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診療報酬改定セミナー2024 2024年度版ぽんすけリリース

「統括的な役割を担う保健師」、すべての都道府県はもちろん、64.5%の市町村にも配置済―厚労省

2022.10.4.(火)

今年(2022年)5月1日時点の地方自治体における常勤保健師数は前年に比べて2.4%増加して3万8003人となり、また「統括的な役割を担う保健師」はすべての都道府県、64.5%の市町村に配置された―。

厚生労働省が9月30日に公表した2022年度の「保健師活動領域調査(領域調査)」の結果から、こういった状況が明らかになりました(厚労省のサイトはこちら)。

保健所設置市や特別区で「統括的な役割を担う保健師」配置進む、小規模市町村でも奮闘

厚労省は、毎年5月1日時点の自治体における保健師の配置・活動状況を調べ、公表しています(配置状況をみる「領域調査」は毎年度、活動状況をみる「活動調査」は3年度ごと)。2022年度は、両者の配置状況を調べていますが、今般は前者の「領域調査」結果が公表されています。

要介護度が高くなっても、住み慣れた地域での生活を維持できるよう、各地域の実情に応じた「地域包括ケアシステム」の構築が進められています。今年度(2022年度)から団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となりはじめ、2025年度には全員が後期高齢者となります。2025年度から2040年度にかけては、高齢者の増加ペース自体は鈍化する(高齢者の「数」は大きく増えていかない)ものの、支え手となる現役世代人口が急速に減少していくことが分かっており、「地域包括ケアシステム」の構築は、まさに喫緊の課題と言えます。

地域包括ケアシステムにおいては「在宅医療・介護サービスの提供」が重要なことに疑いはありませんが、健康維持や疾病・介護予防で大きな役割を果たす保健師への期待もますます高まっています。

今年(2022年)5月1日時点の保健師配置状況を見ると、次のようになっています。

(1)地方自治体における常勤保健師数の合計は、前年に比べて873人・2.4%増加し3万8031人(▼都道府県に5675人・14.9%▼市区町村に3万2328人・85.1%が在籍)

市町村の中でも、「特別区」「保健所設置市」における保健師配置が増加していますが、小規模な自治体では保健師確保に苦戦している(特別区など以外の市町村では前年から0.9%増にとどまっている)状況が伺えます。

自治体別の保健師状況(2022年度保健師活動領域調査1 220930)



(2)所属部門別に見ると、都道府県では▼本庁に973人・17.1%▼保健所に3717人・73.1%―、市区町村では▼本庁に1万1279人・34.9%▼保健所に4331人・13.4%▼市町村保健センターに1万1535人・35.7%―が所属している

従前より「健康増進や疾病予防に関する企画立案に保健師が積極的に関わっていく」ことが期待されており、本庁への更なる保健師配置増が待たれますが、今般の新型コロナウイルス感染症では「保健所に勤務する保健師」の役割の重要性が改めて注目されました。今後、自治体における「保健師」の確保・配属動向に注目が集まります。

所属部門別の保健師状況(2022年度保健師活動領域調査2 220930)



(3)統括的な役割を担う保健師は、都道府県ではすべて(47自治体・100.0%)、市区町村では1123自治体・64.5%に配置されている
 
「統括的な役割を担う保健師」とは、「保健師の保健活動を組織横断的に総合調整および推進し、技術および専門的側面から指導する役割を担う保健師」のことです。住民生活に最も身近な基礎自治体である市町村のうち、6割強に「統括的な役割を担う保健師」が配置されています。前年度調査(市町村への統括的な役割を担う保健師配置は61.4%)に比べて3.1ポイント増加しています。今後の地域包括ケアシステム構築や、健康寿命の延伸などに向けて、さらに「統括的な役割を担う保健師」の配置が進むことに期待が集まります。

統括保健師の状況(1)(2022年度保健師活動領域調査3 220930)



自治体の種類別に見ると、保健所設置市では87.4%(前年度に比べて1.2ポイント増)、特別区では73.9%(前年度に比べて4.3ポイント増)、その他市町村では63.2%(同3.2ポイント増)となっています。小規模な自治体でも「統括的役割を果たす保健師」の確保に力を入れていることが伺えますが、さらなる推進に期待が集まります。

統括保健師の状況(2)(2022年度保健師活動領域調査4 220930)



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