Generic selectors
Exact matches only
Search in title
Search in content
Post Type Selectors
260122ミニセミナー診療報酬改定セミナー2026

新たな地域医療構想、「病床削減や病院統廃合」ではなく「持続可能な地域医療提供体制の構築」が最重要目標—日病・相澤会長

2026.1.21.(水)

新地域医療構想策定ガイドライン論議が進んでいるが、そこでは「病床削減」や「病院の統廃合」が重視されているきらいがある。しかし、本質は「持続可能な地域医療提供体制の構築」であり、「●床のベッド削減」などが数値目標になってはいけない―。

日本病院会の常任理事会においてこうした点が確認されたことが、1月14日に定例記者会見に臨んだ相澤孝夫会長から報告されました。「地域医療構想策定ガイドラインに向けた日病の意見」を早々に取りまとめ、2月の早い段階で政府関係者や関係審議会・検討会に提言を行う見込みです。

地域医療構想調整会議に「地域の病院の診療実績データ」などを十分に提示せよ

2040年頃を目指した「地域医療構想の実現」が、医療提供体制における重要なテーマとなっています。

「地域医療構想の実現」は、「地域の医療ニーズ」と「地域の医療資源」(病床、医療従事者、設備など)とを過不足なくマッチさせることを意味します。その際、「地域の医療ニーズ」を表現したものが【地域医療構想】、「地域の医療資源」を表現したものが【病床機能報告】となります。地域の協議の場(地域医療構想調整会議など)で関係者が膝を突き合わせて、【地域医療構想】(医療ニーズ)と【病床機能報告】(医療資源)との調和をどう図っていくかを議論し、合意のうえで「病院・病床の機能転換」や「規模の最適化」などを進めていくことが求められます。

現在、「2040年をゴールとする新たな地域医療構想の策定ガイドラン」論議が進められていますが、日病幹部の間では例えば次のような考えでガイドラインを進めるべきとの考えが確認されています。

▽「日常的な医療の在り方」「地域密着型病院が担う高齢者救急、地域急性期医療の在り方」「在宅医療、医療・介護連携の在り方」「かかりつけ医機能を担う病院の役割」などの整理がまだ十分に行われていない

▽医療ニーズが減少局面にあり、医療人材が慢性的な不足に陥っている中で、地域医療は大きな転換点を迎えており、「地域の実情を踏まえ、持続可能な形で地域医療提供体制を再構築する」方向性をガイドラインで示す必要がある

▽具体的には「急性期拠点病院の在り方」「手術の集約と均てん化の在り方」「医療ニーズと医療資源に関する認識の共有」「基準病床数と必要病床数の考え方整理」「地域医療構想区域と2次医療圏に関する考え方の整理」「病床機能と医療機関機能との関係の整理」「看護師をはじめとする人材確保の考え方」「地域医療構想調整会議の強化」「今後の医療提供体制の基本的方向性」などを明確にしていく必要がある

▽地域医療構想では「病院の統廃合」を目的とするのではなく、「地域で医療提供体制を持続可能なもの」とすることが本質である

▽地域医療構想調整会議では「データに基づく実効性のある議論」を行うよう活性化し、地域全体を見据えた判断を行う体制づくりも必要となる



さらに日病幹部の間では、▼日常的医療の在り方、地域密着型病院の機能、高齢者救急とはそもそも何か、在宅医療や医療介護連携などに関する議論が、「地域医療構想及び医療計画等に関する検討会」では不足している▼基準病床数(医療計画)と必要病床数(地域医療構想)とでは考え方が異なり、どちらを念頭において考えるべきか地域の医療機関が困っている▼「限られた医療資源の中で、質を担保しながら、どう地域医療提供体制を継続していくか」という視点での医療提供体制の再構築論議をしなければならない▼急性期拠点に病院について「救急搬送受け入れ件数、全身麻酔手術件数、地域での患者シェア率」といった数字だけではなく、地域の実情を考慮しながら、さまざまな指標・視点で評価・選定していくことが必要である▼大都市と地方とでは医療資源やアクセスに大きな違いがある点を踏まえた議論が必要である。地方では「地域全体を1つのメディカルセンターと捉える」ことも必要である▼地域医療構想調整会議の議論が形骸化しており、また政治(地方自治体の長や地方議会)が決定内容などを歪めることもある。会議の権限などを明確化すべき▼地域医療構想調整会議には、地域医療機関のデータ(症例、治療内容、予後など)が十分に示されない。客観的なデータを踏まえた議論が必須である―などの意見も出ているようです。

