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熱中症による救急搬送患者が8月5-8月11日に8672名、重症者・死亡者も稀ではない点に留意を—総務省消防庁

2024.8.21.(水)

本年(2024年)8月5日-8月11日における熱中症での救急搬送状者は、全国で8672名。猛暑が続く中で、依然として高い水準で推移している—。

搬送車の59.8%を「65歳以上の高齢者」が占め、入院不要な軽症者が多くを占めるものの、死亡者(0.2%・16名)・重症者(3週間以上の入院、2.2%・189名)も稀ではない点に最大限の留意が必要である—。

総務省消防庁がこのほど発表した「全国の熱中症による救急搬送状況 令和6年8月5日-8月11日(速報値)」から、こういった状況が明らかになりました(総務省消防庁のサイトはこちら、総務省消防庁の熱中症情報サイトはこちら)。

本年(2024年)8月5-11日の熱中症による救急搬送の状況

猛暑が長引く中、熱中症予防の必要性がさらに高まる

総務省消防庁では毎週、全国の熱中症による救急搬送状況を集計・公表しています(総務省消防庁サイトはこちら)。

先頃発表された、直近(本年(2024年)8月5日-8月11日)の状況を見ると、全国で8672名が搬送されたことが分かりました。前年同期(2023年8月5日―8月11日)の8693人にと同程度となっています(前年同期比21人・0.2%の微減)。今夏(2024年夏)に入り、依然、きわめて高い水準で推移しています(関連記事はこちらこちらこちら)。猛暑は今後も続く(例年より長く続くとも指摘される)とみられ、「今後、さらに熱中症予防に注意する必要性が増す」と言えるでしょう。

本年(2024年)8月5-11日の熱中症による救急搬送者数は、前年同期と同程度の水準である

熱中症救急搬送患者数は依然として高い水準で推移している



直近(本年(2024年)8月5日-8月11日)の熱中症による救急搬送者を年齢区分別に見ると、▼65歳以上の高齢者:59.8%▼18-64歳の成人:32.7%▼7-17歳の少年:7.0%▼生後28日-6歳の乳幼児:0.5%▼生後28日未満の乳児:0.0%(0人)—となっています。「18-64歳の成人」で搬送割合が高まっており、「高齢者だけの問題ではない」点に改めて注意する必要があります。



また、初診時における傷病の程度別にみると、▼軽症(入院は必要なし):63.1%▼中等症(入院、軽症・重症以外):33.2%▼重症(3週間以上の入院が必要):2.2%▼死亡:0.2%—となっています。「重症、死亡」者が稀ではない点にも最大限の留意が必要です。

なお、軽症とは「入院の必要はない」というものですが、「医学的に軽微な症状である」ことを必ずしも意味しない点にも注意すべきでしょう。



発生場所を見ると、▼住居:40.6%▼道路:19.2%—が多くを占めており、「住居で熱中症になる」ケースが増加している点が気になります。高齢者の中には「電気代がかかる、人工的な風が不快である」などの理由でエアコンの使用を控える方もおられます。また、一般に高齢になると「暑さを感じにくくなる」ため、高温や自身の体調変化(脱水など)に気づかない方も少なくありません。家族や近隣居住者などの地域コミュニティを活用しながら、「高齢者がエアコンを使用せず、熱中症になっていないか」を気遣うような環境整備も重要です(厚労省・経済産業省・環境省によるパンフレット「高齢者のための熱中症対策」)。


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