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2018年末、人口10万人当たり医師数は258.8人、総合内科専門医の大幅増続く―医師・歯科医師・薬剤師調査

2019.12.23.(月)

2018年12月31日現在、我が国の医療施設に勤務する医師数は31万1963人で、人口10万人当たりに換算すると246.7人だが、依然として都道府県間の格差は大きい。専門医資格をみると「総合内科専門医」の増加が続き、病院では外科専門医がトップの座を明け渡した―。

厚生労働省が12月19日に厚生労働省が公表した2018年の「医師・歯科医師・薬剤師調査」の結果から、このような状況が明らかになりました(厚労省のサイトはこちら)。

医師の95.3%が医療施設に従事、人口10万人当たり246.7人

医師・歯科医師・薬剤師調査は、名称どおり医師・歯科医師・薬剤師の数や勤務状況などを調べるもので、現在は2年に1度実施されています(2年前の2016年調査の記事はこちら、4年前の2014年調査の記事はこちら)。今後の医師養成数設定や、現在、各都道府県で作成が進められている「医師確保計画」(医師偏在対策)の重要な基礎資料になります(関連記事はこちらこちらこちら)。本稿では医師に焦点を合わせて2018年の調査結果を眺めてみます。

まず、2018年12月31日時点の医師数を見ると32万7210人で、2年前(2016年12月31日)に比べて7730人・2.4%増加しました。また、人口10万人当たりの医師数は258.8人で、2年前に比べ7.1人増加しています。

医師数の経年変化(2018年三師調査1 191219)



医師の中で「医療施設に従事」している人は31万1963人(2年前に比べて7204人・2.4%増加)で、全体の95.3%(同0.1ポイント減少)を占めています。人口10万人当たりでは246.7人で、2年前に比べて6.6人・2.7%増加しています。

このほか、「介護老人保健施設の従事者」が3388人(同42人・1.3%増)で全体の1.0%(同増減なし)、「医療施設・介護老人保健施設以外の従事者」(例えば行政機関や教育機関など)は9331人(同274人・3.0%増)で、全体の2.9%(同0.1ポイント増)を占めています。

業態別の医師数等(2018年三師調査2 191219)

医育機関以外の病院に47%、医育機関附属病院に18%が勤務

医療施設に従事する医師のうち、病院(医育機関附属病院を除く)に勤務する医師は14万6508人(同4542人・3.2%増)で、医療施設に従事する医師の47.0%(同1.3ポイント減)を占めています。また、診療所に勤務する医師は10万3836人(同1379人・1.3%増)で同じく33.2%(同0.4ポイント減)、医育機関附属病院に勤務する医師は5万6436人(同1249人・2.3%増)で18.1%(同増減なし)を占めています。

施設別の医師数の経年変化(2018年三師調査3 191219)



施設ごとに医師の平均年齢を見てみると、病院(医育機関以外)では47.0歳(同0.3歳上昇)、診療所60.0歳(同0.4歳上昇)、医育機関附属病院39.0歳(同0.2歳上昇)となっています。また施設ごとに、どの年代の医師が多く働いているのかを見ると、▼病院(医育機関以外)では30歳代と40歳代が24%弱で同程度▼診療所では50歳代と60歳代が3割弱で同程度▼医育機関附属病院では30歳代が43%弱―という状況です。

施設別・年齢階級別の医師数(2018年三師調査4 191219)

病院に勤務する医師の診療科、外科で減少が目立ち、トップは消化器内科に

次に、医療施設に従事する医師が、どの診療科(主たるもの)に従事しているのかを見ると、最も多いのは内科で6万403人(前回調査に比べて452人・0.7%減、医療施設に従事する医師に占めるシェア19.4%)、次いで整形外科2万1883人(同590人・2.8%増、同シェア同7.0%)、小児科1万7321人(同384人・2.3%増、同シェア5.6%)などで多くなっています。

