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診療報酬改定セミナー2024 新制度シミュレーションリリース

地域の病院が『病院群』を形成し、協力しあっていくことが極めて重要—日病・相澤会長

2023.3.27.(月)

3月25日に日本病院会の2022年度社員総会が開かれ、来年度(2023年度)の予算や事業計画などが了承されました。数多くの学会(9月:仙台での日本病院学会など)・セミナー(8月:東京での病院長・幹部職員セミナーなど)・研修(病院中堅職員育成研修など)が対面およびオンラインが開催されるなど、「コロナ禍を脱し、日常を取り戻しつつある」状況が伺えます。

総会冒頭に挨拶に立った相澤孝夫会長は「新型コロナウイルス感染症は、ようやく落ち着いてきたかに見える。専門家では『今後も増減を繰り返しながら、終息に向かっていく』と予想しているが、実際にその通りに動くのかはまだ分からない」と指摘。

この点、政府は「現下のオミクロン株の毒性などに鑑みて、私権制限に見合う生命・健康への重大な影響はない」と判断し「5月8日から5類感染症に移行する」ことを決定(関連記事はこちら)。併せて「医療提供体制」「病床確保料」「診療報酬の臨時特例」「医療費の公費負担」などについて、段階的に見直していく方針を決定しています(関連記事はこちら(全体)こちら(診療報酬)こちら(病床確保料))。

5類移行後のイメージ



ただし相澤会長は「5類移行後の医療体制をどうするのか、まだまだ不確定な部分がある」「行政よりも『病院任せ』の部分が少なくない」と心配したうえで「しっかりと大切なものを守っていくことが重要である」と訴えました。コロナ感染症への医療はもちろん、コロナ以外の一般医療提供を十分に確保して地域住民の生命・健康を守るとともに、「病院で働くスタッフの健康・生活を維持する」こと、その前提となる「病院の安定経営」を守ることが非常に重要になってくると考えられます。



さらに、医療政策全般について相澤会長は「ものすごい勢いで、矢継ぎ早に変化しており、頭の整理すら難しい状況だ。しかし、厚生労働省と話しをすると『厚労省内でもまとまっていないのではないか』と感じるほど大変な状況である」と評したうえで、「日本病院会では、我が国の医療のあるべき姿・幹をしっかりと持ち、我が国の病院医療を守っていかなければならない」と強調しました。

「昨今の医療政策の中には、首相官邸主導の『思い付き』と言わざるを得ないものもある」と厳しく指摘する識者は少なくありません。「一見、何の関係もないA政策とX政策が実は深いところでつながっており、Aを動かせばXに大きな悪影響がでてしまう」といったことは珍しくありません。政策を動かす際には「これを動かせば、どこに影響が出るのか」などをさまざま研究・検討し、総合的な視点で「慎重に検討する」ことが必要となります。国民の生命・健康を守る施策ゆえ、その要請は極めて強いのです。しかし、こうした点を十分に理解せず、「改革」の名の下に強引に政策を動かしてしまっている事例が少なくありません。

相澤会長の発言の裏には、こうした点への厳しい批判の意味あると感じられます。



最後に相澤会長は「地域の病院が『病院群』を形成し、協力しあっていくことが極めて重要である」とも強調しています。

3月25日の日本病院会・2022年度社員総会で挨拶した相澤孝夫会長



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