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2021年の救急搬送件数等は前年に続き「コロナ禍前に比べ大幅減」、軽症患者の割合は減少傾向―総務省消防庁

2022.3.30.(水)

20121年中の救急自動車による救急出動件数・搬送人員数は、前年(2020年)に比べれば若干増加したが、新型コロナウイルス感染症の流行前である前々年(2021年)に比べれると大きく減少したままである―。

搬送された者の年齢区分を追いかけると「65歳以上高齢者」が増加を続け、また傷病の程度を追いかけると「外来診療で済む軽症者」は減少してきている。救急車の適正使用が進んでいる可能性が伺える—。

総務省消防庁が3月25日に発表した2021年の「救急出動件数等(速報値)」」から、こういった状況が明らかになりました(総務省消防庁のサイトはこちら)。

軽症者の割合がここ15年で大幅減、「適正使用」が進んでいるのか

まず2021年中の「救急自動車による救急出動件数」は619万3663件でした。

前年(2020年)に比べると26万386件・4.4%の増加となりましたが、コロナ感染症の影響が出る前の前々年(2019年)と比べると44万6088件・6.7%の減少となっています。

また、搬送された人員を見ると2021年は549万1469人で、前年(2020年)に比べて19万7639人・3.7%の増加となっていますが、前々年(2019年)と比べれば48万6443人・8.1%の減少となっています。

コロナ感染症の流行により、2020年・21年には▼外出の減少(例えば交通事故が減少)▼他者との接触の減少(例えば一般感染症の罹患減少)―などによりケガや病気が減少したことが件数減の背景にあると考えられます。

救急出動・救急搬送の人数推移(2021年救急出動件数(速報)1 220325)



次に、2021年中の「救急自動車による搬送人員」について年齢区分別の割合を見ると、▼65歳以上の高齢者:61.9%▼18-64歳の成人:31.1%▼7-17歳の少年:2.9%▼生後28日-6歳の乳幼児:3.8%▼生後27日までの新生児:0.2%―となっています。

5年ごとの推移をみると、65歳以上の高齢者の割合は▼2001年:38.5% →(6.6ポイント増)→ ▼2006年:45.1% →(6.9ポイント増)→ ▼2011年:52.0% →(5.2ポイント増)→▼2016年:57.2%増 →(4.7ポイント増)→ ▼2021年:61.9%—と増加しています。

救急搬送患者の年齢別割合の推移(2021年救急出動件数(速報)2 220325)



さらに、2021年中の「救急自動車による搬送人員」について傷病程度別に割合を見ると、▼外来診療で済む「軽症」:44.8%▼入院が必要な「中等症」:45.2%▼3週間以上の長期入院を要する「重症」:8.5%▼死亡:1.5%—という状況です。

5年ごとの推移をみると、「軽症」の割合は▼2001年:51.3% →(0.7ポイント増)→ ▼2006年:52.0% →(1.6ポイント減)→ ▼2011年:50.4% →(1.1ポイント減)→▼2016年:49.3%増 →(4.5ポイント減)→ ▼2021年:44.8%—と減少しています。2021年はコロナ感染症の影響が色濃く出ており、若干「眉に唾を付けて見る」必要があるかもしれませんが、「軽症者はここ15年の間に減少してきている」こと自体は間違いなさそうです。



徐々に「救急車使用の適正化」(軽症で119番をしない。#7119等にまず相談する)が進んでいる可能性が伺えます。今後の動向を注視していく必要があるでしょう。

救急搬送患者の傷病程度別割合の推移(2021年救急出動件数(速報)3 220325)



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