手足口病の増加を踏まえ厚労省が「感染予防を注意喚起するリーフレット」作成、手洗い・排泄物処理適正化などが重要
2024.8.6.(火)
手足口病は、通常3-7日で治癒するが、稀に重篤な合併症を伴うこともあり、「感染予防」が重要となる—。
「手洗い」「タオル共用を避ける」「排泄物の適切な処理」などが、「感染予防」に非常に重要である—。
「高熱が2日以上つづく」「嘔吐する」「視線が合わない」「息苦しそう」「水分がとれにずにおしっこがでない」などの場合には、重症化のおそれもあるため、医療機関受診を検討してほしい—。
厚生労働省は8月1日に、こうした手足口病への感染対策を啓発するリーフレットを公表しました。例えば「医療機関等の窓口に準備し、患者・家族に配布するなどし、感染予防に努めてもらう」といった取り組みに期待が集まります(厚労省サイトはこちら)。
手足口病は、子どもを中心に「手足などに水疱を伴う複数の発疹」が出る感染症で、主に夏に流行します。
感染から3-5日後に、口の中、手のひら、足底や足背(足の甲)などに2、3mmの水疱を伴う複数の発疹が出ます。患者の約3分の1で発熱が見られますが、38度以下のことが多く高熱が続くことは通常はありません。通常は3-7日で治癒します。
しかし、まれに▼髄膜炎▼小脳失調症▼脳炎—といった中枢神経系の合併症、▼心筋炎▼神経原性肺水腫▼急性弛緩性麻痺—などの重篤な合併症を伴うことがあります(EV71というウイルスに感染すると合併症発生率が高くなる)。また、手足口病の典型的な症状(発疹等)が見られずに重症化することもあります。
●厚労省の手足口病に関する情報提供サイトはこちら
今夏(2024年夏)には、例年にない手足口病の増加がみられ「予防、感染対策」が極めて重要となり、厚労省は注意喚起のためのリーフレットを作成・公表しました。
まず、感染防止のためには、▼流水や石鹸による手洗いを行う▼タオルの共有を避ける▼排泄物を適切に処理する—ことが極めて重要なことを強調。
あわせて、次のような基本的知識を整理しています。
【手足口病は「夏」を中心に毎年発生する】
→患者は2歳以下が半数を占めるが、小学生でも流行的発生がみられる
【主な感染経路は飛沫感染、接触感染、糞口感染である】
→乳幼児が集団生活する保育所や幼稚園などで特に注意が必要
【特別な治療法はなく、症状に応じた対症療法を行う】
【稀に重症化することがあり、児に次のような症状がある場合には医療機関受診を検討してほしい】
→高熱が2日以上つづく
→嘔吐する
→頭を痛がる
→視線が合わない
→呼びかけに応えない
→呼吸がはやく、息苦しそう
→水分がとれにずにおしっこがでない
→ぐったりとしている