熱中症による救急搬送患者が7月15-21日に9078名、7月に入り高い水準で推移しており水分補給・暑さ避けるなど予防徹底を—総務省消防庁
2024.7.25.(木)
本年(2024年)7月15日-21日における熱中症での救急搬送状者は、全国で9078名。7月に入り、非常に高い水準で推移している—。
搬送車の55.7%を「65歳以上の高齢者」が占め、入院不要な軽症者が7割弱を占めるものの、死亡者(0.1%、6名)・重症者(3週間以上の入院、1.7%、157名)も稀でない点に留意が必要である—。
総務省消防庁がこのほど発表した「全国の熱中症による救急搬送状況 令和6年7月15日-7月21日(速報値)」から、こういった状況が明らかになりました(総務省消防庁のサイトはこちら、総務省消防庁の熱中症情報サイトはこちら)。
猛暑が続く中、熱中症予防の必要性増す
総務省消防庁では毎週、全国の熱中症による救急搬送状況を集計・公表しています(総務省消防庁サイトはこちら)。
このほど発表された、直近(本年(2024年)7月15日-21日)の状況を見ると、全国で9078名が搬送されたことが分かりました。前年同期(2023年7月15日―21日)の1万232人に比べるとて1154人・11.3%の減少となっているものの、7月に入り、きわめて高い水準で推移していることに疑いはありません。(関連記事はこちら)。猛暑は今後も続くとみられ、「今後、さらに熱中症予防に注意する必要性が増す」と言えます。
直近(本年(2024年)7月15日-21日)の熱中症による救急搬送者を年齢区分別に見ると、▼65歳以上の高齢者:5.7%▼18-64歳の成人:34.6%▼7-17歳の少年:9.1%▼生後28日-6歳の乳幼児:0.6%▼生後28日未満の乳児:0.0%(ゼロ人)—となっています。
広い年代の人が、熱中症に罹患して救急搬送されており、国民全員が熱中症に注意しなければならないことを再確認できます。
また、初診時における傷病の程度別にみると、▼軽症(入院は必要なし):68.1%▼中等症(入院、軽症・重症以外):28.8%▼重症(3週間以上の入院が必要):1.7%▼死亡:0.1%—となっています。
なお、軽症とは「入院の必要はない」というものですが、「医学的に軽微な症状である」ことを必ずしも意味しない点に留意が必要です。
発生場所を見ると、▼住居:37.2%▼道路:18.3%—が多くを占めています。高齢者の中には「電気代がかかる、人工的な風が不快である」などの理由でエアコンの使用を控える方もおられます。また、一般に高齢になると「暑さを感じにくくなる」ため、高温や自身の体調変化(脱水など)に気づかない方も少なくありません。家族や近隣居住者などの地域コミュニティを活用しながら、「高齢者がエアコンを使用せず、熱中症になっていないか」を気遣うような環境整備も重要です(厚労省・経済産業省・環境省によるパンフレット「高齢者のための熱中症対策」)。
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