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現役世代の多くは「医療・介護保険料負担が重い」と感じ、OTC類似薬・軽症治療の保険からの除外などを容認する声も—健保連

2022.11.21.(月)

20-74歳(現役世代)の7割近くが「医療保険の保険料・税負担が重い・非常に重い」と感じている。今後「給付の削減」「保険料負担の増加」が必要と考えている人がそれぞれ4-5割程度おり、具体的な給付削減方策として「OTC類似薬の保険適用除外」「軽症治療の保険適用除外」などをあげる声が多い—。

また介護保険についても同様に「負担が重い」と感じており、「軽度者サービスの見直し」「ケアマネジメントへの自己負担導入」などを求める声が多い—。

かかりつけ医を持つ者は2割強にとどまるが、「事前に登録したかかりつけ医の紹介を受けてから、専門医療機関を受診する」仕組みの導入には肯定的な声が3-4割と多い—。

健康保険組合連合会が11月16日に公表した「医療・介護に関する国民意識調査」結果(速報版)から、こうした状況が明らかになりました(健保連のサイトはこちら)。

OTC類似薬、軽症治療などを医療保険から除外してはどうか

健康保険組合(健保組合)は、主に大企業の会社員とその家族が加入する公的医療保険です。健保組合の連合組織である健保連は、本年(2022年)7月に全国の3000名(20-74歳、男性49.4%・女性50.6%)を対象としてアンケート調査を実施。そこでは▼医療・介護に関する負担▼かかりつけ医▼病院の再編・統合▼オンライン診療▼リフィル処方箋▼医療の電子化・オンライン化▼終末期の医師決定—などに関する考え方・意識を聞いています。順にポイントを絞って眺めてみましょう。

「医療・介護に関する負担」について、まず自身の健康保険料負担(平均で1人月額1万6300円)については67.8%が「非常に重い」(31.6%)、「重い」(37.0%)と考えています。

医療保険料について(健保連「医療・介護に関する国民意識調査」1 221116)



医療保険改革論議においては、「現役世代の負担は限界に来ており、高齢者にも応分の負担を求める」方向で議論が進められています(関連記事はこちら)。この点については、「現役世代が高齢者世代を支えている負担の重さを考えると、少子高齢化が進む中で高齢者世代の負担が重くなることはやむを得ない」との考えが42.3%、「高齢者世代の負担増を求めることは難しく、今後も現役世代の負担が重くなることはやむを得ない」との考えが19.5%、「分からない」が38.2%となりました。年齢階級別に見ると「20代」「30代」といった若い世代、「70代」で「高齢者の負担増やむなし」という声がやや多くなっています。「自分自身の負担増は困る、他者に負担をお願いしたい」と考える者が多いことから「当然の結果」と言えますが、「今、高齢者の負担増を求めれば、将来の自分自身の負担増になる」点をも十分に認識しなければなりません。

現役世代と高齢者の負担の在り方について(健保連「医療・介護に関する国民意識調査」2 221116)



また、今後の医療保険負担について、「給付を絞るべき」との声が46.8%、「負担増はやむを得ない」との声が44.7%を占めています。

介護保険の負担と給付について(健保連「医療・介護に関する国民意識調査」3 221116)



「給付を絞るべき」の具体的な内容としては▼OTC薬(一般用薬)と同成分医薬品の 保険からの適用除外▼程度の軽い傷病による受診時の患者負担増・保険の適用除外—などに賛同する声が多いようです。ただし、これらで「医療保険財政が大きく改善するわけではない」点への十分な説明が必要でしょう。



なお、介護保険についても「同様の傾向」(介護保険料負担が重い・非常に重いと6割の人が感じ、給付削減と保険料増容認の声がそれぞれ4割強ある)で、具体的な給付削減策としては▼要介護度の軽い人に対する介護サービスの給付の見直し▼ケアマネジメントへの 利用者負担の導入▼在宅との公平性の観点からの介護施設における室料への保険の適用除外—などが挙げられています。

かかりつけ医持つ者は全体の24.2%、年齢上がるほど保有率も高くなる

「かかりつけ医」については、20-74歳の全体では、何か体調に不具合があった時に、いつも相談する医師がいる」人は24.2%にとどまっていますが、年齢が上がるつれて増加していきます(70代では38.0%)。

かかりつけ医について(健保連「医療・介護に関する国民意識調査」4 221116)



また一部で提案されている「原則として、事前登録した診療所医師を経て、専門医療機関を受診する」仕組みの導入については、42.3%が「全く不安を感じない、それほど不安を感じない」と回答しており、「やや不安を感じる、非常に不安を感じる」(15.5%)を大きく上回っています。年齢による差は大きくありません。

登録かかりつ医から専門医療機関紹介を受ける仕組みについて(健保連「医療・介護に関する国民意識調査」5 221116)

病院の再編・統合に肯定的な声が3-4割あるが、1割強の否定的な声も

新型コロナウイルス感染症への対応において、我が国の医療提供体制には「病院が乱立し、医療従事者が散在してしまっているために、重度者・重症患者に十分に対応できない」という大きな問題点があることが如実となりました。このため「病院の再編・統合」を進める必要があると指摘されています。

この点については、▼統合された病院の機能が充実するのであれば、病院の再編・統合に賛成である▼人口減少により医療需要が減っている場合は、病院の再編・統合はやむを得ない▼医療従事者の確保が難しい場合は、病院の再編・統合はやむを得ない—といった肯定的意見が3-4割程度を占めています。ただし、「税金の投入や国民の負担を増やしてでも、病院の再編・統合はすべきでない」との声も1割強あります。



病院の再編・統合は「機能強化、医療の質向上」を目指すものですが、「アクセスに支障が出る可能性がある」というデメリットもあります。地域によって人口構造や密度、医療資源の状況は千差万別であり、単純に「統合・再編をすべきか否か」という議論を行うことはナンセンスです。地域ごとに「医療の質とアクセスの双方を考慮し、医療提供体制をどう整備していくか」を考えていく必要があります。

「マイナンバーカードの保険証利用」よりも「スマホへの保険証機能搭載」を求める声大

また普及・促進を望む「医療の電子化・オンライン化」策としては、▼スマートフォンや携帯電話がお薬手帳として利用できる(20.9%)▼より良い医療や災害時対応のために、自分自身の同意で「1つの医療機関で受けた治療内容を、オンラインを通じて他医療機関などでも共有できる(19.3%)▼スマートフォンにマイナンバーカード機能が搭載され、 保険証として利用できる(17.3%)▼マイナンバーカードが保険証として利用できる(16.9%)—などが上がっています。国民は「マイナンバーカードの保険証利用」よりも「スマートフォンへの保険証搭載」を希望しているようです。

医療の電子化について(健保連「医療・介護に関する国民意識調査」6 221116)



このほか、▼オンライン診療について肯定的意見が否定的意見を上回るが、実際の利用は低調である▼リフィル処方箋を受け通院の頻度を減らしたい者が62.3%にのぼる▼家族が受ける終末期の医療内容については「他の家族・親族」へ相談する者が67.0%、「終末期本人」に相談する者が31.9%に上るが、13.3%が誰にも相談していない—ことなども分かりました。

リフィル処方箋について(健保連「医療・介護に関する国民意識調査」7 221116)



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