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診療報酬改定セミナー2024 看護モニタリング

乾癬などの治療に用いるビメキズマブ製剤(ビンゼレックス皮下注)を在宅自己注射指導管理料の対象へ追加—厚労省

2023.5.9.(火)

既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症の治療に用いる「ビメキズマブ(遺伝子組換え)」(販売名:ビンゼレックス皮下注160mgシリンジ、同皮下注160mgオートインジェクター)を在宅自己注射指導管理料の対象薬剤などへ追加する—。

厚生労働省は4月28日に通知「療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等の一部改正等について」を発出し、こうした点を明確にしました(厚労省サイトはこちら)。

乾癬などに罹患した患者の「薬剤注射のための頻回通院」負担を軽減する狙い

例えば「糖尿病におけるインスリン製剤注射」のように、頻回な接種が必要となる注射療法については、その都度に医療機関を受診し、医師から注射を受けることは現実的ではありません。

そこで、医師が注射の実施方法や留意点などを指導したうえで、患者が「自宅等で自分自身で注射する」仕組みが設けられています。

もっとも、健康被害のリスクを最小限にするために、▼医師による「患者が薬剤を自己注射するにあたって必要な留意点などの指導管理」をC101【在宅自己注射指導管理料】などとして経済的に評価する▼対象薬剤(注射薬剤)を厚生労働大臣が「患者が自己注射しても有効性・安全性が確保されるもの」に限定する—ことが行われています。

在宅自己注射指導管理料の対象薬剤は、「関連学会等が、ガイドライン等で在宅自己注射を行うことについての診療上の必要性が確認されている」などの要件に合致しているかを中央社会保険医療協議会で確認したうえで追加されていきます。追加の時期については、現下の新型コロナウイルス感染症の流行を踏まえて次のようなルールが設けられています(コロナ感染症下では「医療機関の直接受診」による感染拡大リスクがあると考えられるため)。

▽新薬のうち「14日未満の間隔で注射を行う」ものは、要件を満たす場合に、原則、薬価収載の時期にあわせて対象薬剤への追加を検討する

▽新薬のうち「14 日以上の間隔をあけて注射を行う」ものは、事実上「14日以内毎に医療機関を受診する」こととなるため、14 日を超える投薬が可能になった後に対象薬剤への追加を検討する(新薬は、原則、薬価収載から1年間は、投薬期間が14日に制限される)

▽コロナ感染症が拡大している間、新薬以外の医薬品について要件を満たす場合で、学会からの要望があった場合は、原則として新薬の薬価収載の時期にあわせた対象薬剤への追加を検討する(関連記事はこちら



この点、4月26日の中央社会保険医療協議会・総会では、既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症の治療に用いる「ビメキズマブ(遺伝子組換え)」(販売名:ビンゼレックス皮下注160mgシリンジ、同皮下注160mgオートインジェクター)を在宅自己注射指導管理料の対象薬剤へ追加することが承認されました(関連記事はこちら)。

本剤は、「4週に1度」などの頻回投与が必要であり、都度、医療機関を受診することとなれば、患者の身体的、経済的負担、時間的損失(通院や待ち時間等)が生じ、また医療従事者の負担も大きくなることから、日本皮膚科学会や日本乾癬学会が「治療効果が確認され、患者本人が自己注射を強く希望し、医師等が自己注射に対する対処についてのトレーニング・安全性教育を実施して適切と判断した患者については、在宅自己注射を可能としてほしい」と要望。中医協がこの要望を受け入れたものです。

この中医協決定を受け、今般の通知では次のような点を明確しています。

特掲診療料の施設基準における「在宅自己注射指導管理料、間歇注入シリンジポンプ加算、持続血糖測定器加算、注入器用注射針加算に規定する注射薬」(別表第9)に、「ビメキズマブ(遺伝子組換え)」(販売名:ビンゼレックス皮下注160mgシリンジ、同皮下注160mgオートインジェクター)を追加する

▽「ビメキズマブ(遺伝子組換え)」(販売名:ビンゼレックス皮下注160mgシリンジ、同皮下注160mgオートインジェクター)の使用上の留意事項として次の点を定める
▼本製剤の自己注射は「4週間に1回投与する場合」に限る
▼本製剤の自己注射を行っている患者に対し指導管理を行った場合は、C101【在宅自己注射指導管理料】を算定できる
▼本製剤は針付注入器一体型キットであり、C101【在宅自己注射指導管理料】を算定する場合には、C151【注入器加算】・C153【注入器用注射針加算】は算定できない

▽C200に定める「在宅自己注射指導管理料」の対象薬剤に、「ビメキズマブ(遺伝子組換え)」(販売名:ビンゼレックス皮下注160mgシリンジ、同皮下注160mgオートインジェクター)を追加する

▽調剤報酬における「在宅医療における自己注射等のために投与される薬剤」の中に、「ビメキズマブ(遺伝子組換え)」(販売名:ビンゼレックス皮下注160mgシリンジ、同皮下注160mgオートインジェクター)を追加する

▽保険薬局で交付できる特定保険医療材料(別表2)の中に、「ビメキズマブ製剤の自己注射のために用いるディスポーザブル注射器(針を含む)」を追加しする(別表3の対象薬剤にもビメキズマブ製剤を追加)



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