熱中症による救急搬送患者が7月29-8月4日に1万2272名、重症者・死亡者の数・割合が増加している点に留意—総務省消防庁
2024.8.9.(金)
本年(2024年)7月29日-8月4日における熱中症での救急搬送状者は、全国で1万2272名。今夏(2024年夏)に入り、非常に高い水準で推移している—。
搬送車の60.3%を「65歳以上の高齢者」が占め、入院不要な軽症者が多くを占める、死亡者(0.2%、21名)・重症者(3週間以上の入院、3.1%、386名)が増加している点に最大限の留意が必要である—。
総務省消防庁がこのほど発表した「全国の熱中症による救急搬送状況 令和6年7月29日-8月4日(速報値)」から、こういった状況が明らかになりました(総務省消防庁のサイトはこちら、総務省消防庁の熱中症情報サイトはこちら)。
連日の猛暑の中、熱中症予防の必要性がさらに高まる
総務省消防庁では毎週、全国の熱中症による救急搬送状況を集計・公表しています(総務省消防庁サイトはこちら)。
このほど発表された、直近(本年(2024年)7月29日-8月4日)の状況を見ると、全国で1万2272名が搬送されたことが分かりました。前年同期(2023年7月29日―8月4日)の1万1284人に比べるとて988人・8.8%の増加となりました。今夏(2024年夏)に入り、きわめて高い水準で推移しています(関連記事はこちらとこちら)。猛暑は今後も続く(例年より長く続くとも指摘される)とみられ、「今後、さらに熱中症予防に注意する必要性が増す」と言えます。
直近(本年(2024年)7月29日-8月4日)の熱中症による救急搬送者を年齢区分別に見ると、▼65歳以上の高齢者:60.3%▼18-64歳の成人:30.9%▼7-17歳の少年:8.4%▼生後28日-6歳の乳幼児:0.4%▼生後28日未満の乳児:0.0%(1人)—となっています。高齢者の搬送割合が高まっている点に留意が必要です。
また、初診時における傷病の程度別にみると、▼軽症(入院は必要なし):62.0%▼中等症(入院、軽症・重症以外):33.5%▼重症(3週間以上の入院が必要):3.1%▼死亡:0.2%—となっています。「重症、死亡」者の数・割合ともに高まっている点に最大限留意する必要があります。
なお、軽症とは「入院の必要はない」というものですが、「医学的に軽微な症状である」ことを必ずしも意味しない点にも留意が必要です。
発生場所を見ると、▼住居:41.6%▼道路:18.6%—が多くを占め、「住居で熱中症になる」ケースが増加している点が気になります。高齢者の中には「電気代がかかる、人工的な風が不快である」などの理由でエアコンの使用を控える方もおられます。また、一般に高齢になると「暑さを感じにくくなる」ため、高温や自身の体調変化(脱水など)に気づかない方も少なくありません。家族や近隣居住者などの地域コミュニティを活用しながら、「高齢者がエアコンを使用せず、熱中症になっていないか」を気遣うような環境整備も重要です(厚労省・経済産業省・環境省によるパンフレット「高齢者のための熱中症対策」)。
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