠点病院・拠点病院から診療体制等について追加の報告を求め、ヒアリングなどを実施する—ことになります。

この点について患者代表である若尾直子構成員(がんフォーラム山梨理事長)は「医療提供体制や技術の変化に合わせ、柔軟に検討してほしい」との考えを強調しています。技術革新の果実を「がん患者」が広く享受できるような柔軟対応に期待が集まります。



なお、がんゲノム医療連携病院は「がんゲノム医療中核拠点病院・がんゲノム医療拠点病院が指定」します。このため「既に中核拠点・拠点として指定されている病院が、本年(2023年)4月以降も中核拠点・拠点として継続指定される」場合には「連携病院も継続指定」となりますが、「これまで中核拠点・拠点として指定されていたが、本年(2023年)4月以降は中核拠点・拠点となれない」病院が現れた場合には、「連携病院は新たに連携する中核拠点・拠点」を探さなければなりません。後者の場合には「遅くとも本年(2023年)5月19日までに連携する中核拠点病院・拠点病院などに関する届け出を行い、7月1日から新たな連携体制をスタートさせる」ことが求められます。



【GHCからのお知らせ】
約200超のがん診療連携拠点病院などが参加する CQI(Cancer Quality Initiative)研究会(代表世話人:望月泉:八幡平市病院事業管理者・岩手県立病院名誉院長)では、DPCデータをもと「がん医療の質向上」に向けた研究を行っており、Gem Medを運営するグローバルヘルスコンサルティング・ジャパン(GHC)がデータ分析等を担当しています。

本年(2023年)8月26日には、第16回研究会を開催(会場+web)。研究会では、「診療の質」と「経営の質」を向上するためのデータ分析方法を議論。前立腺がんなどがん種別に内視鏡手術支援ロボットを用いた手術動向分析などをベースに議論が行われます。

参加病院には、がん診療分析ツール(Cancer Dashboard)を無償提供。また当日は「がん拠点病院の働き方改革」に関する講演も行われます。是非、ご参加ください(詳細はこちら)。



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