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持分なし医療法人への移行促進、認定医療法人制度を10月から改正—厚労省

2017.8.28.(月)

 10月より、【持分なし医療法人】から【持分あり医療法人】への移行計画認定制度が改正(事実上の要件緩和)されます。しかし、相続放棄の期限が近づいているなどの理由で現行の認定制度を希望するケースもあると考えられ、その場合には認定期間を考慮し「9月8日」までに申請する必要がある—。

 厚生労働省は25日に、事務連絡「持分の定めのある医療法人から持分の定めのない医療法人へ移行する計画の認定を受けるための申請について」を行い、こういった点を周知しています(関連記事はこちら)。

認定要件を事実上緩和し、贈与税非課税対象も大幅に拡大

 医療法人の非営利性を確保するため、厚労省は「持分あり医療法人」から「持分なし医療法人」への移行を促しています。その一環として、「一定の要件を満たすと厚生労働大臣が認定した持分あり医療法人」(以下、認定医療法人)については、持分なし法人に移行した場合に相続税などを猶予する仕組みがあります。しかし、現在の仕組みは「2017年9月末で期限が切れる」ことや、一部の場合には贈与税が課税されてしまうという課題もあります。

後者について、少し詳しく見てみましょう。現在、認定医療法人として認定されるためには、▼社員総会の議決▼移行計画が有効かつ適正である▼移行計画期間が3年以内―という要件を満たすことが必要です。認定医療法人であれば、持分なし医療法人への移行期間(最大3年)において、▽出資者の相続に係る相続税を猶予・免除する▽出資者間のみなし贈与税を猶予・免除する―という税制上の特例措置を受けられます。しかし、認定医療法人となっても「相続税などが不当に減少する」場合には、医療法人に対して贈与税が課税されてしまうのです。

さらに、贈与税が課税されるか否かは税務当局の定める解釈通知で定められており、そこには「理事6名以上・監事2名以上」「役員における親族の割合が3分の1以下」「医療計画に医療機関名の記載がある」など厳しい要件が規定されています。

厚労省は、厳格な基準のために持分なし医療法人への移行が十分に進んでいない可能性もあると考え、この10月(2017年10月)から▼認定要件の緩和(▼贈与税非課税対象の大幅拡大―を柱とする改正制度(認定医療法人制度の改正)をスタートさせます(2020年9月まで)。

 認定医療法人の要件については、現在の、▼社員総会の議決▼移行計画が有効かつ適正である▼移行計画期間が3年以内―のほかに、▼法人関係者に利益供与しない▼役員報酬が不当に高額にならないように定めている▼社会保険診療報酬収入が全体の8割以上(自由診療が少ない)―ことなどが加わり、見かけ上「厳格化」とも思われます。

しかし、贈与税非課税となる要件において「役員数」などの達成が困難な項目を除外しており、この点から「事実上の緩和になっている」と見られます。

医業承継の際に相続税などの納付を猶予する特例について、一部見直しを行った上で適用期限を3年間延長する

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しかし、例えば、▼出資者が死亡し、持分なし法人に移行する際に相続放棄したいが、相続税の申告期限が近く、取り急ぎ現行認定制度での認定を希望する▼出資者が高齢で近く相続が発生すると予想されるが、新制度の認定要件を満たすには時間を要すると考えられ、現行制度で認定を受けた上で、新制度での再度申請を検討している—といたケースも考えられます。厚労省は、このように「現行の認定を希望する」医療法人に対し、「申請から認定までに3週間程度が必要であり、現行の認定を希望するは9月8日までに厚労省着(同日消印有効)で申請してほしい」と要望しています。

 
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