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人口10万人当たり医師数最多の滋賀と最小の埼玉で1.83倍の格差、「外科医の減少」止まらず―医師・歯科医師・薬剤師統計

2025.12.26.(金)

2024年12月31日現在、我が国の医療施設に勤務する医師数は33万1092人で、人口10万人当たりに換算すると267.4人となり、2年前に比べて5.3人増加している—。

ただし、依然として「都道府県間の格差が大きい」(人口10万人当たり医師数が最多の滋賀県と、最小の埼玉県の間には1.83倍の格差)こと、診療科別にみると「外科医の減少」が続いていることなどの大きな課題がある―。

厚生労働省が12月23日に公表した2024年の「医師・歯科医師・薬剤師統計」の概況から、このような状況が明らかになりました(厚労省のサイトはこちら(概況資料)、詳細な政府統計データはこちら(統計表、データをダウンロード可))。

医師の95.2%が医療施設に従事、人口10万人当たり267.4人に増加

医師・歯科医師・薬剤師統計は、名称どおり医師・歯科医師・薬剤師の数や勤務状況などを調べるものです(2年前の2022年統計の記事はこちら、2020年統計の記事はこちら、2018年統計の記事はこちら、16年統計の記事はこちら、2014年統計の記事はこちら)。

今後の医師養成数設定や医師偏在対策などにおいて、きわめて重要な基礎資料になります(関連記事はこちらこちら)。

本稿では医師に焦点を合わせて2024年の統計概況を眺めてみます。



まず、2024年12月31日時点の医師数を見ると34万7772人で、2年前(2022年12月31日)に比べて4497人・1.3%増加しました。また、人口10万人当たりの医師数は280.9人で、2年前に比べ6.2人増加しています。「2020年→22年→24年」と、若干、医師数増の伸びが鈍化しているようです。

医師数の推移(2024年三師調査1 251223)



医師の中で「医療施設に従事」している人は33万1092人(2年前に比べて3648人・1.1%増加)で、全体の95.2%(同0.2ポイント減)を占めています。人口10万人当たりでは267.4人で、2年前に比べて5.3人・2.0%増加しています。

医療施設以外では、▼介護老人保健施設に
3337人(2年前に比べて39人・1.2%増)で全体の1.0%(同増減なし)▼行政機関や教育機関などに9403人(同222人・2.4%減)で全体の2.7%(同増減なし)―などが従事しています。

施設・業態別の医師数(2024年三師調査2 251223)

病院従事医は2年前に比べて0.3ポイント減少

医療施設に従事する医師を、少し詳しく見てみましょう。

まず病院に従事する医師は21万9393人(2年前に比べて703人・0.3%減)で、医師全体の63.1%(同1.0ポイント減)となりました。細かく見ると、▼大学病院(医育機関附属病院)勤務:5万8280人(病院従事医の26.6%、2年前と比べて0.5ポイント減)▼一般病院(医育機関附属病院を除く)の開設者等:4942人(同2.3%、同0.1ポイント減)▼一般病院の勤務者:15万6171人(同71.2%、同0.6ポイント増)―となっています。

また、クリニックに勤務する医師は11万1699人で、2年前に比べて4351人・4.1%の増加となりました。

年次推移をみると、一般病院の勤務医で増加割合が若干高いことが伺えます。

施設種類別医師数の推移(2024年三師調査3 251223)



また医療施設ごとに「医師の平均年齢」を見ると、一般病院では47.9歳(2年前に比べて2.5歳上昇)、診療所60.1歳(同0.3歳低下)、大学病院39.7歳(同0.1歳上昇)となっています。

さらに、施設ごとに「どの年代の医師が多く働いているのか」を見ると、▼一般病院では30歳代:22.6%・40歳代:20.6%が多い(30,40代で半数近い)▼診療所では60歳代:28.5%、50歳代:24.3%、70歳以上:23.8%が多い(50-60代で8割近い)▼大学病院では30歳代が41.4%―という状況です。この傾向は2年前と大きく変わっていません。

施設種類別・年齢別医師数(2024年三師調査4 251223)

医師全体、病院従事医のいずれにおいても「外科」の減少がなお続いている

次に、医療施設に従事する医師が、どの診療科(主たるもの)に従事しているのか(臨床研修医は除く)を見ると、最も多いのは内科で
6万2161人(2年前調査に比べて1012人・1.7%増、医療施設に従事する医師に占めるシェア18.8%で0.1ポイント上昇)、次いで整形外科:2万2630人(同124人・0.6%増、シェア6.8%で同0.1ポイント低下)、小児科:1万8009人(同228人・1.3%増、シェア5.4%で同増減なし0.2ポイント低下)などで多くなっています。

また、産婦人科は1万1188人(同148人・1.3%減、シェア3.4%で同0.1ポイント低下)、産科は502人(同43人・9.4%増、シェア0.2%で同増減なし)、婦人科は2218人(同223人・11.2%増、シェア0.7%で同0.1ポイント上昇)という状況です。

なお外科医師は1万2341人(同434人・3.4%減、シェア3.7%で同0.2ポイント低下)となり、減少が続いています。外科医増に向けた総合的な対策に期待が集まります(関連記事は
こちらこちらこちらこちら)。



また、病院従事医(大学病院・一般病院)に限定すると、最も多いのは内科で2万1865人2万2242人(同377人・1.7%減、病院従事医に占めるシェア10.0%で2年前から0.1ポイント低下)、次いで整形外科1万4659人(同84人・0.6%増、シェア6.7%で同0.1ポイント上昇)、精神科1万2364人
(同19人・0.2%増、シェア5.6%で同増減なし)、消化器内科(胃腸内科)1万2216人(同12人・0.1%増、シェア5.6%で同0.1ポイント上昇)などが多くなっています(臨床研修医1万7919人を除く)。

また、病院に従事する外科医は1万101人(同341人・3.3%減、シェア4.6%で同0.2ポイント低下)となり、病院でも「外科医の減少」が進行し続けている点が懸念されます。

外科医師数の推移(2024年三師調査5 251223)

人口当たり医師数、大都市と西日本で多い状況変わらず

都道府県別に、医療施設に従事する医師の状況(従事地、人口10万人当たり)を見ると、最も多いのは徳島県345.4、次いで長崎県333.8、京都府 333.2などで多い状況です。

逆に少ないのは埼玉県189.1、茨城県198.1、千葉県213.3などです。

大都市と西日本で多い傾向は変わっておらず、最多の滋賀県と最少の埼玉県の格差は1.83倍です(2年前から0.07ポイント縮小)。大都市では人口が多く、当然患者数も多くなるためですが、さらに「研修医を受け入れる大学病院や大規模病院」が集中していることなども関係してきます。

都道府県別の人口10万対医師数(医療施設従事医師)(2024年三師調査6 251223)



医療提供体制には様々な課題がありますが、その1つに「医師偏在」があります。本統計結果が重要な基礎資料となり、今後の「偏在解消」に向けた議論が進むことに期待が集まります(関連記事は こちらこちら)。



病院ダッシュボードχ ZEROMW_GHC_logo

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