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原油・食材費等の高騰による「医療機関で食事提供困難」な事態にコロナ地方創生臨時交付金で対応を—厚労省

2022.6.14.(火)

新型コロナウイルス感染症の影響が長引き、原油価格や食材費などが高騰する中で、医療機関による食事提供が困難となる事態が生じている。この点、地方自治体の判断で「「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」を医療機関の窮状救済(食材費などの高騰に対する補助等)に充てることも可能である—。

厚生労働省は6月7日に事務連絡「令和4年度における新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の取扱い及びコロナ禍における『原油価格・物価高騰等総合緊急対策』について」を示し、こうした考えを明らかにしています。

新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の柔軟活用を

新型コロナウイルス感染症の長期化、あわせてウクライナ情勢や急激な円安の影響を受け「地域経済の停滞」や「物価等の高騰」が生じています。

政府はこうした事態に対応するために、地域経済や住民生活の支援等を通じた地方創生を目的とする「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」(以下、臨時交付金)」を創設。例えば、「物価高騰に伴う学校給食等に関する負担軽減」や「事業者に対する公共料金(電気・ガス・水道料金など)の補助」などに使用することが考えられています。

新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の活用が可能な事業(例)1

新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の活用が可能な事業(例)2



あわせて、政府の関係閣僚会議で「コロナ禍における『原油価格・物価高騰等総合緊急対策』」が取りまとめられています。

そこでは「コロナ禍において物価高騰等に直面する生活困窮者等への支援」として、▼地域の実情に応じ、これまで通りの栄養バランスや量を保った学校給食等が実施されるよう臨時交付金(上述)を拡充・活用し、コロナ禍において物価高騰等に直面する保護者の負担軽減に向けた自治体の取組みを強力に促し、必要な支援を迅速に行う▼自治体が、コロナ禍において原油価格や電気・ガス料金を含む物価高騰の影響を受けた生活者や事業者の負担軽減をきめ細やかに実施できるよう、臨時交付金を拡充し「コロナ禍における原油価格・物価高騰対応分」を創設する—などの方針が示されています。

本年(2022年)4月末には、この方針を受けて臨時交付金の拡充(「コロナ禍における原油価格・物価高騰対応分」の創設)が行われ、その活用可能事業として、上述と同様に「学校給食等の負担軽減」や「事業者に対する電気・ガス料金を含む公共料金補助」が挙げられています。

コロナ禍における「原油価格・物価高騰等総合緊急対策」



ところで医療現場にも「原油価格や食材費などの高騰」の影響が強く出ており、例えば「給食提供が困難になっている」「公共料金の引きあげが診療活動を困難にしている」などの事象が生じています(関連記事はこちらこちらこちら)。

そこで厚労省は今般、自治体や医療機関等に向けて、自治体の判断で、上記臨時交付金を「コロナ感染症の影響を受けている医療機関において、食材料費の値上げなど食事の提供にも影響する場合や光熱水費の高騰が生じている場合等にも活用する」ことが可能との考えを明確にしました。

自治体や地域医師会、地域病院団体などが連携・協議し、臨時交付金の活用方法を考えていくことが求められます。



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