K009【皮膚剥削術】の算定ルール、J003-4【多血小板血漿処置】の施設基準ルールを10月1日から一部見直し—厚労省
2024.10.2.(水)
K009【皮膚剥削術】を保険診療で行う場合の点数算定ルール、J003-4【多血小板血漿処置】を取得するための施設基準ルールについて一部見直しを行う—。
厚生労働省は9月30日に通知「『診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について』等の一部改正について」を発出し、こうした点を明確にしました。10月1日から適用されています。
K009【皮膚剥削術】、白斑治療のための自家培養表皮移植の前処置で行う場合のルール明示
今回、改正が行われたのは、2024年度診療報酬改定に関する次の5本の通知です。
(1)診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(3月5日付、保医発0305第4号)
(2)特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(3月5日付、保医発0305第6号)
(3)特定保険医療材料の材料価格算定に関する留意事項について(3月5日付、保医発0305第8号)
(4)特定診療報酬算定医療機器の定義等について(3月5日付、保医発0305第11号)
(5)特定保険医療材料の定義について(3月5日付、保医発0305第12号)
本稿では(1)と(2)の見直しに注目します。
まず(1)の「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」は、診療報酬点数を算定する際の細かなルール(どういった医療行為を行えば点数算定ができるのか、どういった診療ガイドラインに従わなければならないのか、どの点数と併算定が可能なのか)などを規定する通知です。
今般、手術点数であるK009【皮膚剥削術】(▼25平方cm未満:1810点▼25平方cm以上100平方cm未満:4370点▼100平方cm以上200平方cm未満:9610点▼200平方cm以上:1万3640点—)について、次のような見直しを行いました。
●「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項」(Gem Med編集部で一部改変)
K009【皮膚剥削術】
▽皮膚剥削術(グラインダーで皮膚を剥削する手術)は、▼小腫瘍▼丘疹性疾患▼外傷性異物—の場合に算定する(従前から変更なし)
▽(新)非外科的治療が無効、または適応とならない白斑の治療を目的とした自家培養表皮移植の前処置として行う際には、▼グラインダー▼炭酸ガスレーザ▼超音波手術器▼エルビウム・ヤグレーザ▼水圧式ナイフ—などで剥削した場合に算定できる
▽単なる美容を目的とした場合は保険給付の対象とならない(従前から変更なし)
また、(2)の「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」は、医学管理や手術、処置、在宅医療、リハビリ、検査などの特掲診療料を算定するベースとして、「どのような人員体制、どのような設備整備などをしている必要があるか」などを定める通知です。
今般、「第56の2の4」、つまりJ003-4【多血小板血漿処置】(4190点)の施設基準について、次のような見直しを行っています。
●「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(Gem Med編集部で一部改変)
第56の2の4 多血小板血漿処置
1 多血小板血漿処置の施設基準
(1)形成外科、血管外科または皮膚科を標榜している保険医療機関である
(2)形成外科、血管外科または皮膚科の常勤医師が2名以上配置されており、うち1名以上は当該診療科について5年以上の経験を有している
(3)常勤の薬剤師または臨床工学技士が1名以上配置されている。また臨床検査技師が配置されていることが望ましい。
(4)当該処置の実施に当たり、「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」第3条に規定する「再生医療等提供基準」を遵守している
(新)ただし、「自己多血小板血漿ゲルを用いた創傷治癒の促進に用いるものとして薬事承認を得ている医療機器」を用いて実施した場合を除く
(5) 関係学会等から示されている指針に基づき、当該処置を適切に実施している
2 届出に関する事項(従前どおり)
(1) 多血小板血漿処置に係る届出は別添2の様式48の7を用いる
(2)「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」第3条に規定する「再生医療等提供基準」を遵守していることを証する文書として、地方厚生(支)局で受理された再生医療等提供計画の写しを添付する