相澤会長は「膨大な意見が出ているが、ガイドライン策定論議に間に合うように、2月早々にも意見を取りまとめ、日病としての考え方を政府に示す」考えを明確にしています。



病院ダッシュボードχ ZEROMW_GHC_logo

【関連記事】

高齢者急性期の「5割を急性期、5割を包括期で対応する」と見込んで必要病床数を推計—地域医療構想・医療計画検討会(1)
急性期拠点病院、地域での協議時間を考慮し「遅くとも2028年までに決定」としてはどうか—地域医療構想・医療計画検討会(1)
「急性期拠点」病院、高度手術や救急対応に加え「5疾病6事業や災害対応、新興感染症の初期対応」など求める—地域医療構想・医療計画検討会
新たな地域医療構想、在院日数の短縮や病床機能分化等の改革モデルを織り込み、実態に近い必要病床数を設定—地域医療構想・医療計画検討会
新地域医療構想の実現に向け、「病床機能報告」と「診療報酬」との紐づけをどこまで強化・厳格化していくべきか―社保審・医療部会(1)
【急性期拠点機能】は「人口20-30万人ごとに1か所」へ集約、患者の医療アクセスへの配慮も重要視点—地域医療構想・医療計画検討会
【急性期拠点機能】病院、救急搬送・全身麻酔等の診療実績や体制、さらに「病院の築年数」等も勘案して設定—地域医療構想・医療計画検討会
新たな地域医療構想の【急性期拠点機能】等の目安、大都市・地方都市・人口少数地域などに分けて設定しては—地域医療構想・医療計画検討会

「新たな地域医療構想」実現に向けた取り組みを円滑に進めるため、「ガイドライン作成論議」などを始める—社保審・医療部会

骨太方針2025を閣議決定、医療・介護の関係予算について「人件費・物価高騰」や「病院経営安定」などを勘案した増額行う
2027年4月の新地域医療構想スタートまでに「病院病床11万床」(一般・療養5万6000床、精神5万3000床)を削減—自民・公明・維新

新たな地域医療構想・医師偏在対策・医療DX・オンライン診療法制化など「医療提供体制の総合改革」案とりまとめ—社保審・医療部会
NDBやDPC等の利用しやすい「仮名化情報」を研究者等に提供、優れた医薬品開発や医療政策研究につなげる—社保審・医療部会(2)
認定医療法人制度を2029年末まで延長、一般社団法人立医療機関にも「都道府県への財務諸表届け出」など義務化—社保審・医療部会(1)
新地域医療構想で「急性期拠点機能の集約化」方向で進めるべきだが、「待てない領域」等にも配慮した丁寧な議論を—社保審・医療部会
電子カルテ情報共有サービス、地域医療支援病院・特定機能病院・2次救急病院等に導入の努力義務を課す—社保審・医療部会(2)
医療法に「オンライン診療」を実施・受診する場などの規定を明示、適切なオンライン診療を推進する環境整える—社保審・医療部会(1)
新たな地域医療構想論議、「現行の考え方を延長する部分」と「新たな考え方を組み込む部分」を区分けして進めよ—社保審・医療部会(2)
医師偏在対策の総合パッケージ策定に向け、「インセンティブ」と「規制的手法」との組み合わせを検討—社保審・医療部会(1)

医師偏在対策を大筋で了承、「医師少数区域等で勤務する」医師の手当て増額を行う経費の一部を保険者にも拠出求める—新地域医療構想検討会
規制的手法も含めた医師偏在対策、地域医療構想実現に向けた知事権限強化、2025年度薬価改定」(薬価の引き下げ)などを実施せよ―財政審
医師偏在是正に向け「外科医の給与増」・「総合診療能力を持つ医師」養成・「広域連携型の医師臨床研修」制度化等が重要—医師偏在対策等検討会
医師偏在対策に向けた経済的インセンティブの財源、一部を医療保険料に求めることに賛否両論—社保審・医療保険部会(1)
「医師確保の必要性が高い地域」医療機関に勤務する医師の手当増額、そこへ医師を派遣する医療機関等への支援など検討—新地域医療構想検討会
急性期病院の集約化・重点化、「病院経営の維持、医療の質の確保」等に加え「医師の診療科偏在の是正」も期待できる—医師偏在対策等検討会
医師偏在是正に向けた「規制的手法」に賛否両論、外来医師多数区域での新規開業をより強く制限すべきか—新地域医療構想検討会(1)
医師偏在是正に向け、「医師多数県の医学部定員減→医師少数県へ振り替え」「総合診療能力を持つ医師養成」など進めよ—医師偏在対策等検討会
「医療保険制度での医師偏在対策」論議スタート、「保険料を保険給付『以外』に支弁する」ことに異論も—社保審・医療保険部会
医師偏在対策の総合パッケージ策定に向け、「インセンティブ」と「規制的手法」との組み合わせを検討—社保審・医療部会(1)

