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「高コレステロール」状態の成人女性割合が依然高止まり、2023年には23.1%、つまり「4人に1人」近い―厚労省

2024.11.27.(水)

成人男性の16.8%、成人女性の8.9%で「糖尿病」が強く疑われる。とりわけ高齢になると「糖尿病が強く疑われる人」の割合は高くなり、70歳以上では、男性の4人に1人超、女性の7人に1人弱で、糖尿病が強く疑われる—。

また「高コレステロール」状態の成人女性割合は依然高止まりし、2023年には23.1%、つまり4人に1人近くが高コレステロール状態である—。

厚生労働省が11月25日に公表した2023年の「国民健康・栄養調査」結果から、こうした状況が明らかになりました(厚労省のサイトはこちら)。

70歳以上では、男性の4人に1人、女性の7人に1人で「糖尿病」が強く疑われる

「国民健康・栄養調査」は、健康増進法に基づいて国民の▼身体の状況▼栄養素の摂取量▼生活習慣の状況―などを明らかにするもので、国民の総合的な健康増進を図るための基礎資料となります。Gem Medでは、(1)糖尿病(2)血圧(3)血中コレステロール―の状況に注目しました。

まず(1)の糖尿病の状況を見てみましょう。

現在、ヘモグロビンA1c(NGSP)値が6.5%以上の場合、「糖尿病が強く疑われる人」に該当します(2011年まではヘモグロビンA1c(JDS)値が6.1%以上であった)。

この「糖尿病が強く疑われる人」の割合は、男性(20歳以上、以下同)で16.8%(前年調査に比べて1.3ポイント低下、高齢化の影響を除去すると11.4%で前年から0.5ポイント低下)、女性(20歳以上、以下同)で8.9%(同0.2ポイント低下、同じく6.4%で同0.1ポイント上昇)となりました。前年に比べて減少が目立ちますが、厚労省は「この10年間で見ると、有意な増減は見られない」とコメントしています。

糖尿病が強く疑われる者の割合の推移(2023年国民健康・栄養調査1 241125)



年齢階層別に見ると、男女ともに「年齢が上がるにつれ、『糖尿病が強く疑われる』人の割合が高まる」傾向は同じです。男性では70歳を過ぎると4人に1人超で、女性では同じく70歳を過ぎると7人に1人超で、「糖尿病が強く疑われる」状況となっています。若年世代からの生活習慣の改善、適切な検査、治療の継続が重要です(60歳代では改善がみられている)。

糖尿病が強く疑われる者の年齢階級別割合(2023年国民健康・栄養調査2 241125)

高血圧の成人は男女ともに減少傾向

血圧について、高齢化の影響を除去した年齢調整後の「収縮期(最高)血圧の平均」を見てみると、2019年には▼男性:126.7mmHg(前年から0.3mmHg減)▼女性で120.4mmHg(同0.3mmHg上昇)—となりました。健康日本21(第2次)では、最高血圧の平均値について、「男性では134mmHg、女性では129mmHgに抑える」という目標値を掲げており、男女ともに目標値をクリアできています。

最高血圧平均の推移(2023年国民健康・栄養調査3 241125)



また、最高血圧が140mmHg以上の人の割合は、年齢調整前には▼男性で27.5%(前年から1.4ポイント減)▼女性で22.5%(同1.4ポイント増)—、年齢調整(高齢化の影響を除去した)後には▼男性で19.3%(同0.9ポイント減)▼女性で15.5%(同1.0ポイント増)—となっています。過去10年の状況を全体で眺めてみると「減少傾向」にあるといえ、好ましい状況が伺えます。

最高血圧140mmHG以上の者の割合推移(2023年国民健康・栄養調査4 241125)

成人女性の4人に1人近く(23.1%)が高コレステロール状態

さらに血清総コレステロールを見てみましょう。

健康日本21(第2次)では、脂質異常症の減少を目指し「血清総コレステロールが240mg/dL以上の人の割合を、男性で10%、女性で17%に抑える」という目標値を掲げています。この点、2023年には▼男性:10.1%(前年から2.3ポイント減)▼女性:23.1%(前年から1.7ポイント減)—となっており、目標値クリアが困難な状況です。厚労省では「男女とも過去10年間で優位な増減は認められない」とコメントしています。

血清総コレステロール値が240mg/dL以上の者の割合の年次推移(2023年国民健康・栄養調査5 241125)



高齢化の影響を除去しても、コレステロール値の高い人の割合が増加しており、「女性の脂質異常症対策」が今後の重要課題の1つとなるでしょう。

血清総コレステロール値が高くなると、▼動脈硬化▼心筋梗塞▼脳梗塞―などの循環器疾患リスクが高まります。「成人女性の2割超、4人に1人程度が高コレステロール状態である」という状況に早急に何らかの手を打つ必要があります。

【参考】血清non HDLコレステロール値の推移(2023年国民健康・栄養調査6 241125)



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