また、産婦人科は1万778人(同76人・0.7%増、同シェア3.5%)、産科は554人(同9人・1.8%増、同シェア0.2%)、婦人科は1944人(同139人・7.7%増、同シェア0.6%)という状況です。また外科医師は1万3751人(同672人・4.7%減、同シェア4.4%)となり、4年前・2年前から大幅に減少しています。

小児科・産科・外科の医師数の経験変化(2018年三師調査6 191219)



病院に勤務する医師に限定すると、最も多いのは内科で2万1520人2万1981人(同461人・2.1%減、病院に従事する医師に占めるシェア10.3%)、次いで整形外科1万3980人(同483人・3.6%増、同シェア6.7%)、精神科1万1886人(同139人・1.2%増、同シェア5.7%)、消化器内科(胃腸内科)1万1349人(同502人・4.6%増、同シェア5.5%)、外科1万889人(同404人・3.6%減、同5.2%)などが多くなっています(臨床研修医1万7308人を除く)。外科医の減少が進み、消化器内科(胃腸内科)医と順位が逆転している点が非常に危惧されます。

主たる診療科別・施設別の医師数(2018年三師調査5 191219)

総合診療内科専門医、病院では外科専門医を抜き、シェアトップに

また広告可能な専門医資格を見ると、総合内科専門医が最も多く2万9158人(同6636人・29.5%増、医療施設に従事する医師に占めるシェア9.3%)、外科専門医2万1907人(同739人・3.5%増、同シェア7.0%)、消化器病専門医1万9054人(同1240人・7.0%増、同シェア6.1%)という状況です。総合内科専門医の大幅増や消化器病専門医の増加が目立ちます。

病院に従事する医師では、総合内科専門医2万876人(同5363人・34.6%増、病院に従事する医師に占めるシェア10.0%)、外科専門医が1万8927人(同610人・3.3%増、同シェア9.1%)、消化器病専門医1万2793人(同860人・7.2%増、同シェア6.1%)が多くなっており、総合内科専門医の大幅増により、外科専門医がシェアトップの座を明け渡しました。

専門資格別の医師数(2018年三師調査7 191219)

人口当たり医師数、大都市と西日本で多い状況変わらず

都道府県別に、医療施設に従事する医師の状況(従事地、人口10万人当たり)を見ると、徳島県が最も多く329.5人(前回調査に比べて13.6人増)、次いで京都府323.3人(同8.4人増)、高知県316.9人(同10.9人増)で多い状況です。

逆に少ないのは埼玉県の169.8人(同9.7人増)、茨城県県187.5人(同7.1人増)、千葉県194.1(同4.2人増)などです。

大都市と西日本で多い傾向は変わっておらず、最多の徳島県と最少の埼玉県の格差は1.94倍です(2年前より0.03ポイント縮小)。大都市では人口が多く、当然患者数も多くなるためですが、さらに「研修医を受け入れる大学病院や大規模病院」が集中していることも関係してきます。

都道府県別の人口10万対医師数(2018年三師調査8 191219)



また、小児科(主たる診療科)の医師数を都道府県別に見ると、最多は鳥取県の181.7人(前回調査に比べて7.7人増)、最少は茨城県の83.4人(同4.7人増)で、両者の格差は2.2倍(同増減なし)となっています。

さらに産婦人科・産科(主たる診療科)の医師数を都道府県別に見ると、最多は鳥取県の64.0(前回調査に比べて2.8人増)、最少は埼玉県の30.3人(同1.4人増)で、両者の格差は2.1倍(同増減なし)です。



なお、新たな医師偏在対策(各都道府県が作成する「医師確保計画」に基づいて進められる)では、「人口10万対医師数」に地域住民の年齢構成や地域医師の年齢構成などを加味した「新たな医師偏在指標」をベースに、医師の「多い、少ない」を判断しています。

「医師の働き方改革」や「地域医療構想」の動き(関連記事は こちらこちらこちら)によって、医師の勤務地や勤務先がどのように変化するのか、今後の調査結果に注目が集まります。

 

 

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【関連記事】

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