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奥歯を失うと、脳の老化が進む—長寿医療研究センター

2022.4.27.(水)

マウスを用いた研究によれば「奥歯(臼歯)の喪失が、脳の老化を進めてしまう」ことが明らかになった。口腔ケアが脳の健康維持に極めて重要である—。

国立長寿医療研究センターは4月22日、こういった研究成果を公表しました(センターのサイトはこちら)。

奥歯喪失後、行動能力などが低下するとともに、脳そのものの老化が認められる

従前より「歯の残存本数」と「認知機能の低下」との間に関係があることが報告されています。今般、長寿医療研究センターの山田匡恵・外来研究員、松下健二・口腔疾患研究部部長らの研究グループではマウスを用いた研究によりこの点をより明確にしています。

研究では、老齢のマウスから両側の第1臼歯(奥歯)を抜歯し、3か月後の認知行動や脳の変化を分析。そこから次のような状況が明らかになりました。

▽顕著に▼自発行動量▼空間作業記憶▼運動協調性—が低下した

▽脳の海馬(記憶に関連する部位)および視床下部(内臓や内分泌の働き、自律神経系などの調整を行う部位)における神経栄養因子や神経細胞が減少した

▽脳老化の特徴の1つである「アストロサイトの増加」(アストログリオーシス)が亢進した

臼歯喪失が脳に及ぼす影響(長寿医療研究センター 220422)



つまり、「奥歯を失うと、脳の老化が進んでしまう」ことが分かります。長寿医療研究センターでは「口腔ケアに留意し、自分の歯を健康に保ち続けることが脳の健康維持に重要である」と強調しています。



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