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訪問看護ステーションが看護師不足トップを独走、看護師の働き方改革が重要―日看協

2019.11.26.(火)

訪問看護ステーションは2016・17・18年度と看護師不足トップを独走している―。

「退職したい理由」としては年齢に関わらず「看護職の他の職場への興味」「勤務時間が長い・超過勤務が多い」などが多く、各事業所・施設での「働き方改革」が非常に重要である―。

日本看護協会が11月18日に公表した2018年度「ナースセンター登録データに基づく看護職の求職・求人に関する分析」結果から、こうした状況が明らかになりました(日看協のサイトはこちら)(2017年度の分析結果に関する記事はこちら、2016年度の分析結果に関する記事はこちらこちら)。

訪問看護ステーション、2016年度調査から連続して人で不足トップ

少子高齢化が進行し、病院における看護師不足が深刻化する中、2015年10月から改正「看護師等の人材確保の促進に関する法律」が施行され、都道府県ナースセンターの機能が強化されました。従前から実施している「無料職業紹介事業」に加え、「看護師等の資格を持ちながら結婚や出産などで退職した人の情報を踏まえた復職支援機能」などが付加されています。こうした機能強化により「医療機関等における看護師確保の重要ツール」として都道府県ナースセンターへの期待も高まっています。

日看協では、都道府県ナースセンターの登録状況などを踏まえて、2018年度における▼求人倍率▼求人、求職者の状況▼応募・就職の状況▼給与―などを分析しています。

まず2018年度の「都道府県ナースセンター」における求人数(医療機関からの募集数)は15万7087人、対して求職者数(仕事を探す看護師数)は6万7620人で、求人倍率は2.32倍となりました(前年度に比べ0.04ポイントの微減で、日看協は「同水準」と分析)。求人倍率は2014年度の2.79倍をピークに、緩やかな減少傾向にあります。

求人倍率等の推移(日看協1 191118)



施設種類別の求人倍率は、▼訪問看護ステーション:2.91倍(前年度から0.87ポイント低下)▼20-199床の病院:1.83倍(同0.72ポイント低下)▼200-499床の病院:1.41倍(同0.61ポイント低下)▼特別養護老人ホーム:1.20倍(同0.47ポイント低下)▼500床以上の病院:1.12倍(同0.60ポイント低下)―などで高く(つまり看護師が不足している)、逆に、▼助産所:0.03倍(同0.01ポイント上昇)▼都道府県・保健所:0.10倍(同0.06ポイント低下)▼在宅介護支援センター:0.10倍(同0.05ポイント低下)―などで低く(つまり看護師が充足している)なっています。

訪問看護ステーションは2016年度以降、「求人倍率の高い、つまり看護師不足のトップ」となっています。1事業所当たりの平均スタッフ数が6.7人のところ、「4.5人」もの求人があり、看護師不足感が高いことを再認識できます。

施設種類別の求人倍率(日看協2 191118)

新卒看護職への支援・深夜業の回数制限・勤務間インターバル制度の導入などが重要

次に求職者数について、年齢階級別の割合を2016年度・17年度・18年度の経年変化を見てみると、「30-49歳」では年々減少している一方で、「20歳代」と「50歳代以降」では増加傾向にあります。

とくに60歳以上の増加が著しく、▼2016年度:全体の9.0%→(0.9ポイント増)→▼17年度:同9.9%→(0.8ポイント増)→▼18年度:同10.7パーセント―という状況です。子育てを卒業した世代の有資格者が復職を希望しているケースも少なくないと考えられます。

求職者数の推移(日看協3 191118)



求職者の「退職理由」(実際に退職した理由)に目を移すと、次のように年齢階級によって異なることが再確認できます(上位3項目)。

▽24歳以下:▼自分の健康(主に精神的理由)▼自分の適性・能力への不安▼自分の健康(主に身体的理由)―

▽25-29歳:▼結婚▼転居▼妊娠・出産―

▽30-34歳:▼妊娠・出産▼結婚▼転居―

▽35-39歳:▼妊娠・出産▼結婚▼子育て―

▽40-44歳:▼結婚▼妊娠・出産▼子育て

▽45-49歳:▼結婚▼自分の健康(主に身体的理由)▼子育て―

▽50-54歳:▼親族の健康・介護▼結婚▼自分の健康(主に身体的理由)―

▽55-59歳:▼親族の健康・介護▼自分の健康(主に身体的理由)▼転居―

▽60歳以上:▼定年▼親族の健康・介護▼自分の健康(主に身体的理由)―

実際の退職理由(日看協4 191118)



一方で、「退職したい理由」を見ると、年齢階級によらず「看護職の他の職場への興味」「勤務時間が長い・超過勤務が多い」という声が上位にあがってきています。日看協では、とくに若手看護師の離職防止に向けて、「新卒看護職員に対する支援」「深夜業の回数の制限」「勤務間インターバル制度の導入」など、看護職の働き方改革に早急に取り組む必要性を訴えています。

退職したい理由(日看協5 191118)



さらに、「求職者が就職に際し重視する条件」を見てみると、全体では▼勤務時間(32.0%、前年度に比べて7.4ポイント上昇)▼給与(24.7%、同6.3ポイント上昇)▼看護内容(21.7%、同5.8ポイント上昇)▼通勤時間(21.6%、同5.2ポイント上昇)―などが上位にあがってきています。

また、希望職種別に重視する条件は次のように若干異なっていますが、日看協では「自身の生活と仕事を両立できる条件を意識していると推測される」と分析しています。求人を行う際には、こうした状況も踏まえて「条件設定」や「アピール方法」を考えることが重要と言えます。

▽「病院(200床以上)」のみ希望者:▼給与▼看護内容▼勤務時間▼休暇▼キャリアアップ―

▽「病院(20-199床)」のみ希望者:▼給与▼看護内容▼勤務時間▼休暇▼通勤時間―

▽「介護老人保健施設」のみ希望者:▼給与▼休暇―

▽「老人福祉施設(特養)」のみ希望者:▼通勤時間▼給与▼勤務時間―。

▽「訪問看護ステーション」のみ希望者:▼勤務時間▼給与▼看護内容―

求職者の重視する事項(日看協6 191118)

病院では20歳代と60歳以上、訪問看護STでは30歳代での就職率が高い

一方、「都道府県ナースセンターへの求人に応募した人が、実際に就職した割合」は16.2%(前年度に比べて1.7ポイント低下)、「都道府県ナースセンターから紹介を受けた人が、実際に就職した割合」は56.7%(同2.9ポイント低下)となりました。

また「求職者・応募者の就職率」を、年齢階級別に見ると施設種類によってやはり差のあることが分かります。

▽病院:24歳以下が飛び抜けて高く、年齢とともに下がるが、60歳代で再び増加する

▽診療所:年齢階級による差は小さい

▽介護保険施設・事業所:年齢階級による差は小さいが、60歳代でやや高い

▽訪問看護ステーション:30歳代で高い

日看協では、「病院では夜勤・交代制勤務をできる者の求人が多く、そうした働き方が可能な若年層の求職者が多く就職に至っている」と見ています。

施設種類別・年齢区分別の就職率(日看協7 191118)

 
 

 

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