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GemMed塾 病院ダッシュボードχ 病床機能報告

「森を見て木を見る」が経営を改善する分析の基本、GHC病院経営データ分析塾(1)

2017.5.29.(月)

 グローバルヘルスコンサルティング・ジャパン(GHC)は5月26日、「病院ダッシュボードで学ぶ、GHC病院経営データ分析塾~DPC基礎編~」を開催しました(申し込みページはこちら)。

 本会は、病院の経営課題を知る分析の基礎を学ぶための勉強会(全6回)の初回。「DPC基礎編」をテーマに、GHCアソシエイトマネジャーの八木保がDPC制度の基礎を解説するとともに、次世代型経営支援ツール「病院ダッシュボード」を用いたワークショップなどを行いました。八木は「森を見てから木を見る」が経営改善につながる分析の基本であるとして、分析業務の進め方を示しました。

GHCの八木

GHCの八木

入職・異動間もない病院職員向け勉強会

 「病院ダッシュボードで学ぶ、GHC病院経営データ分析塾」は、入職・異動間もない医事課、経営企画(戦略室)、診療情報管理室、診療部門・技術部門で実際にデータを扱う病院職員に向けて、医療情報分析の基礎を学ぶための勉強会。約半年で、経営改善に欠かせない知識を身に付け、使えるデータ分析資料を作成できるようになることが目的です(開催予定は以下の通り)。7月開催の第4回まで席が埋まっており、一部の会では追加講演を行うなど、非常に注目度の高い会となっています。

【日程・テーマ】
<前半>
 5月26日(金)DPC基礎(満員御礼
 6月20日(火)看護必要度精度向上(満員御礼
 6月27日(火)DPC基礎 (満員御礼
 7月18日(火)パス改善(満員御礼
<後半>
 8月22日(火)チーム医療(加算算定率アップ)
 10月17日(火)集患
 12月19日(火)外来・手術室改善
  ※後半開催部分については、日程・内容・講師等が変更になる可能性がございます

 初回の「DPC基礎編」では、以下の5つ目的で開催し、八木の講演と参加者のワークショップを交えながら進めました。

  1. DPC制度の仕組みを理解する
  2. DPCデータ分析で重要な指標と、その意味を理解する
  3. ダッシュボードを使って自病院のDPCデータを分析する
  4. 自病院の良い点・課題を知る
  5. 他病院の取組みを知る

 講演で八木は、「なぜ分析が必要なのか?」(図表1)というスタートラインから解説し、病院の収益構造の全体像、DPC制度の仕組み、係数の基礎知識を確認した上で、絶対に知っておくべきDPC基本指標(図表2)、分析の基本手順(図表3)などを紹介しました。

図表1:問題解決のサイクル

図表1:問題解決のサイクル

図表2:これだけは覚えたいDPC基本指標

図表2:これだけは覚えたいDPC基本指標

図表3:分析手順のイメージ

図表3:分析手順のイメージ

 ワークショップでは、上記の講演内容の理解を深めるために用意されたもので、例えば、次のような質問に対して、少人数のグループワークを実施しました。

Q:あなたはDPC分析の結果、自病院の入院1日単価が低く、対出来高増減収金額がマイナスであることに気が付きました。その原因として考えられることは何ですか?できる限りたくさん、書き出してください。

 上記の質問に対して、貴院では「入院1日単価が低い」「対出来高増減収金額がマイナス」のそれぞれで、どのようなことが考えられますか。ぜひ、この機会に確認してみてください。

納得の改善提案は本質的な課題が示されている

 後半では、実際に「病院ダッシュボード」を活用して、自病院の経営課題を追及。参加病院それぞれが自病院のデータを用いて、操作方法と分析の切り口について学びました。

勉強会の風景

勉強会の風景

 病院ダッシュボードは、信号色のシグナルを軸に、視覚的にパッと見て「優秀」か「改善の余地あり」かが分かる次世代型経営支援ツール(図表4)。青、黄色、赤のシグナルで自病院の状況を瞬時に知ることができます。改善のポイントを探るため、分析に時間と労力を割くのではなく、改善活動に労力が割けることを目指しているためです。

図表4:「病院ダッシュボード」のTOP画面のイメージ

図表4:「病院ダッシュボード」のTOP画面のイメージ

 主要機能である「DPC分析」の「俯瞰マップ」で全体を俯瞰した上で、診療科別などに深掘り分析できるようになっており、図表3で示した分析手順の基本にそった作りになっています。

 参加者はワークショップを通じて、データをベースにそれぞれの病院の強みと弱みについて再確認。分析の基礎と課題確認の進め方を身に付けました。

 八木は「まず森を見て課題がある診療科について分析すると、大きな課題があるのは各科で症例数の多い3~5つの疾患であることが多い。そこから分析をブレイクダウンして枝葉を見ていくと、本質的な課題が見えてくる。ここまでいけば、課題の改善策は明確になり、その上で作成した改善提案資料は、誰が見ても分かりやすく、的を射ている提案になっていることがほとんど」として、講演を締めくくりました。

連載◆GHC病院経営データ分析塾
(1)「森を見て木を見る」が経営を改善する分析の基本
(2)看護必要度のデータ精度向上は、基本押さえ多職種連携で
(3)成功するパス改善8つのポイント
(4)失敗しない「集患戦略」に欠かせないシンプルな視点とは
(5)チーム医療(加算算定率アップ)を学ぶ(11月公開予定)
(6)外来・手術室の改善学ぶ(12月公開予定)

解説を担当したコンサルタント 八木 保(やぎ・たもつ)

yagi 株式会社グローバルヘルスコンサルティング・ジャパンのコンサルティング部門アソシエイトマネジャー。理学療法士、中小企業診断士。
名古屋大学医学部保健学科理学療法学専攻卒業。大手商社にてヘルスケア業界におけるマーケティング商品開発、中小企業のコンサルティングを経て、入社。リハビリの質と生産性向上、コスト削減、財務分析、DPC分析などを得意とする。多数の医療機関のコンサルティングを行うとともに、社内のCS向上チームや社外のCQI(Cancer Quality Initiative)研究会のサポートなどでも精力的に活動する(諏訪中央病院の事例紹介はこちら、津島市民病院の事例紹介はこちら)。
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