厚労省が「近未来健康活躍社会戦略」を公表、医師偏在対策、医療・介護DX、後発品企業再編などを強力に推進

新地域医療構想の内容が大筋でまとまる!「急性期拠点病院の集約化」を診療内容・施設数の両面で進める—新地域医療構想検討会
新地域医療構想、「急性期拠点病院の集約化」「回復期病棟からsub acuteにも対応する包括期病棟への改組」など行う—新地域医療構想検討会
石破内閣が総合経済対策を閣議決定、医療機関の経営状況急変に対する支援、医療・介護DX支援なども実施
「病院経営の厳しさ」がより明確に、医業・経常「赤字」病院の増加が著しく、個々の病院が抱える赤字も拡大―日病・全日病・医法協

新地域医療構想で「急性期拠点機能の集約化」方向で進めるべきだが、「待てない領域」等にも配慮した丁寧な議論を—社保審・医療部会
新地域医療構想では「外来・在宅医療、医療・介護連携」も射程に、データに基づく外来・在宅医療体制等整備を—新地域医療構想検討会(2)
新地域医療構想で報告する病院機能、高齢者救急等/在宅医療連携/急性期拠点/専門等/医育・広域診療等としてはどうか—新地域医療構想検討会(1)
急性期病院の集約化・重点化、「病院経営の維持、医療の質の確保」等に加え「医師の診療科偏在の是正」も期待できる—医師偏在対策等検討会

新たな地域医療構想でも「かかりつけ医機能を持つ医療機関」と「将来受診重点医療機関」との連携など重視—新地域医療構想検討会(3)
大学病院本院が「医師派遣・養成、3次救急等の広域医療」総合提供の役割担うが、急性期基幹病院にも一定の役割期待—新地域医療構想検討会(2)
新たな地域医療構想、病院機能を【急性期病院】と報告できる病院を医療内容や病院数等で絞り込み、集約化促す—新地域医療構想検討会(1)

新たな地域医療構想、「病院機能の明確化」「実態にマッチした構想区域の設定」「病院経営の支援」など盛り込め—日病提言
新たな地域医療構想では、「回復期」機能にpost acute機能だけでなくsub acute機能も含むことを明確化—新地域医療構想検討会(2)
新たな地域医療構想、「病床の必要量」推計は現行の考え方踏襲、「病床機能報告」で新たに「病院機能」報告求める—新地域医療構想検討会
新たな地域医療構想論議、「現行の考え方を延長する部分」と「新たな考え方を組み込む部分」を区分けして進めよ—社保審・医療部会(2)

新たな地域医療構想、患者減が進む中で地域の実情踏まえた統合・再編など「医療機関の経営維持」等も重要視点の1つ—新地域医療構想検討会
新たな地域医療構想は「2040年頃の医療提供体制ビジョン」、医療計画は「直近6年間の医療提供体制計画」との役割分担—新地域医療構想検討会
新たな地域医療構想、協議の旗振り役明確化、公民の垣根超えた議論、医療・介護全体見た改革推進が極めて重要—新地域医療構想検討会
医療・介護連携の強化が「医療提供体制改革、新地域医療構想」を考える上で必要な不可欠な要素—新地域医療構想検討会
2040年頃見据えた新地域医療構想、病院の主体的な動き(機能転換など)が必要な分野について「何が必要か」の深堀りを—新地域医療構想検討会
2040年頃見据えた新地域医療構想、在宅医療の強化、構想区域の見直し、「病院」機能明確化などですでに共通認識—新地域医療構想検討会
【ポスト地域医療構想】論議スタート、医療介護連携、構想区域の在り方、医療人材確保、必要病床数設定等が重要論点—新地域医療構想検討会

【ポスト地域医療構想】論議を近々に開始、入院だけでなく、外来・在宅・医療介護連携なども包含して検討—社保審・医療部会(1)