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地域医療構想調整会議、本音で語り合うことは難しい、まずはアドバイザーに期待―地域医療構想ワーキング(2)

2018.7.23.(月)

 地域医療構想調整会議では、メンバー間で本音を言いあうことが難しく、議論の活性化に向けた方策が求められる。そのために、例えば「地域医療構想アドバイザー」を養成し、議論のファシリテート役を担ってもらったり、都道府県が事前に具体的な論点整理をしておくことなどをまず進めてはどうか―。

 7月20日に開催された地域医療構想ワーキンググループ(「医療計画の見直し等に関する検討会」の下部組織、以下、ワーキング)では、こういった地域医療構想調整会議の議論活性化に向けた方策の検討が続いています。

7月20日に開催された、「第15回 地域医療構想に関するワーキンググループ」

7月20日に開催された、「第15回 地域医療構想に関するワーキンググループ」

 

地域医療構想アドバイザー、7月27日までに都道府県から厚労省へ推薦を

医療提供体制の再構築に向けて、地域医療構想の実現が急務とされています。例えば、骨太の方針2017(経済財政運営と改革の基本方針2017―人材への投資を通じた生産性向上―)では、「個別の病院名・病床数を掲げ、機能転換に向けた具体的対応方針を速やかに策定するため、2017・18年度の2年間程度で集中的な検討を促進する」などの指示が出されています。

地域医療構想の実現に向けては、なんといっても地域医療構想調整会議(以下、調整会議)で関係者が集い、データを踏まえて率直な議論を行い、納得の上で各医療機関が自主的に機能分化を目指すことが求められます。このためには、「活発かつ率直な議論」が各調整会議で行われることが必要で、ワーキングでは次のような方策によって調整会議の議論活性化を狙ってはどうかといった議論が進められています(関連記事はこちらこちら)。

(1)都道府県単位の調整会議を設定する
(2)都道府県主催の研修会を設ける
(3)学識者を「地域医療構想アドバイザー」とし、調整会議を支援してもらう

 このうち(1)は、各調整会議(主に2次医療圏単位)の議論の足並みを揃えるために、調整会議の全議長が参画する「都道府県単位」の調整会議を設置するよう努めてほしいといった内容です。

 また(2)は、各都道府県においても、厚労省の研修会・勉強会のような会を主催し、地域の関係者の知識・スキルの向上を狙うものです。

 さらに(3)は、各都道府県において「地元大学医学部の公衆衛生学研究者」などを地域医療構想アドバイザーとして推薦し、厚労省による知識・スキルの水準を高める研修を経た上で、各調整会議の議論を支援することなどを期待するものです。

  
 厚労省は、これらに関連して7月20日のワーキングに、各区域における▼個別医療機関ごとの具体的な対応方針の協議に関する状況(個別医療機関の人員配置や病床機能の状況など)▼基本情報(人口動態、高齢化率、ベッド数、病床利用率、患者の流出入の状況など)▼公立・公的医療機関の状況(再編統合の協議事例も含む)—などを整理した膨大な資料を提示。「2017年における地域の現状」と「2025年における地域の状況予測」を一目で把握し、かつ個別医療機関の状況を詳しく見ることが可能です。

◆厚労省のサイト(以下)から「構想悔いの公立・公的病院等を中心とした機能分化・連携の状況」に関する資料をダウンロードできます。
その1(北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県)
その2(群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県)
その3(岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県)
その4(和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県)
その5(熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県)

 
  
また、この日は、調整会議の議論が芳しくない沖縄県から状況報告も行われました。沖縄県では、地域医療構想の策定が昨年(2017年)3月に行われ、その後1年間は、関係者への構想内容の周知期間となり、公立病院・公的病院等に関する議論がまだ始まっていません。

沖縄県では、調整会議での議論について「本音を言いにくい」点があると説明。今後、活発化に向けて、公立・公的等の個別医療機関からヒアリングを行い、医療機関の抱える課題などを事前に確認し、協議の素材とする考えなどを示しました。

この点、「本音を言いにくい」状況は、どの構想区域でも同様と考えられます(患者の紹介逆紹介などを行う中では、連携先病院の将来像に疑問を持っても、言いにくいのが実際でしょう)。一方、例えば佐賀県などでは、非常に活発に調整会議の議論が進んでおり、厚労省医政局地域医療計画課の担当者は「県の担当者が、医療関係者と顔の見える関係を構築するとともに、データ等をもとに詳細に、事前に論点整理を行っている結果ではないか」と分析します。たしかに、「ざっくりとした」データ等を提示された場合、構想会議のメンバーは、どこから議論すればよいのか分からないことになりかねません。上述のデータなども活用した、事前準備が不可欠です。

もっともワーキングの岡留健一郎構成員(日本病院会副会長)は、「本音を言いにくい状況は、各地域でこの先も続く。なんとか良いアイデアを出さなければ、おざなりな会議で終わってしまうとこも少なくない」と危機感を述べ、皆で知恵を出し合っていくことが重要と指摘しています。

 
ここで、調整会議の議論活性化の鍵を握ると考えられているのが、(3)の地域医療構想アドバイザーです。例えば、「言いにくい」ことなども手伝い、議論が停滞した場合、アドバイザーが口火を切ったり、メンバーに話を振ったりするなど、いわば、会議のファシリテーターとして機能することが期待されるのです。

各都道府県では7月27日までに、アドバイザーの推薦書を厚労省に提出することが求められます(多数の調整会議を1人のアドバイザーで担当することは難しく、複数人の推薦が待たれている)。義務ではありませんが、調整会議の活性化に向けて多くのアドバイザーが誕生することが期待されます。この点、中川俊男構成員(日本医師会副会長)は、「都道府県医師会の事務局や、都道府県の保健医療担当部局員もアドバイザーとして推薦すべき。医師に限るべきではない。地域の実情と地域医療構想をきちんと理解している人材が求められる」と指摘し、多様な人材の参画に期待を寄せました。
 
 

 

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