Generic selectors
Exact matches only
Search in title
Search in content
Search in posts
Search in pages
GemMed塾 新制度シミュレーションリリース

経口の中絶薬「メフィーゴパック」、母体保護法指定医師の確認下で、病院・有床診での投与が必要、オンライン診療で処方不可—厚労省

2023.5.9.(火)

経口の中絶薬「ミフェプリストン及びミソプロストール製剤」(販売名:メフィーゴパック)については、母体保護法指定医師の確認下での投与が必要であり、各都道府県医師会で適正使用を十分に確認してほしい—。

重大な副作用の恐れもあり、当面の間は緊急対応が可能な病院・有床診療所で使用することとする—。

また本剤はオンライン診療では処方不可である—。

厚生労働省は4月28日に通知「ミフェプリストン及びミソプロストール製剤の使用にあたっての留意事項について(依頼)」を発出し、医療現場などにこうした点への注意を呼びかけました(厚労省サイトは こちら(通知)こちら(注意喚起サイト))。

下腹部痛、嘔吐、重度の子宮出血、感染症などの副作用リスクある点に留意を

経口の中絶薬「ミフェプリストン及びミソプロストール製剤」(販売名:メフィーゴパック)について、「子宮内妊娠が確認された妊娠63日(妊娠9週0日)以下の者に対する人工妊娠中絶」を効能・効果として製造販売承認がなされました。

ただし、我が国では「人工妊娠中絶は母体保護法指定医師のみが実施する」こと、有害事象(下腹部痛:30.0%、嘔吐20.8%、重度の子宮出血:0.8%、感染症:頻度不明)もあり「厳格な管理」が求められることから、本剤使用に当たっては次のような点に留意することを厚労省は強く求めています。

▽本剤の投与は、母体保護法指定医師の確認の下で行う

▽本剤の添付文書では「母体保護法指定医師は、緊急時に適切な対応が取れる体制(異常が認められた場合に本剤投与を受けた者からの連絡を常に受ける体制、他医療機関との連携も含めた緊急時の体制)の下で本剤を投与する」こととされている

▼本剤について適切な使用体制のあり方が確立されるまでの当分の間、「入院可能な有床施設(病院または有床診療所)」において使用する
▼ミソプロストール投与後は、胎嚢が排出されるまで「入院」または「院内待機」を必須とする

※「適切な使用体制のあり方が確立されるまでの当分の間」については、十分な調査研究を実施し、その中で適切な医療連携体制のあり方について評価を行い、その結果に基づき検討・判断する

▽本剤の承認に際し「本剤が母体保護法指定医師のみにより使用されるよう、関連団体等と連携して流通等の管理を実施することも含め、必要な措置を講じること」との条件が付されており、流通管理手順書等に「各都道府県医師会は、医薬品製造販売業者・医療機関から、毎月販売数量・使用数量その他必要な報告を受ける」こととされている

▼各都道府県医師会は、それらの整合性を適宜確認すること等により「母体保護法指定医師に対する必要な監督・指導」を行う(各地域の実情に合わせた運用を行うことは差し支えない)

▽妊娠4か月未満の死胎は「墓地、埋葬等に関する法律」の対象外であるが、人工妊娠中絶を経験した女性等の心情に配慮しながら、各医療機関で適切に取り扱ってほしい

▽母体保護法指定医師が、医学上適切な方法で本剤を使用する場合に、本剤による一連の人工妊娠中絶は「母体保護法第2条2項の『人工妊娠中絶』の定義に該当する。仮に、ミソプロストール投与前に胎嚢の排出が認められ、母体保護法指定医師がミソプロストールを投 与しないと判断する場合も母体保護法に基づく人工妊娠中絶が行われている」と解することができる

なお、厚労省は特設の注意喚起サイト)において、▼本剤はオンライン診療では処方されず、医療機関に来院する必要がある▼本剤により下腹部痛が現れる、異常な痛みが継続する場合には正所異所同時妊娠の可能性もあるため、処方医療機関に連絡する▼まれに重度の子宮出血が現れる、異常出血が 2時間以上続く場合には、速やかに処方医療機関に連絡する▼失神を伴う子宮出血が発現する可能性があり、自動車運転など「危険を伴う機械の操作」を行う場合には十分に注意する▼一定期間経過後にも「子宮内膜炎」などの感染症が現れることがあり、発熱、悪寒、倦怠感、腟からの異常な分泌物等の「感染症が疑われる症状」が認められた場合には、速やかに処方医療機関に連絡する—など、本剤使用者向けの留意事項も示しています。



診療報酬改定セミナー2024MW_GHC_logo

【関連記事】

医療従事者の教育課程・院内研修において「性と生殖に関する健康と権利」に関する事項を充実せよ—日本医療政策機構